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なぜ人類は直立二足歩行を獲得したのか?

久々に更新します。
最近、股関節の勉強をしています。脚の付け根にある関節です。この股関節が硬くて悩んでいる人はけっこう多いですね。

いきなりですが、股関節ってどう考えても直立二足歩行するような形状になってないんです。詳しいところは書きませんが、直立するととても不安定になるカタチをしています。おそらく股関節が一番安定するのは、専門的に言うと「軽度屈曲位の位置」だと思います。日常生活的に表現すれば「腰を曲げた姿勢」といったところですね。

しかし人類は、股関節を不安定な位置に追いやってでも直立二足歩行を選んだわけです。そのために股関節周りの筋肉がかなり発達したとも言われています。特に内転筋という内ももについている筋肉。これが人類を人類たらしめている筋肉だとも言えます。他の類人猿の内転筋はほとんど発達していないので。

ただし内転筋が発達したから直立二足歩行をした、というのはまた違う話でしょう。順番的には、直立二足歩行をしたから内転筋が発達したという方が正しいと思います。つまり直立二足歩行をしなくてはならない要因が別にあり、それを補うようなカタチで内転筋の筋力を獲得していったということです。とある説では、物を運ぶのに直立二足歩行が優位であったのではないかと言われています。

直立ではなく前屈みの姿勢では、本当に重たいものは運ぶことができません。食料を大量に運ぶために直立二足歩行をしなくてはならなかったのではないかということです。人類が生きていくためにそんなに重たい食料を運ぶ必要があったのかというのは少し疑問ですが・・・。

素人ながらだーせんとしては、やはり脳の発達が要因ではないだろうかと勝手に思っています。「道具を使うようになって、脳が発達し頭部の質量が増えていった→脳が重たくなってくると股関節よりも前に頭部があるのは体にとって負担でしかない→直立することで股関節の真上に頭部を持ってきて、重たくなった脳みそを効率よく支えられるようになった」めでたしめでたし、というような具合です。

ここに関しては誰も確認することができないので真実は知りようがないですね。

ちなみに、加齢と共に腰が曲がってくるのはこの股関節の形状が原因になっているのではないかという説も、股関節を勉強する中で思っていることです。不安定でも直立していられるというのは、言い換えれば不安定な関節を支えるだけの筋力があるということです。加齢と共に筋力が低下してくると不安定な股関節を支えることができなくなります。筋力で支えられないため、股関節を本来の安定した姿勢、つまり冒頭に言った「腰を曲げた姿勢」にすることで筋力ではなく骨で支えられるようにするということです。

そうなると当然重たい頭部が股関節よりも前方に移動してきますので、それが体にとって負担となり、肩こりや腰痛を引き起こすということです。こちらのだーせん説・・・十分あると思います!

股関節に限らずですが人体について学ぶと、臨床にも活かせそうな研究結果を知れたり、そこから治療方法のイメージが湧いてくるのでとても面白いですね。これを患者さんの健康へと還元できるように今後も学びとイメージを深めていきたいと思います。

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