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選択肢が増えたら、呼吸はもっと楽になる:『逃げるは恥だが役に立つ』第11巻

この間、「つぶやき」でも触れましたが
『逃げ恥』の最終・11巻には
心に残るところがたくさんありました~。

(前書いたっけ?恋愛漫画だけど
 みくりさんと百合ちゃんが
 抱き合ってる表紙が
 最終巻なのも、素敵だなー)

中学生くらいの「必読漫画」にしたら
みんなもっと気持ち楽に・人に優しく
生きられるんじゃないかと思ったり…。

ということで、印象的だったシーンをご紹介します!

ちょっとネタバレ?的なところもあるので
念のためご注意を~!

===

■みんなが常にフルタイムで働けることが「普通の前提」になっちゃいけない

(『逃げるは恥だが役に立つ』11巻より引用)

私自身が母親を癌で亡くしたこともあり、
ここ数年、
健康でフルに働けることは
「普通」じゃなくて
「たまたま」なんだって、

考えが変わった。

前の職場では
ご家族が急な怪我で大変だったのに
誰もその人の仕事を代われなくて
かなり無理して働いてた方がいらして…。

常に一人の人が120%働くことが
前提になってる職場は、
絶対おかしい。


比較的ホワイトと呼ばれるような会社ですら、これだもんな…。日本…とほほ。

じゃあ自分に何ができるか?って、
ゆとりのある働き方、生活優先の働き方を実行して発信していくことだろうな、きっと。

(今模索しているのは、
 毎日4時間働いて週休3日の生活。

 また今度別の記事で 
 詳しく感想書くつもりだけど、
 2020年6月15日号の
 「pen」がすごくよくて、
 その中で勝間和代さんが
 「1日の生活バランスを考えたら
  3~4時間労働が理想」って
 おっしゃってた↓)

もう一つ、別の観点から。
日本の会社だと比較的経験の長い人が
中間管理職になることが多いけど、
そういう人は「プレーヤー」の仕事が
気になってそっちばっかりやってしまい、
チーム全体の業務管理がおろそかになることがままあるよな…(これは前に書いた、1人の人が120%働くのが前提になってるのとリンクしてると思うけど)。

そのことがチーム内の
業務量の不均衡を産みやすくなって、
ますます職場の負の感情を増幅させてる気がする。

私は、ラッキーなことに
「なるべく他の人を助けて働こう」
って思ってる方とばっかり
同じ部署で働くことができたから
そういう妬みみたいなのを抱かずに済んだけど、

「性善説」も
職場で前提にしちゃいけないものの一つでは
、って思っている。
働いてる人のボランティア精神を頼りにする、というか。
だって仕事は、ボランティアじゃないからね。

(こう言うと、
 「非情だ」みたいに
 思われることも多いんだけど、
 「業務で過剰な
  ボランティアをしないこと」と
 「職場の人と
  人間らしい心の交流をすること」は
 両立できると思う)

チームのメンバーが
「いい人」でも
「ちょっとずるい人」でも、
特定の誰かに負担が集中せずに
仕事が回ってるのがいい会社だと思う。

■いろんな家族の在り方/いろんな「親」の在り方

(『逃げるは恥だが役に立つ』11巻より引用)

以前、児童養護施設
(漫画本文中の「擁護」は誤植かな…?
 意図があるのかな?)を支援する
チャリティーコンサートに参加したことがあって、
そこであった講演の中で
「施設を出る年齢になった子供が
頼れる人がいなくて孤立してしまうこと」が
問題なのだと知った。

子どもにとっての親の必要性って
成人するまでは特に高いけど、
その後も、就職するにしても家を借りるにしても
「まっとうな社会的地位のある」大人を
頼らないといけないシーンはいっぱいあるから、
「週末里親」のような仕組みが
もっと広まるといいなと思う。

そもそも、「週末里親」のような
存在がいるかどうかで
精神的な支えが全然違うと思う。
大学生のとき、児童養護施設で
お子さんの勉強を教えるボランティアをやろうか
検討していたことがあって、
NPO法人3keysの方に話を聞きに行った。


結局そのボランティアは
やらなかったんだけど、
たしかそのときの説明で、
「施設の子供たち、
 時々、初めて来た人の持ち物を
 隠すことがあります。
 それで怒られないかを試して、
 相手を信用できるか確認してるんです」
というような話があった、と思う。

「わかる」って
言い切っちゃうのはあれだけど
「わかる」気がして…。

私も、恋人が
ほんとに愛情を持ってくれてるか
試してしまうようなことがあるから。

(↓この記事で書いた話ですな)

自分が毒親家庭で育ったから
なおのことそう思うけど、
子どもにとって、
安心できる「家」「場所」があるって
すごく大切なことだと思う…。
それは
「血のつながり」の問題じゃなく、ね。

--
※血がつながっていることだけが
 強い絆の証明なのだとしたら、
 夫婦の関係は
 永遠に親子の関係に勝てないって
 ことになる。
 私はそれは悲しい。
 親やきょうだいより、
 私の気持ちを話せている他人が
 いっぱいいるのに。

 『逃げ恥』ドラマの公式ページで
 平匡さんを演じた星野源さんが、
 主題歌「恋」について語ってらしたことも
 すごくよかったので、引用します。

「夫婦を超えてゆけ」 という歌詞でサビの部分が終わるんですけど、書いていて一番気持ちよかったところでした。今回の 「恋」 は、全部の人に当てはまるラブソングにしたいなと思っていて、例えば対異性でもいいし、対同性でもいいし、それこそ結婚していてもいいし結婚していなくてもいい。例えば作品の中のあるキャラクターを大好きだっていう関係でもいいですし、対動物でも。

今、僕たちが当たり前だと思っていたことが、どんどん変わってきている時代だと思います。ドラマの中でも夫婦という制度が揺らいでいますが、今後この作品のように様々なスタイルが生まれていくんだと思います。そういう意味も込め、すべての人に当てはまるラブソングになっていると思います。

(TBSテレビ:火曜ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』公式サイトより引用。全文は↓から読めます~)

あ、またまたちょっと脱線しますが、
継母と継子だけど
信頼して愛し合ってる二人が
描かれているので、
『王様ランキング』好きです。

最新刊の
継母(ヒリング)と継子(ボッジ)が
抱き合ってるシーン、
素敵すぎて涙が出た…。
二人とも大好きだ…。

脱線ついでにもう一つ…
きっと「拡張家族」について
考えを深められそうだから、
今この本がすごく読みたい…↓

--

あと、子供とかかわりたいと思ったら
今の世の中は基本的にゼロか百かで
(家庭で全部がんばるか
 まったくかかわらないか)
そのことが
児童虐待を増やしてしまってるのでは?
とも思っている。

子供と少しだけかかわってみたい、って人が
それを叶えられる場所が必要だと思う。

(もちろん、一番大切にされるべきなのは
 子供だけどね!
 大人のエゴで子供を振り回すのは
 ダメ、ってのは大前提で。)

もっといろんな選択肢があれば
悲しい事件が減るかもしれない。

■馬鹿にしない、って難しい

〔中略〕

その後、↑で気まずそうな顔をしていた
女性「雨山さん」が、
(職場の同僚である)平匡さんに
この出来事についてメッセージで相談する。

が、それを「浮気の芽…?」
と疑ったみくりさんが
メッセージの内容を読む…というのが
次に引用するシーン↓

(『逃げるは恥だが役に立つ』11巻より引用)


(いくら浮気の疑惑を晴らすためとはいえ、平匡さんあての相談をみくりさんが読んでしまうのはどうなんだい?と思いつつ…。カップルでも夫婦でも、個人の境界線がなくなったわけじゃないから、相手の全部に侵入しちゃうのはいかんと思うのよ)

まず、みくりさんの意見には同意。
見返りを期待するのは当然なんだけど
常にその姿勢だと、
「裏切られる体験」が積み上がっちゃって
結局自分がきつくなっちゃわないか…?という…。
同じ巻の中に、平匡さんのこんなセリフもあります。

(『逃げるは恥だが役に立つ』11巻より引用)


ついつい陥っちゃいがちだけど、ひとりずもう、ヨクナイ。


で、です。もいっこ。
みくりさんの言ってること、
その内容には同意するんだけど、
非モテ・こじらせってラベリングすると
ますます男女の戦いが泥沼化してしまう気が…!


アルテイシアさんの本を読んだときの違和感にも通じる。

この本、基本的な方向性はとても好きなんだけど、
時々、
「ほとんどの男性はダサいのです」
と書いてあったり
対談で「キミみたいないい子が
そんなふうに思うなんて悲劇だよね」と
(男性に)言ってたり、
「なぜか上から目線」なのが
気になってしまって…。

(なんか男性向けのモテ指南本て
 「ナンパマスターからのアドバイス型」か
 「辛口姉御のご意見型」か、
 が多いよね…。
 (アルテイシアさんは基本的には
  優しいけどやや「辛口姉御」寄り。
  私がHSP?なので
  過剰に気になる、ということもあるが)
 ということで、私、
 どちらでもないnoteを
 書こうと思ってます…
 最近進められてませんが…)

止めよう!マウンティングの輪!!

ドラマで星野源さんが、平匡さんを馬鹿にして演じることはしないって決めてたってのを読んだから、なおのことね、そう思ったよ。

津崎は、ドラマの脚本の中では、とくにまっすぐな人。まっすぐで、誠実で、やっぱり臆病なところもあって、それで 「プロの独身です」 って言うようになってしまう。
すごくいい奴なんですよ。コメディなんですが、茶化して演じる気にはならないです。真面目に生きているからこそちょっとおかしく見えるようにしたいなと思います。
(再び、TBSテレビ:火曜ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』公式サイト、キャストインタビューより引用。太字はけそによるもの)

これ、たしか星野さんがオールナイトニッポンで話してたと思うんだけど、
『逃げ恥』は部屋のインテリア選びとかでも平匡さんの人柄を表現しようとしていたらしいんですよ。
ほんとにキャラクターに愛のある、いいドラマだった。

↑この記事の言葉選びは、ちょっとやだなー・ドラマの意図くんでくれてないなーと思う個所がちょこちょこあるのですが(「寝室は男性らしくすっきりと」っていうタイトルとかね…きついなー。わかるよ、「男性的な部屋」のイメージがあるってのはわかる、でもこのドラマの記事でこの言葉遣いは、え、って思う)、ドラマ内のインテリアのこだわりはよくわかる記事なので、引用しておきます。

===

…あ、反対意見みたいなので終わってしまった…!

とにかく私はとっても逃げ恥に救われたし、
ほかにも救われる人がたくさんいると思うので、
まだの方はぜひぜひ、読んでみてくださいな。

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