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米国公認会計士から社員3人のスタートアップに挑戦 - 「6割の仮説でやってみる」それが事業づくりには必要なことだった

トラックレコードの仲間たちを紹介していくnoteです。
今回は2022年1月に入社、TECH HIREの事業開発を担当している西村 峻さんにインタビューをしました。
アメリカの大手監査法人で会計士から日本のスタートアップ・事業開発へ…という異色の転職ストーリーをお持ちの西村さん。「事業が生まれるところを近くで見たかった」と語る裏側にはどんな想いがあったのか、トラックレコードに入社してからの半年で気づいたことなどをお聞きしています。

西村さんの経歴
●中国・上海の生まれ
●小学校、中学校は上海にある日本人学校、高校は現地のインターナショナルスクール
●大学はアメリカ・ニューヨークへ
●卒業後は2社の監査法人でインターン
●卒業した大学に戻りMBA取得
●MBA取得後、大手監査法人・Deloitteに就職(デトロイト勤務)
●丸3年務めた後に退職し日本へ
●2022年1月よりトラックレコードに4人目の社員として入社←今ココ

僕は高級金太郎飴でいいのか?事業を自分でつくることを求めて米国会計士から日本のスタートアップへ

ーー簡単に、どんな人生を送ってきたか教えてください。

中国の上海で生まれました。
僕の父はメーカー勤務の、いわゆる駐在員。上海には、僕のような駐在員の子女がたくさんいて、日本人むけの全日制の幼稚園や小学校、中学校があります。僕も中学までは日本人学校に通っていたので、中国語の授業がある以外は、基本的には日本の教科書をつかって勉強していました。
高校は、上海のインターナショナルスクールに通うことになったのですが、ここがひとつの転機だったかもしれません。授業は全部英語で、周りもアメリカの大学に進学する生徒が多かったのです。親の後押しもあったので、自然とアメリカへの留学を決めました。ちなみに、高校入学当初は授業が全くわかりませんでした(笑)慣れるもんですね。

アメリカの大学に留学したあとは、「これまでに勉強してきた英語が本当にアメリカで通じるのか」「親に出してもらったお金に頼らず、自分でアメリカで生活をすることはできるのか?」と考えるように。自分の能力を試してみたくて、アメリカで就職したいという気持ちが大きくなりました。ただVISAという大きなハードルもあったので、VISAの取得しやすさや職業としての安定なども考えて、会計士を目指すことにしたのです。正直なところ、会計士が何をするのか全くわかっておらず、弁護士よりは楽そうだな…くらいの感覚だったのですが、無事にDeloitteに就職できました。

Deloitteのときの仲間との写真

ーーものすごいサラッとすごいことを語っていただいた気がします。アメリカのBIG4で会計士として働いていたところから、突然、日本のスタートアップに転職となるわけですが、何かきっかけはあったのですか?

大きなきっかけがあったわけではないのですが、コロナで時間の余裕がでてきてキャリアや自分のことを考え始めたことと、アメリカでの仕事や生活への達成感を得られたことかなと思います。

せっかくアメリカの大学に進学したので、この地で自分の力を試したいという思いがあったわけですが、英語も話せるようになって就職もうまくいって…充実していたからこそ、お腹いっぱいになったのかもしれません。何か縁があってアメリカに行ったわけではなかったので、仕事でも後輩の指導をしたり、チームを回せるようになった段階で、アメリカでの挑戦をやりきったと感じるようになりました。

その時には家族は日本に戻っていて、友人の多くも日本で暮らしていたので、次は日本でチャレンジがしたいなと自然と考えるようになりました。

ーー仕事やキャリアに対しては?

「いつか起業をしてみたい」「自分で事業をつくりたい」
そういう気持ちは監査法人に勤めている中でも少しづつ生まれてきました。

仕事柄、クライアントのPLやBSを毎日見ていましたが、あくまで事後的な会計や財務です。PLに責任を持ってゼロイチのチャレンジをしたり、自分が下した判断で事業に変化をもたらすことはありません。自分たちで何かを成し遂げてる感じや、つくっている感覚が味わえなかったんです。

昇格して偉くなったとしても、結局、明日も明後日も会計士として同じことをやり続けるのかな…と、ふと考えてしまったんです。先輩たちからしたら「わかってないなぁ」と笑われてしまうかもしれませんが。
「やりいことって何だっけ?」と考えたときに、”自分が”つくっている感覚がほしいなと思ったんです。
あと「なんかやれる気がする」という根拠のない自信もあったかもしれない(笑)

ーー西村さん自身が、事業への手触り感や変化みたいなものを欲していたんですね。

そこまで明確に持っていたつもりはないのですけど、Deloitteという会社の看板には感謝しつつも、「Deloitteの西村」ではなく「西村」として何か結果を残したくなったんだと思います。

大企業だと当然のことですが、今日マネージャーが辞めて別の人が突然きたとしてもプロジェクトは何も変わらずに進んでいくし、自分が辞めたとしても会社は普通にまわっていくことへの違和感もありました。誰が対応しても高いクオリティで業務を遂行できる究極の仕組み化が成立しているので、すごいことなのですが、自分の価値を感じづらくなりますよね。言い方はアレですが、高級金太郎飴みたいだなと想像してしまって…。

コロナ禍でリモートワークになってからは、毎日がExcelとのにらめっこ。クライアントとコミュニケーションが必要なものだけに削ぎ落とされたことで、だんだんと頼られている感覚が薄れ「作業」っぽさが増してしまったこともあったと思います。

そうなると、「これは僕じゃなくてもいいよな」「本当にこれを続けるんだっけ?」といったことを考えてしまいますよね。

ーーーアメリカでのチャレンジが自分の中で一区切りしたことと、自分がやりたい仕事を見つめ直したタイミングが重なったんですね。

「自分で何かしてみたい」という思いが強くなったときに、改めて自分のアセットや状況を考えたら日本で挑戦するのがよさそうだと感じて、日本に帰国しました。

日本に戻ってきて、友人と一緒に事業をはじめてみようと思ったのですが、本当に何からはじめればいいのかわからなかったんですよ。事業計画つくったり、お金集めたりとか、なんとなく必要そうなことのイメージはあるものの、まったくわからない。

だったら、近くでビジネスが生まれるのを見ようと思ったんです。それでスタートアップに就職しようと。

ーーなるほど。スタートアップへの転職に不安はなかったですか?

結局のところ、スタートアップは入社してみないと、何をやっているのかわからないですよね。どの企業も、面接では壮大なことを語ってくれるし、持っている技術もすごいと言われますし(笑)
それと、創業したてのスタートアップはコミュニティができあがっている印象も持っていたので、そこに溶け込めるのかという不安はありました。
事業もわからない、中の人たちは仲間内でワイワイやっている…という状況に、1人の社員として入社して、果たしてやりたいことはできるのか?というのは考えました。

ーートラックレコードに決めた理由は?

野崎さんや芹川さんとの面接の時に、「フェアに見てくれそうだな」と感じたんです。僕がやりたいことにフォーカスして話をしてくれて、この会社だったらチャレンジできそうな感覚もありましたし、選考を受けていた企業の中で一番アーリーフェーズだったので自分で何かを変えられそうな感覚も持てました。

それが顕著にでたのが、オファーしてくれたポジション。
他社はやっぱり会計士の経験を活かして、財務やCFOに近いポジションのオファーだったのですが、トラックレコードは唯一、事業をつくってほしいというビジネス側のポジションでオファーをくれました。
経歴だけではなく、人として評価してもらえているように感じて嬉しかったです。

ーートラックレコードはDeNA出身者が多いですが、そのあたりは入社してみて何か感じますか?

入社した僕から見ると、トラックレコードの仲の良さは、仲間内でワイワイしているのとは違う、プロフェッショナルとして尊重しあっているが故の仲良しだと思っています。DeNA出身者は多いですが、そこに固執してないし、実際入りづらさを感じたこともありません。

トラックレコード登山部

トラックレコードでの数ヶ月は、考え方が180度変わるくらい、事業づくりを肌で感じることができている

ーー入社してからのことも教えてください。

​​トラックレコードはスタートアップでは珍しく完全に二つの事業に内部で分かれています。違った強みを持つ2人(共同代表である芹川さんと野崎さん)が、それぞれの事業をリードする形です。
よかったら2人のnoteもご覧ください。

入社前にはざっくり「どちらかに携わって事業を一緒に作る」ということだけが決まっていて、入社時点でも実際の事業内容の解像度は低い状態でした。僕は4人目の社員なのですが、すでに20名以上の業務委託の方が強みを生かして様々な業務に携わっています。

結局、僕は事業グロースというテーマを持ってTECH HIREをやることになったんです。

6月くらいにようやく自分で事業を語れるようになって、7月に初受注。お客様の課題に対して、自分で提案を考えて受注できるようになったので、明らかに手応えが変わりましたね。

TECH HIREは野崎さんがリードしているのですが、入社してから数ヶ月間は営業をしていても、他人の商品を売っている状態。そのため、これまで売れている商品でも、自分では売れなかったりしました。
それから実際に自分もプロジェクトの中に入ってお客様の採用支援をする中で、提供価値を理解することができ、TECH HIREの事業が自分ゴトになってきたように思います。
7月くらいには他人の商品を売っているのではなく、お客さまに価値を提供しているという感覚を掴めて、実際に売れるようになりました。
今も新しい課題にはぶつかってはいますが、一つ前に進んだ感じがしますね。

ーーー約半年で手応えをつかむところまでいったんですね。かなり濃い時間を過ごしたんだろうなと感じます。

結構、泥臭いことをたくさんやってますね(笑) Webサイトも入社してから4回作り直してますし。
TECH HIREは流動性が高い商品なので、「とりあえずやってみよう」が可能です。仮説があったら、とりあえず資料をつくってみてお客様にぶつけてみよう…ができる。

今までは「仕組みをつくってから、売らないといけない」と思っていたのですが、この数カ月で頭の中が180度切り替わった気がします。やれると思ったことからやればいいんだなと、考えられるようになりました。今までは、身構えすぎていたかもしれないですね。

ーーーもともと「事業が生まれるのを近くでみたい」とおっしゃってましたが、あらためて「事業づくり」とは?

「6割ぐらいの仮説があればやるべき」と今は思っています。
100%の仮説をつくるのはそもそもムリだし、自分がイイと思っていても売れないことはあるし、売り方ひとつで結果が変わることも全然ありますよね。
だからこそ、お客様にぶつけてみて、そこから改善していくベストエフォート型がいいのではないかと考えるようになりました。
5割だと厳しいけど、6割の仮説があるなら、今やれることをやって、どんどん変えていくのが事業づくり。

もうひとつ、トラックレコードに入ってから「裁量」に対しての価値観も変わりました。Deloitteのときは予算も人も決まっていたので、その中でやれることをやっていたわけですが、今は事業としてこれが必要で、そのためにはこのツールがいる、こういう人を採用したい、ここにお金をかけよう…といったレベルの話ができるようになりました。
裁量権を持つというのは、こういうことかと思いました。多額の予算を動かすとかではないんですよね。

このあたりの学びはスタートアップだから…というわけではなく、事業に対しての視座があがったことで、事業づくりや裁量権というものへの考え方も変わったのだと思っています。

ーーこの短期間で会計士からすっかりビジネスデベロップメントになりましたね!これからの活躍も期待してます!

TECH HIREを一緒につくっていきませんか?事業開発メンバー募集中です

今回は、異色の経歴をもつ西村さんをご紹介しました。キャラが濃くて、話をしているだけでも面白いですよ。ちなみに「USCPAの勉強法も伝授できる」とのことなので、ご興味ある方はコンタクトしてみてください(笑)

トラックレコードには、様々なバックグラウンドを持った個性豊かなメンバーが集まっています。
そして、今後の事業成長のために、新しい仲間を絶賛募集中です!1人の力で組織や事業が大きく変わる可能性があるので、「自分の証を残したい」と思っている方には、挑戦しがいのある環境です。

カジュアル面談も実施中なので、お気軽にご連絡ください!お待ちしております。

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もうエントリーしたい!という方は、こちらからどうぞ!

とりあえず、西村さんと話をしていみたい人はMeetyもございます。

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