パス度はトランスジェンダーだけの努力なのだろうか?

トランスジェンダーのお悩みの一つが「パス度」だ。 

パス度とは

パス度は、自分が他者から「自分が生きたい性別の方」に所属している存在と、認識されているかどうかを測る指標だ。

パス度を上げるためには、いかに自分の見た目や立ち振舞を「生きたい性別」の概念に寄せていくか、という技術が必要となる。

女の子になる努力

僕は、体は女の子で脳は男の子だ。僕は、FTMと呼ばれるグループに一応カテゴライズされる。

FTMと診断されている方々やFTMと自認する方々の多くは、「男の子としてのパス度を高める」努力をしている人が多いのではないかと思う。

しかし、僕は残念ながら無いもの(下記のリンクの内容はお察しください)に目が向くタイプだ。

だから、僕は子供の頃に、女の子として生きることを選択した。(僕が女の子として、腹をくくった心理状況は下記の記事をご覧ください。)

それから僕は、無意識的に「女の子としてのパス度を上げる」研究をしていた。女の子としての立ち振舞、服装、喋り方、声の出し方。。。謎の努力である。謎の研究を長年コツコツとやってきたのだ。

脳が男の子の僕には、「女の子」という概念が何なのかを学習し、実践し、データを蓄積するという努力をしないと「自分自身が女の子をやる」ことは出来なかったのだ。

可愛いは作れる!

しかし「可愛いは作れる!」のキャッチフレーズから分かるように、「可愛いは作らないと出来上がらない」のだ。だから、シス女性(脳も体も女の子)の皆さんも、日々の半端ない努力と研究をした結果、可愛いのだと思う。

睫毛一つをとっても、元々、地睫毛が長くてフサフサで上向きカールの女性は、少ないのではないかと思う。だから頑張って、マツエクやマスカラ、つけまつ毛など、睫毛にひと手間加える努力で、女の子らしく可愛い睫毛を生み出している。

僕のシス女性の友人もコスメに半端なく課金して頑張ってる。そして、友人は、エステや美容医療も頑張ってる。シス女性の友人の方が僕よりも、女性としてのパス度向上に爆課金し、時間もたくさん使っている。

手抜き気味の僕よりも、友人は「女性としての目指す完成度」が高いのだ。目指すクォリティが高い分、努力も時間もお金も必要になる。

パス度はトランスジェンダーだけの努力ではない

パス度というのはトランスジェンダーだけの努力だと思いがちだ。トランスジェンダーの場合は、シス女性・シス男性に比べて、パス度に関しては、より高い技術力や多くの努力が必要とされる点はもちろん否めない。

しかし、トランスジェンダーではない人達、シス女性・シス男性も、日頃からパス度研究を、コツコツ頑張っているのである。

生きたい性別として認識されるように。
生きたい性別の人間として、「素敵」に見えるように。

「人からどう見られるか」「相手からどのように認識されるか」をコントロールするのには、技術が必要だ。

どのような生まれ方をしても、
どのような人生を選んだとしても、
「自分の見せ方」には常に努力がつきまとうのだろう。

女の子としての見た目や立ち振舞を頑張るケースが、ジェンダー関係なく存在する話はこちら。


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