コロナニナッテ カワッタコト ワカッタコト
豪雨災害に見舞われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
猛暑の折、復旧作業は大変だと思いますが、体調を崩されませんよう、穏やかな日常が戻りますようお祈り申し上げます。
またコロナの話?
年頭に「コロナカノナカノアレコレ」を投稿してから季節は巡り8月になりました。2類相当から5類感染症に変更されて早数カ月、制約もほぼなくなり、フジロックも無事に終わり、次はサマソニです(どちらも参戦しないけれど)。もうコロナの話は食傷気味という方も多いでしょう。私も次の順番が回ってきたら、映画や音楽、読書の話をしようと楽しみにしていました。よって今回のタイトルも荻上直子監督作品『川っぺりムコリッタ』に寄せたかったのですが、うまくいきませんでした。
個人的な話で恐縮ですが、子どもの頃から「直箸」が苦手で、家族間でも取り箸派です。鍋料理も焼き肉も複数の箸とトングを巧みに使い分けます。その姿に前世はカニだったのかもしれないと自ら思うほど。とはいえ社会性は大切です。BBQなどでは周囲のムードを損なわない程度にうまいことやってきたつもりです。洗面所はペーパータオル、コップ類の共用はもともとないので、コロナ禍の折には手洗い、うがいのガチ励行以外では玄関などのポイントに消毒グッズを配置し、換気に努める程度の環境改善でした。
恐るべし、エアロゾル感染
「私はならないと思っていた」「自分はならないような気がする」といった話も聞きました。「もしかしたらあのときコロナだったのかもしれない症候群」というのもありましたっけ。周囲の感染例や経緯を見ても「どれほど気をつけても人知を超えてなるときにはなるのだろう」と達観モードになっていきました。エアロゾル感染のウイルスに対して、感染源の特定や犯人捜しなどナンセンス、愚の骨頂です。それなのに……今回、家人とで1日違いで発症したら、「エアポートリムジンの前の席の人、今思うとヤバイ咳をしていたよね」などとぼやく始末。小さいなぁ、自分。
すぐに検査を受けそれぞれの対症療法が始まりました。私には学会で注目されている漢方薬2種も処方され、39度前後の高熱は4日目におさまりましたが、倦怠感と気管支系の症状は継続治療中です。発症直後は食べられない日が続いたためにかなり消耗しました。体重は落ちるし、1週間以上飲酒願望がまったくない自分に動揺し、「そうとう悪いんだろうか、これって」と妙な心配をする始末。友人と会うと挨拶代わりになっているγ-gtpの数値も今ならすごくよさそう、という不埒な考えが浮かぶも、感染中の検査は意味ないらしく断念。こういった体調不良時のために「ノンアルコールワイン」をストックしているのですが、今回はそういう問題じゃなくて、とにかく飲みたいと思わないのです。なぜか飲酒願望そのものが消失したのでした。じつに新鮮な体験であり感覚です。
カワッタコト
「別にいいじゃないか、飲まなくたって」という声が聞こえてきそうなので、話題を変えます。新型コロナ感染症は多種多様な後遺症が報告され、その出現期間もさまざまです。(*以下、商品名を出しますが、可否に関わる内容ではないのでそのままとさせてください)。常時作って水代わりに飲んでいるルイボスティーなのですが、いつもの味がしませんでした。無味無臭。これが世に言う味覚障害、嗅覚障害なのかと愕然とし、風味があるものにしようと水分補給をソルティライチに切り替えました。すると……はっきりと龍角散の味がしたのです。龍角散は嫌いな味ではありませんが、少なくともソルティライチに求めている味ではありません。食事を作るのにこれでは困る。そもそも食欲がない私が、少しだけ食欲が戻った家人のために料理をしようという点に無理があります。いつも通りが通用しないなら、味付け不要の冷しゃぶとか、不本意だけど料理アプリできっちり計量して作るとか、と悶々としていたら家人が「Uberかお惣菜は?」と。両手両足を上げて大賛成。幸いなことに数日で味覚障害は元に戻りました。ソルティライチに本来の味を感じたときには、「ライチだ!」と声が出ました。嬉しかったなぁ、そんな当たり前のことが。嗅覚は味覚ほどダメージを受けなかったようです。ただ、ソルティライチの一件で不安が強くなり、家中のいろいろなものを嗅ぎ回るという挙動不審ぶり。トリュフを見つける豚さんは偉いなぁ、と尊敬しつつ。
ワカッタコト
今回の感染でわかったこともありました。コロナ禍で朝型にシフトしたとはいえ、また、シュフという立場上睡眠時間が短くなりがちとはいえ、自分ではショートスリーパーだと思っていました。それがラジオ体操効果なのか、健全な人(普通の人)に近づいていて、「飲酒をすると眠くなる」という感覚を知りました。こうやって人は弱くなり飲めなくなっていくのかもしれない、と勝手に期待しています(たぶん、人にはわからないワクワク感)。そのタイミングでのコロナ感染。発熱と倦怠感で信じられないくらい眠れました。インフルエンザのような悪寒や体の痛みがなかったからでしょう。私も6時間とか8時間とかぐっすり眠れるんだ、という新発見。それと同時に(注:大前提として飲酒をしていない)気圧やストレスで乱高下しがちだった血圧が絶妙な数値で安定しました。飲まないから睡眠の質が向上し血圧が安定したのか、よく眠っているからなのか……もはや卵が先か、鶏が先か状態ですが、結果的にはよかったといえます。
次の順番が回ってくるのは来春でしょうか。今度こそ、明るい話ができますように
Nobuko Yazawa