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PayPal(PYPL)FY20 Q3決算レポート。EPS、売上ともにコンセンサス予想を 上回る決算を発表。成長率も25%と引き続き好調を維持しているにも関わらず、 決算後に株価が下落した原因は?

PayPal(PYPL)がFY20 Q3の決算を発表しました。Q3の決算は売上高成長率が24.7%と非常に強い決算発表を行っていますが、株価はQ4のガイダンスが投資家の期待を上回る内容ではなかったため下落しています。

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それでは詳細な決算内容を見ていきましょう。

【参考】FY20 Q2の決算レポートは以下になりますので、併せてご確認ください。

FY20 Q3決算概要

売上高 と 収益性 (15)

利益 (14)

EPS(GAAPベース) (13)

キャッシュフロー (11)

・売上は予想$5.4 Bのところ、前年同期比25%増の$5.46 B
・EPSは前年同期比121%増の$0.86
・営業キャッシュフローは前年同期比34%減の$720 M
・フリーキャッシュフロー前年同期比34%減の$479 M

売上と売上高成長率は順調に成長しています。気になるのは営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローが弱い点。

フリーキャッシュフローの減少については、決算発表の中でCEOが次のように語っています。

この好調な業績に貢献したのは、第 4 四半期に重点を置いた増額投資のタイミングでした。第 4 四半期の現金、現金同等物、および投資は 176 億ドルとなりました。また、フリー・キャッシュ・フローは 4.79 億ドルとなりました。当四半期のフリー・キャッシュ・フローの減少は、主に現金税の増加によるものです。

当事業の中核となる現金生成は依然として非常に好調です。2020年の平均では、各四半期に約13億ドルのフリーキャッシュフローを創出し、通年では50億ドル以上のフリーキャッシュフローを創出すると引き続き予想しています。

通年で50億ドルのフリーキャッシュフローとは、なかなか強気ですね。

PayPal社からの決算資料も見ていきましょう。

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・Total Payment Volume (総決済高)は38%増の$247 B
・GAAPベースのEPSは121%増の$0.86、非GAAPベースのEPSは41%増の$1.07
・新規アクティブアカウント(NNA)は、1,520万件となり、Q3末のアクティブアカウント数は3億6,100万件
・個人間送金アプリ「Venmo(ベンモ)」は急成長し、前年同期比61%増の$44 B

EPS/売上の予想と実績

EPS(実績) と EPS(予想) (14)

売上(実績) と 売上(予想) (14)

FY20 Q1がガイダンスを下回る結果となった以外は、すべてガイダンスを上回る結果となっています。FY20 Q3についてもガイダンスを上回っていますが、サプライズ感はそれほどでもないですね。

ガイダンス

FY20 Q4のガイダンス
・TPVの成長率は30%台半ばから後半と予想
・売上の成長率は20~25%と予想
・EPSの成長率は、GAAPベースで45〜47%、非GAAPベースで17~18%と予想

FY20 通期のガイダンス
・TPVの成長率は約30%と予想
・売上の成長率は20~22%と予想
・EPSの成長率は、GAAPベースで37~38%、非GAAPベースで27~28%と予想

今後の見通し

今回の決算発表後に株価が下落した原因は次の2つが考えられます。

・ガイダンスの売上高成長率が予想よりも低かった
・Q3のFCFが低かった

ただし、売上高成長率は低いと言っても、20%台ですし成長が減速しているほどではないと思います。

フリーキャッシュフローが弱かった点も、カンファレンスコールの中で明確に原因を語っており、FY20通期では50億ドルのフリーキャッシュフローを予想していますので、株を売却するほどの理由でも無さそうです。

私はすでにPayPal株は売却済みですが、保有している方は引き続き保有でも良いのではと感じる決算でした。





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