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窓の外に描く

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主人公の15歳のジニとバン先生との出会い、すれ違い、成長を描いた小説です。 たまに挿し絵のイラストも描いてアップします。 ※実在の人物、団体とは一切関係ありません。
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2023年7月の記事一覧

窓の外に描く 3話「電話」

窓の外に描く 3話「電話」

 退院してから、学校は夏休みだった。学校にはもう行くつもりは無かったが、8月に入ってから、電話がかかってきた。バン先生からだった。

 「ジニ、怪我は大丈夫か?ずっと学校に来てなかったから、今からちょっと美術室に遊びに来ないか。学校に2学期からいきなり入るの、緊張するだろ。」
 「緊張なんかするわけないだろ。学校はもう行かない。電話もしてくんなよ。」
 そう、答えた。と、同時に、びっくりした。「学

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窓の外に描く 2話「画集」

窓の外に描く 2話「画集」

暴走族に入ってから一年後、中3になったジニは、5月に初めてバン先生に会った。進級して、しばらくしても学校には行かなかった。暴走族の仲間と、無茶な走りをして、バイクが転倒して事故を起こしたのが、5月の半ばごろだったと思う。
 命こそ大丈夫だったが、右足に怪我をして、入院していた。家族はジニを見放していたから、入院の手続きで来てからは、その後はほとんど見舞いにも来なかった。
 唯一、毎日来たのが、担任

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窓の外に描く      1話「窓」

窓の外に描く 1話「窓」

 ジニは、美術準備室の隅で窓の外を見ていた。学校に来るのは久しぶりだった。授業にはいつも興味が無かった。学校には、自分の居場所は無いと、ずいぶん前から感じていた。不登校になる前も、なってからもずっと孤立していた。

 家では、誰とも喋らない。ジニが何で学校に行かないのか、家族も誰も聞かなかった。夜中出かけるなとか、髪を染めるなとか、そういった言葉しかもう何年も聞いていない。中学2年生で、暴走族に入

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