SL銀河

 銀河のように美しく,東北に希望をもたらした,SL銀河。

客車の老朽化により運転を取りやめる。

東日本大震災の復興の一環として復活したC58。

SL銀河での運行が終わり,再びボイラーの火を落とす。 

東日本大震災の記憶とともに。

忘れられていく悲惨な光景。

語り継いでいかないといけない。

SL銀河はあくまでも象徴。

20年後,30年後,SL銀河を知っている人は何人いるだろうか。

20年後,30年後,東日本大震災の悲惨さを知る人々はいるのだろうか。

語り継ぐべき一つの物語をSL銀河は提示していったのではないだろうか。

銀河は無限の可能性を持つ。

C58が再びボイラーの火を起こすときは,また大きな震災があった時かもしれない。

しかし,力強いドラフト音で往くべき方向を示してくれるだろう。

震災の象徴と過去からの使者。

今後,C58をどのように活用していくのか,震災をどう伝えていくのか,バトンは新しい世代に託された。

過去からの負託された貴重な財産を絶やすべきではない。

客車がまたできるその日まで,全国を走り抜け,震災の記憶を広く語り継ぐべきだろう。

SLは動いてこそ価値がある。火をつけて価値がある。ボイラーを沸かして価値がある。

その価値には過去からのメッセージも詰まっている。

我々,今生きている世代は何を未来へ残せるだろうか。

SL銀河はここで終わり。しかし,記憶は永遠に引き継がれるだろう。

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