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eXp World Holdings(EXPI)銘柄分析。クラウドベースの不動産仲介サービスをグローバルで展開。いよいよ通期純利益の黒字が見えてきた。

以前からウォッチしていた不動産関連の隠れたSaaS銘柄「eXp World Holdings(EXPI)」。
最近の株価上昇の波に乗れていなかったのですが、株価が落ち着いてきたこともあり紹介しておきます。直近の決算も非常に良かったです。

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eXp World Holdings(EXPI)とは

会社名: eXp World Holdings, Inc.
ティッカー: EXPI
Marketcap: $2,700.18
業種: Real Estate
会社紹介:
eXp World Holdings, Inc.は2008年に設立された持株会社で、ワシントン州ベリンガムに本社があります。米国、カナダ、英国、オーストラリアの住宅所有者や住宅購入者向けにクラウドベースの不動産仲介サービス(exp Realty)を提供しています。

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米国とカナダのほぼすべての州でビジネスを展開しており、2019年第4四半期には、英国とオーストラリアで不動産仲介事業を開始しました。eXp World Holdingsはクラウドを活用することで、物理的に現地に社員を配置することなく、グローバルで不動産仲介業を成長させることに成功しています。

エージェントや仲介業者のために、様々なシステム、サポート、インフラなど、手厚いサービスを提供していることも大きなポイントです。
提供するシステムは、ファイル共有や取引管理、ウェブデザイン、ソーシャルメディア、デジタルキャンペーン、顧客関係管理プラットフォーム、ビジネスコーチング、技術サポート、エンゲージメント、ディスカッション、コラボレーションなどのバックオフィス機能を提供しています。
サポートサービスとしては、トレーニング、教育、コーチング、メンタリング、取引サポート、ブローカーサポート、技術サポートなどを提供しています。

さらに、仲介業者やエージェントが必要なときに物理的なスペースを提供しており、世界中の拠点でオフィスやワークスペース、会議室の提供もしています。

また、ウェブサイトのexprealty.comを介して不動産仲介サービスを提供するほか、ビジネス、イベント、教育のためのバーチャルリアリティソフトウェアプラットフォーム「VirBELA」を提供し、労働者や学生、その他のユーザーがコミュニケーション、コラボレーション、出会い、交流するための仮想体験を提供するサービスも展開しています。

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不動産仲介業というよりは、テクノロジーサービス会社が不動産仲介業をしているといった方がしっくりきます。

業績

四半期毎の業績は次の通りです。

売上高 と 収益性 (23)

利益 (84)

EPS(GAAPベース) (43)

キャッシュフロー (69)

・売上は、2019年第2四半期の2億6700万ドルに対し、2020年第2四半期は32.6%増の3億5400万ドル

・売上総利益は、2019年第2四半期の2,210万ドルに対し、2020年第2四半期は55%増の3,440万ドル

・純利益は、2020年第2四半期が830万ドル(EPSは0.11ドル)であったのに対し、2019年第2四半期は220万ドル(EPSは0.04ドル)の純損失

・営業キャッシュフローは、2019年第2四半期の1,810万ドルに対し、2020年第2四半期は57%増の2,850万ドル

・サービスを利用するエージェントとブローカーの数は、2020年第2四半期末に31,091人となり、1年前の20,162人から54%増加

・2020年第2四半期にクローズした住宅取引高は、2019年第2四半期の103億ドルに対し、約26%増の130億ドル

EPS/売上のコンセンサス予想と実績

EPS(実績) と EPS(予想) (33)

売上(実績) と 売上(予想) (34)

FY20 Q2がビックリ決算だったため、実績とコンセンサス予想の差も大きく、EPSのサプライズ率は1,000%となっています。

ガイダンス

Q2の決算発表で明確なガイダンスは示されていませんが、次のようなコメントを出しています。

・売上は2020年の第3四半期と第4四半期に前年同期比で増加し続けると予想

・競合するサービスを上回るレベルでエージェントが増加し続けることを期待

・クラウドベースのリモートモデルは、特にこの厳しい時代に、エージェントや独立系の仲介業者にとって非常に魅力的

・2020年末までにフランス、インド、メキシコ、ポルトガル、南アフリカに不動産事業を拡大する意向

・Showcase IDXの買収は2020年7月に完了し、エージェントのためのウェブサイトと消費者向け不動産ポータル技術に特化したテクノロジー企業がeXp World Holdingsの傘下に入った。今回の買収により、eXpは消費者向け住宅検索技術の創出に戦略的に注力できるようになる。

・住宅ローン仲介サービスは、来年の成長への貢献者になると予想

・VirBELA の成長機会は継続すると予想

アナリスト予想

アナリストのQ3と通期の予想は次のようになっています。

・Q3の数字予想
 売上:$406.9 M(YoY 45.1%)
 EPS:$0.050(YoY 278.9%)

・FY20通期の数字予想
 売上:$1.43 B(YoY 45.2%)
 EPS:$0.20(YoY 253.2%)

まとめ

eXp World Holdingsは、クラウド技術を駆使して、従来の不動産仲介会社に戦いを挑んでいます。圧倒的な低コスト構造を武器に、不動産業者とレベニューシェアのビジネスモデルを構築しているため、多くのエージェントがexp Realtyを採用するという相乗効果を実現しています。

コロナによる未払い家賃や環境変化、さらに低金利継続により米国住宅市場が活況してくると予想しており、さらにコロナによる対面懸念もexp Realtyを利用することで不動産購入をリモートで交渉可能になるなど、New Normalの時代にマッチしたビジネスであることも非常に興味深いです。

売上高成長率は低下してきているものの30%以上ですし、今後グローバル展開を拡大していくことや将来の市場規模を考えると十分に投資妙味があるのではと考えています。

最後に記事はあくまで個人の意見であり、如何なる投資を勧めるものではありません。投資はご自身で判断してくださいね。




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