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高卒就職問題 就職難は起きませんよ

 高卒就職問題研究のtransactorlabです。問題解決のため調査研究と提言を続けております。今回は「コロナ禍の影響で就職難が起きるか」という話。

(タイトル画像は「18歳人口の推移」です)

 結論から申し上げますと、コロナ禍による就職難は生じません。確かに求人数の減少はあるでしょうが、求職者数の減少幅の方がずっと大きいからです。

 下の図をご覧ください。縦棒は18歳人口、折れ線は大学・短大への進学率を示しています。専門学校進学を含めると20~30%ぐらいは上がりますので、ここ数年の就職希望の高卒生の割合は20%弱になります。18歳人口は令和2年は116.7万人、令和3年は114.1万人になっています。

18歳人口と大学進学率

 ハローワーク発表のデータによれば令和2年度の求職高卒予定者の割合は14%。それぐらいしかいないのです。

 令和2年度求人数  約33万6千人で、前年同期比24.3%の減
 ○ 求職者数    約16万人2千人で、同8.0%の減
 ○ 求人倍率 2.08倍で、同0.44ポイントの低下

 「求人倍率が0.44ポイント低下」が目を引きますが、現場の感覚としては、確かに飲食宿泊業の求人が少なかったという印象がありましたが、それ以外には大きな変化は感じませんでした。

 次のデータは昨日(令和3年5月16日)の高卒就職情報提供WEBサービスの状況です。ちょっと言葉は悪いですが、売れ残り求人票がこれだけあるということを示しています。詳細な求人数の調査はしていないのでわかりませんが、2月時点では25万8千人分が残っていましたので、おそらく23万~24万人ぐらいだろうと思われます。つまり、求人はあり余るほどあるのです。就職難など起きるはずはありません。

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 高卒就職に関して言うと就職難は起こりません。逆に採用難はずっと続きます。

 就職希望の高校生諸君は悲観的になる必要は全くナシ。出ている求人票の中で条件のいいものから順番に選んで応募すればいいんです。

 高卒人材の採用をお考えの事業者の方々には、こういう状況ですので、選ばれる条件の提示をお願いします。最賃ギリギリじゃダメですよ。

 高卒就職市場には相場情報が不足しています。私のホームページで情報提供をしていますのでどうぞ参考にしてください。生徒の支援をされる先生方にも是非利用していただきたいと思います。一枚の求人票の良い・良くないが一目で分かるグラフも用意してあります。

https://transactorlab.wixsite.com/my-site-1

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