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居心地のよいところに居続けるのは楽だけど、未来はどうだ?

『「働かないおじさん問題」のトリセツ』という本の紹介記事を編集した。

タイトルを見たときは、口ばかりで働かず、いばっているおじさん会社員を思い浮かべた。
「まったくしょうがないおじさんだな。働けよ」って。

20代で少しだけ経験した会社員生活で、おじさん上司があまり好きじゃない。できるだけおじさんの下で働かなくてもいいように、技術を身につけて、自分に裁量がある仕事をしてきた。

本書を読んでみたら、働かないのにいばっているおじさんの話ではなかった。
真面目でコツコツ働くおじさんたちが、「働かないおじさん」と思われてしまう職場の背景があるのだ。

コロナ禍で人々の働き方はずいぶん変わった。
テレワークやオンライン会議などが当たり前になったが、そこであるレベルのITスキルが必要となる。さらには、人に会うことが減ったため、コミュニケーションをとるために様々なITツールを使いこなさなければならない。20代でも、50代でも同じツールを使えなければ仕事にならない。

また、個人の日々の成果は以前より明確になった。以前は会社に来て、真面目に働いている姿を見せていたら、人柄評価をしてもらえる面があっただろうが、今はそうはいかない。仕事はタスク型にシフトし、個人がどんな成果を上げたかで評価される「成果主義」になっている。

真面目だが、会社で求められる流れについていけないおじさんたちは、「働かないおじさん」というレッテルを貼られてしまう。
これは、おじさんだけの問題ではなく、会社側がしっかりフォローしなければならないのだが、まずはおじさんの「進化し続けなければならない」という意識を持つことが最も大切だ。

人は慣れた環境に居心地の良さを感じ、そこから出ようとしなくなる。そうしているうちに、社会の流れに対応できなくなったら?
誰しもが、「働かないおじさん・おばさん」と呼ばれる可能性がある。

仕事でも、趣味でもいい。
ある程度の大人になっても、今の自分からさらに良くなろうとするマインドを持ち、行動し続けることが必要だと思う。「安泰」など、今の世の中にほとんどないだろうから。

文=一瀬立子

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