必ず、物語を『意外』にする方法を手に入れた!
今回は物語でなく、「なんで私がショートショートを書き出したか?」について、書きます。
それはですね、田丸雅智さんの『たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座』を読んだからなんですね。
(↑私は増補新装される前のを読みましたが…)
もはや自己啓発本だと言っていい!すぐに、挫折なく、書いてあることが実行できるので、爽快でした。
ちょっとした感動を覚えたので、本で紹介されていた物語の作り方をお伝えしようと思います。先日私が公開した、「着ぐるみ解禁」の制作過程(?)を追いながら、説明しますね。
1.思い付いた名詞を20個書く。
私は、次の名詞を書きました。
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散歩 マニキュア
ポスト 絨毯
坂道 魔法使い
就職活動 呪文
メガネ 膝枕
利き手 仙人
風邪 修業
薬 タイル
スニーカー 着ぐるみ
引越し 電話
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ちなみに何度かこの作業を行った結果、「この段階で似たような単語を入れないことが、面白い物語にするコツではないか?」と思い至りました。
(例えば、未来っぽい単語を書いたら次は昔っぽい単語にする、フォーマルな単語の次はカジュアルな単語にするなど)。
2.20個の単語から好きな言葉をひとつ選んで、その言葉から連想することを10個書く。
名詞でも形容詞でも動詞でも副詞でもよいそうです。
私は、「就職活動」を選んで、連想した以下のようなことを書き出しました。抽象的な雰囲気の言葉を入れておいた方が、次の作業に繋げやすい気がいたします。
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就職活動:
つらい 早く終わりたい 知らないことを知れる
スーツ 履歴書 面接 グループディスカッション
お祈り 自己分析 解禁
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3.「不思議な言葉」をつくる
1で書き出した「20個の単語」と、2で書き出した「連想した言葉」を組み合わせて、「不思議なことば」(⬅田丸さんの語のチョイスがかわいいですね)をつくります。
私は、以下のようなことばをつくってみました。
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着ぐるみ解禁 電話解禁 利き手の面接
魔法使いグループディスカッション
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この作業が、一番楽しいです。
小学生のときに流行っていた「いつどこでだれが何をしたゲーム」を思い出します。
学生時代、お笑いについて論文を書いていた友人が同じゼミにいたのですが、その人が調べていたことによれば、人は想定していたことと違うことが起こったときに、面白いと感じるらしいんですね。結婚式のファーストバイトで、新婦が大きいスプーンを使って、ゲストを笑わせるのってこの原理ですよね。
必ず、期待を裏切れる、この「不思議なことば」メイキング術、すごくないですか?
ここで、違和感のあることば、物語を感じることばが思い付けたら、6割勝ったようなものです。
4.不思議なことばから想像を広げる
作られたことばについて、「それはどういうものなのか?」「それはどんないいところ、悪いこと、その他のことがあるか?」を考えます。
「着ぐるみ解禁」について考えたことは、以下のような内容であります。
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着ぐるみ解禁とはなにか?
→着ぐるみの中は、暑いときは特に温度と臭気がひどい。そこで、労働環境改善のために着てもいい期間が設けられるようになった。その初日が「解禁」日。
どんないいことがあるか?
→中の人が、夏場着ぐるみを着なくていい。
どんな悪いことがあるか?
→夏場着ぐるみを着たい人がいたら、この人たちが残念に思う?
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このあと、「夏場でも着ぐるみを着たい人とはどんな人か?」を考えて、「着ぐるみの状態が楽チンな人」→ナチュラル・ボーン着ぐるみ→地ぐるみ を考え付きました。
で、あとは「説明」と「いいこと・悪いこと」に肉付けをして、最後もう一捻り入れたかったので入れて(ここを考えるのに時間がかかりました)、物語が完成しました。
最後一捻りを入れてしまうあたり、私の無駄な欲張り精神が感じられるかと思いますが、こういうことをしなければ、ほんとにさくっと、物語が書けます。ちなみに「着ぐるみ解禁」は、構想開始から書き終えるまで1時間ちょっとくらいかかっております。
私だけですかね?
・物語を書きたいけど、集中力ない。
・設定考えてるだけで挫折する。
・疲れる。
のは。
完璧を目指さなければ、自己嫌悪に陥らずに、1編は書き終えることが出来ますので、おすすめの方法です!
本も、田丸さんはきっと優しいかたなんだろうなあ、と思う内容で(ショートショートのワークショップで作られた物語と、それができるまでの過程が紹介されているんですけど、参加者のルール違反すら肯定してくれる器の大きさを感じました)、ささくれだった心に癒しをくれますので、おすすめです。
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