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スポーツから学んだこと vol.2

Tranquiメンバーの鈴村誠太郎です!
前回の投稿に引き続き、ワークショップの内容についてご紹介させていただきます。前回の投稿をまだご覧になられていない方は、下記の通りリンクの方を貼っておきますのでそちらから是非ご覧ください。

それでは、前回の続きをご覧ください!

(1)ゲストの経験をインタビュー


―スポーツを通じて自信を得ることができましたか?(Confidence)―

史朗さん

『もちろん自信を得たと感じています。そしてスポーツを離れた日常生活の中でも自信をもつことができています。』

『ところで、自信(Confidence)については最初のパートである程度触れることができていると私は思っています。なぜなら、自信(Confidence)も困難な状況を乗り越えることによって得ることができると思うからです。私がいつも何かに取り組む時、現段階では達成不可能と思えることに取り組もうと決めています。それは、スポーツをしていた頃、厳しい練習や格上との試合など、それと同様のことを既に経験しているからです。』

『たとえ格上との試合だとしても最初から「今日の試合は負けるだろうな。」とは考えないでしょう?日常生活においても同様です。何かに取り組む時、「私はできる、私はやれる、達成できる」、と考えます。そういう自信はスポーツを通して得られたものだと思いますし、そういうポジティブなフィーリングを日常的に感じることができています。』

『だから挑戦的なシチュエーションの選択を今も楽しんでいます。そして環境を変化させることもいつだって楽しんでいます。ヨーロッパ、アメリカ、どこに行こうが、いつも楽しみがある。そういうチャレンジはいつだって困難の連続ですが、それがもたらす結果は想像以上に達成感のあるものです。』


仁道さん

『私もスポーツを通して自信を得ることができたと思っています。そして私がなぜ先程、能力(Competence)と自信(Confidence)が似たような位置関係にあると言ったかというと、やはり史朗さんがおっしゃるように、どちらも困難な状況に立ち向かっていくことで得ることができると思うからです。』

『例えばサッカーで言うと、パスを習得する必要があります。最初の方は狙った方向にボールが向かってくれることはないでしょう。だから繰り返すこと、練習し続けることが必要です。続けていくことで徐々に狙った場所にいくようになるでしょう。そしてシュートが打てるようになり、得点することにもなるでしょう。そしてその結果、周囲の人を熱狂させることもできますよね。』

『しかしここで強調したいのはあくまでいきなりではなく、徐々に、ということです。この徐々に、という経験が自信(Confidence)のレベルを高めてくれると思います。この話から言えることは、これまで話してきた[困難・それに立ち向かうプロセス・成功体験]が重要である、ということに加えて、

[繰り返すことによって得られる小さなステップアップ]が重要である

ということが言えると思います。スモールステップに成らざるをえないとも言えるかもしれませんね。だから、小さなことから始める。それがポイントです。そうすることで自信(Confidence)のレベルを徐々に高めることができると思います。』

小さなタスクを達成することによって得られた小さな自信の積み重ねが、私自身がスポーツを通して得ることができた自信(Confidence)の正体でもあります。そしてこの積み重ねが私を次のレベルへと引き上げる原動力となっています。』

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―スポーツを通じてつながりを形成することができましたか?(Connection)―

仁道さん


『この質問に対する答えはもちろんイエスですね。Tranquiがまさしくいい例だと思いますね。このコミュニティはスポーツを媒介として、絆を生み出していると思います。私たちは異なるスポーツをしているし。異なるバックグラウンドを持っている。そして異なる国に住んでいます。それでも私たちは繋がることができています。十分にスポーツを通して繋がることができたと言えると思います。』

『加えて、私はこれまでスポーツを通してたくさんの社会的なつながりを持つことができました。私の視座でつながり(Connection)について話すとき、それはスポーツを通しての国際開発であり、私個人の研究テーマでもあります。このフィールドではスポーツは2つの主要な機能があると言われています。1つは絆を育む機能、もう1つはその絆をより強くする機能です。』

『私の人生はスポーツを通した つながり(Connection)の連続でした。だからスポーツが私に与えてくれた絆やチャンスには本当に感謝をしています。たとえ私がアフリカに行かなかったとしても、同様にスポーツには感謝をすることができていると思います。』


史朗さん

『現役時代にもつながりを形成することはできましたが、現在においてもこの質問に対する答えはイエスですね。私は現在、時にスポーツと共にあり、時にスポーツから離れる生活を送っています。しかし、私が新たな環境に身を置くことになった時、繋がりを形成する上でスポーツがとても便利なコミュニケーションツールであることは常に変わらない事実です。』

『補足をすると、このスポーツを通してのつながりは

・プレーするということ
・プレーヤーであるということ
の2つから論じることが可能だと思っています。』

1つ目、[プレーするということ]
『これはスポーツが言語としての機能を果たす、ということに繋がります。例えば私は、ロシアへ行った時にロシア語は全く話すことができませんでした。それでもサッカーがプレーできるということによって、友達をつくることができました。より大きく捉えるとサッカーというスポーツを媒介にして新たなコミュニティに参加することができたとも言えると思います。まさにスポーツが言語の1つであることを体感しましたね。』

2つ目、[プレーヤーであるということ]
『これは周囲の人々に対してアイデンティティを形成することに繋がります。私の場合、サッカープレーヤーであるという私のアイデンティティを周りが認識してくれたという経験があります。それが起こることによって、周囲の人たちは私をサッカーの試合に招待してくれるようになりましたし、サッカーを愛する人たちによるパーティへ参加する機会を得ることもできました。』

『このような経験をすることができたため、スポーツは重要なコミュニケーションツールになり得ると感じています。そしてこの繋がりを通して、私も仁道さん同様、いつもスポーツに感謝をしています。すでにスポーツは私の人生の一部になっています。例えるなら皆さんがナイキという服を着ているように、スポーツという服を着ているような感覚に近いですね。』

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―スポーツはあなたの人格形成に影響を及ぼしましたか?(Character)―

史朗さん

『そうですね。スポーツをすることを通して、冷静に物事を判断できるようになったと思います。当たり前ですが、スポーツでは敵と対峙します。そして状況を判断し、どうすれば勝てるのかを考えなければなりません。結果的にその一連の思考は自分自身を見つめることにもつながっていると思います。私には何ができるのか、相手と比べ私が優れているのはどの点か、といった具合です。これを繰り返していました。』

『このことは企業で働くようになった今でも行っています。いきなり問題に飛びかかろうとするのではなく、状況と私自身の分析、その理解を深めてから問題に取り組むようにしています。そうすることで中立的な立場から物事を判断できるようになった気がしています。感情的になることはないですし、その立場からより状況を深く観察できるようになったと思います。』

『加えて冷静に判断できるようになったということと似ているのですが、柔軟性も身につけることが出来たのではないかと思っています。サッカーはチームスポーツであり、チームのメンバーと課題を解決しなければなりません。だから頑固ではいられないし、柔軟性を求められる状況であったとも言えます。会社においてもスポーツと同様に、困難な状況や難しい人間関係を経験することがあります。しかしサッカーを通して得た経験が人としての柔軟性を高めてくれましたし、さまざまな国で働いてきた私にとってこの柔軟性はとても大切なものになっています。』


仁道さん

『今挙げてもらった冷静さや柔軟性以外のことで言えば、私はより社会的になることができた、と言えると思います。私の母からよく聞くのは、私自身幼い頃はすごく人見知りでシャイだったということです。初対面の人と会う時はいつも誰かの後ろに隠れているような子だったらしいです。』

『でもスポーツをすればコミュニケーションを取らなければならない状況というのが必ず起こるわけじゃないですか。そのコミュニケーションというのはチームにおける選手同士の会話に留まらず、コーチであったり友達であったりもします。スポーツは、私を囲む全ての人とコミュニケーションをする状況を作り出してくれたと思います。』

『また、もし私がコミュニケーションをうまくとることができなければ、アフリカでプロとしてサッカーをプレーすることはできなかったでしょう。当然ですが、私たちが海外に行けば肌の色や文化が私とは完全に異なる人たちがいます。そのためアフリカでは、自らの意見を押し付けるのではなく、相手と意見の交換をしようと心がけました。具体的には、最低でも目の前にいる相手のことを理解しようと務め、同時に私自身がどんな人間であるか、どんなプレーをする選手なのかを伝えようとしました。そのような経験が私に社会性をもたらしてくれたのではないでしょうか。』

『そしてこうした経験をすることで毎年、私自身が変化できているな、ということを実感していますね。またこういう経験を得るために、私は常にオープンマインドであるとこを心がけていますし、チャレンジ精神を持ち続けたいとも思っています。』

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(2)まとめ

私は今回このワークショップやnoteを経験させていただく中で、

・問題の直面、トライアル&エラー、成功体験の重要性(Competence, Confidence)
・コミュニケーションツールとしてのスポーツの機能(Connection)
・状況への対応、適応経験が性格に及ぼす影響(Character)

これらに気づくことができました。
 現在日本は、スポーツをする人としない人の二極化が進んでいると言われています。また特に私が注目しているのは、若い世代のスポーツ人口の減少です。これはfast is better(勉強をするのは早ければ早いほどいい)という学歴社会的な背景が潜んでいるためではないかと考えます。そしてこの社会的背景が若い世代の自由な身体活動を妨げているかもしれない、という思いを巡らせるに至りました。もちろんスポーツや身体活動を強要したいわけではありません。ただそれらの可能性に目を向けることもなく素通りをしてしまう現代に対してワークショップや今回のnoteを通してささやかな提案をしたいと思った次第です。
 
最後に、この記事をご読了いただきましてありがとうございました。皆さんはスポーツを通してどのような経験をされていますか?この記事がその経験を振り返り、これからの生活につながるようなものになっていれば幸いです。

(3)番外編予告

 今回のワークショップでは様々な意見が飛び交っていましたので、次回のnoteでは番外編としてそちらの方もご紹介させていただきたいと思っています。よろしくお願いします!


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