見出し画像

ソフトバンク出資のBigCommerce(ビッグコマース)がIPO申請。競合はShopify。Shopifyを超えるほどの人気銘柄となるか?

小売業者にeコマースサービスを提供しているBigCommerceが1億ドルのIPOを申請しました。小売業者向けのeコマースサービスといえば、いまや株式市場で大人気のShopifyと同じビジネスモデルです。

間違いなく投資家からはShopifyと比較されるはずです。SaaS企業が大人気のこのタイミングでの上場は素晴らしいですが、実際のビジネス収益はどうなんでしょうか?


BigCommerce社の概要

BigCommerceは、eコマースサービスをSaaS(Software-as-a-Service)プラットフォームで提供していて、顧客のブランドeコマースストアとオンラインマーケットプレイス、ソーシャルネットワーク、オフラインPOSシステムなどのサービスを提供しています。

画像7

コマースの世界は急速に変化しており、物理的な商取引からデジタル商取引への移行ペースは加速しています。

eコマースプラットフォーム世界市場は、2019年に47億ドルであり、年平均成長率(CAGR)は11%で成長し、2024年には78億ドルに達すると予測しています。この世界市場には、レガシーeコマースプラットフォームとSaaS eコマースプラットフォームが含まれます。当社は、テクノロジーパートナーのエコシステムから得られる追加の収益シェアにより、当社の総アドレス可能市場は、eコマースプラットフォームの支出を大幅に上回ると考えています。BigCommerceの収入の約75%はサブスクリプション費用となっています。

画像1

eコマースプラットフォーム成長推移

B2C、B2B、DNBを含む様々な顧客規模、地域、顧客セグメントにサービスを提供しています。

画像8

BigCommerceの業績

FY18とFY19の業績は次のようになっています。

FY18 と FY19の業績 (1)

FY19の売上高は1億1210万ドルと、2018年の9190万ドルから約22%増加していますが、営業損失は3798万ドルから4099万ドルと拡大しています。

売上総利益率は70%超えとSaaS企業らしく高いものの、FY18からFY19で若干低下しています。

FY18 と FY19のキャッシュフロー

営業キャッシュフローはFY19もマイナスとなっています。

画像3

四半期毎の業績

四半期毎の業績推移も見てみます。

画像5

売上高成長率を見れば分かるように、成長のペースが遅いですね。

ARR (Annual Recurring Revenue) = 年間定額収益

画像4

ARRは順調に積み上がっています。

Shopifyとの比較

BigCommerceのFY19の売上高は1億1210万ドルに対して、ライバルのShopifyの売上高は15億1800万ドルと、規模の違いは歴然です。

売上高成長率も、BigCommerceは30%を下回っているのに対し、Shopifyは46%となっています。この数値を見ても残念ながらワクワクしないですね。

営業利益率もBigCommerce-32%に対して、Shopifyは-10%。。

まとめ

売上高成長率や営業利益率の低さ、企業規模を考えると、IPOしたとしても割安で取引されるのではと思います。

少なくともIPO初日に購入する企業ではないので、上場後1年間の業績を見守るぐらいでしょうか。

また、IPOの主幹事は次のようになっています。

・Morgan Stanley & Co. LLC
・Barclays Capital Inc.
・Jefferies LLC
・KeyBanc Capital Markets Inc.
・Canaccord Genuity LLC
・Needham & Company, LLC
・Raymond James & Associates, Inc.
・SunTrust Robinson Humphrey, Inc.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?