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小説「対抗運動」第6章1 ポトスのトポス

おいさん「舞ちゃん、来週のアースガーデンにTCXで出店を出すことにしたよ。もみがらミネラル炭の鉢と枕を世に問うてみるんじゃ。」

舞ちゃん「そんな大げさな。」

おいさん「舞ちゃん、自信あるんじゃ。ネモッチャンのTシャツも出すよ。四国にも送るけん、フリマで売ってみてよ。ペットボトルや空き瓶に、もみがらミネラル炭をたっぶり入れて水を加える。これで鉢は出来上がりじゃ。今回は、生井さんが、自分のビールを分かち与えて育てたポトスを活ける。インテリアとして鑑賞に堪えるだけやないで。ミネラル炭が部屋の空気まできれいにするけんね。ペットボトルや空き瓶のリサイクルにもなっとるし、もみがらミネラル炭自体が、高度な資源のリサイクルやしね。おいさんは、この鉢に紐をつけて、部屋に吊るせるようにしようかと思うんじゃ。」

舞ちゃん「ふーん。」

おいさん「部屋が一変するよ。名付けて、ポトスのトポス、じゃ。」

舞ちゃん「おいさん、あかんよ。鉢はええかも知れんけど、ネーミングはいまいちや。」

おいさん「あかんか? あと、枕もすごいで。もみがら炭のとは別に、埼玉の小川町で炭焼いとる安部さんに、枕用の竹炭も頼んであるけんね。カバーはジンバブエ帰りのウメちゃんにプレッシャーかけとる。一発でスグレモノじゃとわかるようにしてくれ、言うてね。」

舞ちゃん「おいさん、東京はだんだん輪が広がってきよるね。」

おいさん「ほうよ。今度もね、売るんが第一の目的じゃないんじゃ。ちょっとずつ輪を広げるんが一番の目的なんじゃ。今はまだ結びつきがないけど、模索しとる若い人らはいっぱいおるけんね。この前も、アシード・ジャパンの食農チームの人らといっしょに、新庄に草取りツアーに行ったんじゃが、40人近くおったよ。半分以上は女性じゃった。利潤追求が第一の世の中で、なんとかしようと模索しとるんじゃ。必ず各々の対抗運動はつながるようになるよ。」

舞ちゃん おいさん
「Get up, stand up ♪♪」
「Stand up for your rights ♪♪」
「Get up, stand up ♪♪」
「Don't give up the fight ♪♪」

続く
執筆:飛彈ゴロウ、2003年7月7日

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