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Blog in Japanese

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翻訳者・通訳者の視点から主に言葉と文化についてつぶやいています。
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#造語

Großbürger vs. Kleinbürger ... 市民とは!?

「20世紀美術の軌跡 ― 市民が創った珠玉のコレクション」と題して、#ルートヴィヒ美術館展 が日本で開催中。@国立新美術館(9月26日まで)その後、京都国立近代美術館に巡回。 ケルンのルートヴィヒ美術館はいわば地元の美術館であり、個人的に少し思い入れがあるので、門外漢ながら紹介させていただきます。 ✨ 見応えのある数多の作品を所蔵している同美術館ですが、#ロシア・アバンギャルド の有数のコレクションを持つことはあまり知られていなかもしれません。ロシア以外では、Sted

「刺さる」の原義を体感する

「心に刺さる」という新語はすっかり市民権を得ているようです。口語の世界だけかと思ったら、今どきの雑誌や書籍で活字にもなっています。さらにそれを短くした「刺さる」という形容詞も頻繁に目にします。 いわく、刺さる言葉、刺さる映画、刺さる本などなど。つまり、「感動する」の同義語として使われています。「やばい」が転じて、「すごくいい」の意味になるようなものでしょうか。 心の琴線に触れるという意味なら「心に響く」という美しい日本語があるではないかと思いますが、「刺す」という行為のも

ハムスター、巣ごもり、そして今・・・

「巣ごもり消費」とはよく言ったものだと、感心していたら、いつのまにか時代は「今のうち消費」 日本でもオミクロン型の感染が急拡大の兆しを見せるなか、日本の年末年始商戦はまだ比較的好調だったようです。そのような消費者動向を「 #今のうち消費 」と呼ぶらしいですが、これまた唸らされる造語です。「そのうち買えなくなるかも」という不安がひと言で表されています。 リベンジ消費が弱気になった感じといったらよいでしょうか。ネットで探しましたが、それに対応する英語や独語の表現は見つかりませ