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窓の外に描く 1話「窓」
ジニは、美術準備室の隅で窓の外を見ていた。学校に来るのは久しぶりだった。授業にはいつも興味が無かった。学校には、自分の居場所は無いと、ずいぶん前から感じていた。不登校になる前も、なってからもずっと孤立していた。
家では、誰とも喋らない。ジニが何で学校に行かないのか、家族も誰も聞かなかった。夜中出かけるなとか、髪を染めるなとか、そういった言葉しかもう何年も聞いていない。中学2年生で、暴走族に入った。同級生とは話が合わない。14歳で暴走族に入ったのはジニだけだった。髪は金髪に染め、長く襟足を伸ばした。暴走族の仲間はみんなそうだった。
でも、年上の先輩のバイクの後ろに乗せてもらっても、一緒に万引きをして逃げても、本当の友達は誰もいなかった。
唯一の、心の支えは、担任のバン先生。あいつだけだった。
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