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~PINK デビュー30周年企画~「PINK BOX」全曲クロスレビュー(5):5thアルバム「RED & BLUE」

 いよいよ最後のオリジナルアルバムとなりました「RED & BLUE」のクロスレビューです。既に空中分解した後のアルバムということで、余り顧みられることの少ない作品であったと思いますが、このレビューを行なった当時は2人の再評価がグングン上がっていったことを思い出します。そしてやはり結論は落ち着くところに落ち着くと・・・。
 というわけで、ラストアルバム「RED & BLUE」の言いたい放題です。お楽しみに。


◆5th「RED & BLUE」

〜オープニング〜

@tpopsreryo:
PINK BOXレビュー企画。今日も性懲りもなくやっていくわけですが、本日は遂に5枚目にして最後のオリジナルアルバム「RED & BLUE」となります。それではいつものように@junnoviさん、用意はいいですか?始めますよ〜。

@junnovi:
センセー、こんばんは。今日でいよいよ5夜目。体力、続いてます? それにしてもとうとうここまで来ちゃいましたね。リアルタイムでは相当な時の隔たりがあったのにね。

@tpopsreryo:
そうですね。やっとオリジナルとしては最後となりましたが、ワタシ的には今日の作品も大切なのですよ。なんといってもホッピーさんのHP(http://hoppy-tv.com/disco.html)に当ブログのレビュー(http://reryo.blog98.fc2.com/blog-entry-100.html)がリンクされてしまっている作品ですからw

@junnovi:
ワハハ。「大人の事情」ってやつやねw いやーそれにしても、昨日は自分でも制御できないほど機嫌が悪くなっていくのを止められなかったよ、ホント。おそるべし「CYBER」。あのアルバムに対しては私も含め「寛容さ」が必要なのかも。
と書いている側からも、あのアルバムを評価する節があるのを知ると、世の中には色んな人がいるもんだと、自分のことを棚上げして思うのでしたw 今ではこんな生意気なこと書いてるけど、発売当時は何とかして自分の中に取り込もうとしてひたむきに聞き込んだんだよ~。
それに対して今日の5thは本当に聴いてないから、センセの相手としては全くの力不足ではないかと思って昨日からずっとずっと聴き続けましたよ~w

@tpopsreryo:
それはどうもありがとうw 既に終わった後の、PINKという名前だけが一人歩きしている亡霊のようなアルバムだし、その後の彼らの活動をこんなふうにやっていくよ〜という自己紹介的な作品とも言えると思います。では始めましょう。

@junnovi:
なるほどね。今後の活動の名刺代わりみたいな位置づけやと。このアルバムについてはいろいろとこの数日間、考えることが多かったので、そのあたりもセンセに意見をぶつけて知的な凌ぎを削ってみたいと思う。よろしく!

@tpopsreryo:
確かに全くタイプの違う作品だったからね。そして終止符を打った作品でもあったからなおさら恨みつらみwみたいな変な感情が渦巻いてしまったかもしれない。まあ今日は厳密に言えばPINKではないのでw、気楽に聴いていきましょう。

@junnovi:
じゃ、早速始めますかセンセ?

@tpopsreryo:
さて、5枚目「RED & BLUE」ですがパーカッションのスティーブETOも脱退してしまって5人組となったと言われていますが、実体は既にないと言ってもよいです。アルバムも完全分業体制。それぞれがリリース後に他の曲を知ったというくらい、徹底していたそうで。PINKではないです。

@junnovi:
リリース後にアルバムの全容を知るという実態ってスゴイよねw 自分たちの属するバンドの名前の、しかも世間的には相当な評価を得ているバンドの名義で出たアルバムの、プロとしての自覚っていうか覚悟みたいなものってないのかな。ってのっけから!?w

@tpopsreryo:
まあ、本人達的には既に「CYBER」で終わっていて、本当に大人の事情で無理矢理延命措置されていた中でのアルバムですからね。完全な寄せ集めと言っても誰も文句はいえないと思いますよ。本当に仕方なく作ったというのは、もう至る所からだだ漏れしているので。1曲を除いては。

@junnovi:
あらまぁここでも「大人の事情」が!w とかく世の中生きづらいもんだねぇ。このアルバムの実情については、リスナーやファン不在な当事者の事情や好悪で事が決められていってた印象が当時あって、益々聴かなくなったなぁ。ガッチョラー。
センセのブログってとても便利で、今日このPINKの「RED&BLUE」の発売年である1989年の作品を見てたら、土屋昌巳がエジプシャンになってラムセスと交信し、鈴木祥子が実に瑞々しいアルバム出したり、小室が舌足らずラップでSHOUTしてるw サイコーw

@tpopsreryo:
年度別目次って便利でしょ? それはブログ開設時に意識したところで、年度別にするとその当時のサウンド比較がしやすいし、その年に想いを馳せることもできるという。自分でやってみて意外と役立つなと思いましたw 脱線しましたがいきますよw

@junnovi:
ハイ、脱線スミマセン。でもホントあれは良く出来てますわ~。なんか、スカッとしたよ~。「♪ドーンストッマイラー、愛を止めないでぇ~。」とかGVの「TRUTH」とか、Jadoes「オーマイドリーン!」とかさ~。ってまだ言ってるw ゴメンゴメン。


1.「ベルリンは宇宙(BERLIN THE UNIVERSE)」

 作詞:宇辺セージ 作曲:ホッピー神山・福岡ユタカ 編曲:PINK

@tpopsreryo:
それでは各曲いってみましょう。まず1曲目「ベルリンは宇宙(BERLIN THE UNIVERSE)」。これはファンサービスというか、PINKですよね。この1曲だけは。ただ、サビをホッピーが歌っているし、以前のPINKとは少し違う。実はこういうふうに進化していたのかもしれないかも。
そして昨日までも出て来た単語「宇宙」「UNIVERSE」が出てくるあたり、PINKを象徴しているかもしれない。逆井さんのギターは彼が参加してからのベストプレイじゃないかなあ。そして福岡でPINKの色を出しつつ顔に似合わないホッピーの美声がサビにハマっていると思いますよ。好きです。

@junnovi:
あ先に言われた。ギターも見逃せない活躍ぶりですね。難を挙げれば歌詞くらいで。だってベルリンなのにガンジスはないでしょw その他の歌詞の中の言葉はセンセの指摘どおりユニバースだとかコズミックだとか実に良くファン心理を理解してます。よろし。

@tpopsreryo:
まあガンジスは仕方ないでしょ。3rdまでもそっち方面好きそうだったし(特にボーカルの人)、作詞の宇辺さんもそこらへんの空気を呼んだのかしらw

@junnovi:
ベルリンの壁が、なぜか嘆きの壁だし、沐浴なガンジス川だし。ま、いいか。ここベルリンはユニバースだから! そういうことだよね~。ということでとても気分よくさせる魅力に満ちた曲やね。スピード感もひねり具合も上々やし。「RED&BLUE」出す意味あったよね。
この曲こそが往年のファンが求めていたスタイルの曲なんだろうね。それすらも放棄した私なので偉そうに言えないんだけど、今こうして落ち着いて聴くと何とも進化したPINKで、幾ら終わったグループだとしてもプロ意識があることを強く印象付けるよね。いい曲です。
そして嘗てよりも作曲技法も向上しているし、福岡のボーカル技法も粘りを出したりいい感じ。センセの指摘どおりホッピーの歌が曲の重要なところで歌ってたり、暗くて低い声とかともコーラスしてたりと注目する箇所アリ。何かねわだかまりみたいなものがないんよこの曲。

@tpopsreryo:
そうそう、全て吹っ切れた後のアレですよ。散開が決まったYMOの「君に、胸キュン。」みたいなあの感覚w これは終わりが決まったからこその一体感。まあレコーディングは「CYBER」の時だったみたいだけどねw

@junnovi:
この曲、ホント「CYBER」には入らなくて良かったねぇ~。世間的にはその為に不運な扱いだったのかもしれないけど。とはいえ通例ではこの曲こそが「唯一の救い。唯一のPINK。」とか言われてたよねw もう良いんじゃないの、そういう次元の話じゃないでしょって思う。

@tpopsreryo:
うん、PINKうんぬんはこの際関係ないかもしれない。単純にいい曲だもんね。かっこいいと思う。「CYBER」なくてこういう方向にPINKが進んでいったとしても共感したと思いますよ。それほど完成度高いと思っています。ではそろそろ各々のソロ活動にいきますか?w

@junnovi:
ハイヨロシクです。こりゃ先長いかも~。


2.「STORY」

 作詞:吉田美奈子 作曲・編曲:福岡ユタカ

@tpopsreryo:
では、PINKも終わってソロ活動。まず2曲目「STORY」。福岡ソロのバラードです。ワタシこれまでも言ってましたがバラード嫌いなんですが、これは結構好きなんです。白玉シンセが物凄く良い味を出してる。遠慮なく音で埋めてくるというか、特にサビ後とか。アウトロもサスペンスタッチで。

@junnovi:
センセの言う福岡のバラード苦手感覚、私も理解できる。ただ私も同じで、この曲悪くないです。極めて練りこまれた感を残しながらも、自然な流れを保ち、低い硬質なピアノの音や、エンド近くの騒音に近いギーーーーという長いシンセの音とか、火サス(注:火曜サスペンス劇場)みたいw

@tpopsreryo:
そう、火サスw 良い表現だと思います。緊張感を残しながらもモヤがかったような世界観がたまりません。「CYBER」でもこういうのをやればよかったのに、とすら思わせるんです。

@junnovi:
後でも触れると思うけど、ここでも精神性の強い世界を表現してるよね。シンセの鍵盤を亡霊がのこぎりで轢くような感じって中々ないと思う。耳障りの悪い不安定な音階が続くと違うところで上手くまとまったりするけど、そういう例になるのかな。暗いけど悪い曲じゃ決してない。
それに福岡も今まで隙があったらすぐにガムランに走っていたけど、ここではそれがなくあくまで緯度高く、シュールな雰囲気を湛えて、リスナーを煙に巻いてます。ホント、悪くないです。

@tpopsreryo:
まあ結局その後のHALOでもここまでの精神世界を表現した曲はなかったんだけどね。この曲は異色だと思う。こういうタイプのサウンドもその後の活動の選択肢の1つだったのかもしれないね。それでは、次いきましょうか。

@junnovi:
ハイお願いします。


3.「小さな男の大きな夢」

 作詞:竹中仁見 作曲・編曲:ホッピー神山

@tpopsreryo:
3曲目「小さな男の大きな夢」。次はホッピーソロです。作詞はSALON MUSICの竹中仁見。どうしてもその後の活動と比較してしまうのですが、RAEL色が出てますよね。CYBERの時の印象とはまた異なるポップな曲で、これがまた彼の美声にマッチしていると思いますね。

@junnovi:
このあたりになると昨日からの続きでどうしてもセンセとの意見が分かれてしまいます。OPのシンセは、ちゃうんやけど、どこかピーターガブリエルが使ってた音に聞こえるし、あと歌が盛り上がりだすとコムロックのパターンが見え隠れして、どうしてもアカン・・・。

@tpopsreryo:
まあ80年代後半のシンセはほとんどプリセットそのままの場合も多いから仕方ないよ。作るというよりどこで使うかが求められていたと思うしね。まあこの曲のテイストはそのまま彼と下山淳とのユニットRAELに引き継がれていったと思いますね。さっさと次いきましょうか。

@junnovi:
はい、次行っていいです。でも色々書いてみてるやろ? あ、特段無理してないよw 段々と伝わると思うけど、このアルバム、実はかなり好印象なんです。どうしてもっとちゃんと音楽自体に向き合わなかったのかなって思ってます。

@tpopsreryo:
とはいえポップといっても本作の中では最もロックな曲なんですがw だからどちらかといえばCYBERのサウンドを引き継いでいるとも言えます。色が似ているというか。

@junnovi:
ブレてる様に思われる様なことを書いてしまうけど、この曲は「FIRE」とは違う。確かにロック色が強いけど、まだまだカラフルやし、確かに好きではないけれど、これも悪くはないと思う。福岡に多少絡んでもらいたかったなぁ。また面白い化学反応があったかもと思うんよ。

@tpopsreryo:
ああ、そうだよね。福岡とホッピーの融合って「ベルリンは宇宙」のようなケミストリーの可能性もあったわけだから、もう少し頑張ってほしいところだったかもしれない。


4.「AUGUST MOON」

 作詞:吉田仁 作曲・編曲:岡野ハジメ

@tpopsreryo:
では、4曲目いきます。「AUGUST MOON」。唯一の岡野ソロ。というより吉田仁とのユニットQuadraphonicsの曲だよね、これ。多分PINKの中で最も心が離れていたのは彼だったんじゃないかと思いますね。明らかにテイストがもう遠いところに。

@junnovi:
もうね悪意すら感じ取れるほどに何か全く異質な物をぶち込んできてるやん? ただね~これも悪くない。「CYBER」の「Climb,baby climb」でも共感した私だけど、今回は更にテンポを速めて、どこか土屋昌巳の「日差しの罪人」を思わせる曲調でよろし。

@tpopsreryo:
そう、悪くないんですよw CYBERのようなどっぷり感がなくて、プログラミング率が高くて、チープな電子音すら織り交ぜながら、全くPINKを意識することはなく本当にやりたいことだけをやってる感じ。そして彼にしては聴きやすくしているのが彼にとってのPINKだと。

@junnovi:
そう。悪意はたんまりありそうなんだけど、だからと言って相手を傷つけるとかいった刺々しい物を孕んでたりはせず、やりたいことをやってる感じやんね。その空気が音に落とし込まれてるんやろうね、聴いてるこっちも「CYBER」みたいなことにならんねん。不思議やね~。
あとね、センセ、悪いけど話蒸し返させて(しつこいから!)、「FIRE」ってさ、何が許せないって、曲の最初の「ラァ!」。あれは「ララァ・スン」の「ラァ」やわ。笑いとか狙ってないでw モッシー。何であんな陽気な「ラァ!」やねんw 看過できまへんッ!w

@tpopsreryo:
なぜいきなり「FIRE」へのツッコミ?w しかもいきなりのガンダムネタ。自身を奮い立たせるためのラァ!だったんじゃないですかね。まあロック化と言ってもいろいろ無理してたようにも見えるからね。

@junnovi:
いやいやゴメン。さっき「FIRE」が出たから。わざとちゃうよw 昨日からずっと引きずってて、書き忘れた~て。「FIRE」について私が何かコメントするなら、何を差し置いても、一も二もなく「ラァ!」やったのにと。「ラァ!」自体と忘れた自分に二重にイライラ!w


5.「水の絆(TIDE)」

 作曲:福岡ユタカ・矢壁アツノブ 編曲:福岡ユタカ

@tpopsreryo:
ここからは4曲続けて福岡タイムです。5曲目「水の絆(TIDE)」。福岡と矢壁の共作。ということはHALOの原型ですね。そして緯度の低そうな南国系オタケビインストです。この曲好きな方多く見かけますが・・・。

@junnovi:
あのねぇ、これはね、かなり良いね(爆)!ってオマエもかいッ! とうとうここに来てケチャを左右に味方につけて、精神性の高みに上ろうとする様相。「CYBER」の頃の迷いも衒いもなく、自己の思いの純粋な表出がここにはあると思う。
ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのカッワーリなどに見られる音楽や複合リズムの音楽と比べるとかなり単純化した部分もあるんだけれど、細かくて高い音をコラに似せて効果的に使ってて、多重録音の強みを良く消化したプロの仕事ですね。
そうそう。ケチャの子たちを従えて、天に昇りつめる感じですね。2曲目と並んで強い精神的磁場のある曲で、このアルバムがどこまでもカラフルで多彩でユニークで、解放や自由さを感じさせる、またしても未来に向けて「予感」という扉が開いたような気がします。

@tpopsreryo:
おお!かなり高い評価ですねえ。やはり福岡楽曲の安心感はありますよね。PINKはそのテクニカルな演奏力やサウンドセンスが取り沙汰されるけど、結局は福岡のヴォーカル力とメロディセンスによるところが大きかったと思うんです。やはり彼あってのPINKという評価はブレない。

@junnovi:
まったく! 彼が空に、地面に、宇宙に、精神世界に、その手足を自由に伸ばして行き、そこで見聞してきたことを自らの音楽に落とし込むという作業に、PINKファンの多くは価値を見出してきたんだと思う。PINKというのは舞台装置であり、メンバーはその共演者だと。

@tpopsreryo:
やっぱりねw 福岡自身がPINKだって話は昨日もしたと思うんだけど、結局彼がPINKに縛られてしまってたのかもしれない。だからその箍が外れたら、迷いがなくなってナチュラルに自身の音楽性を表現することができているのかな。これは次からの3曲にも言えることなんだけど。

@junnovi:
センセ、さすが的確に書きますね。そうです、PINKというバンドの桎梏に一番縛られてたのは福岡だったと思うわ。この曲で音楽的にPINKを終えて次のステージに堂々と歩むことを肯定的に受け入れているのを理解せずにおれないのです。実に素晴らしいです。

@tpopsreryo:
いえいえ、的確にまとめてくれました。これでこの曲に関して言い残すことはないです。次いきましょうw


6.「WHAT CAN I SAY」

 作詞・作曲・編曲:福岡ユタカ

@tpopsreryo:
次いきます。6曲目「WHAT CAN I SAY」。福岡曲第3弾ですが、これも後のHALOの原型と言えますね。スチールドラム音色を取り入れた南国風味。Bメロの美しさに代表されるポップなメロディ構築で、聴き手を和ませてくれます。これも出来が良いなあ。

@junnovi:
これら2曲はこのアルバムの中での私のハイライトですね。ここまで開放的であけっぴろげにされると、他で何が起きても大丈夫っていうことになる。何と大局的な視座を得たことか。スチールドラムの涼しげなサウンドも心地良く、曲のあちこちで花びらのように吹き乱れる。

@tpopsreryo:
あはは、好きそうだもんねこの手の曲w もう好きにこれやっていいんだ〜っていう開放感が感じられるんですよね。だからこそ聴き手にも安心感がある。これはCYBERには感じられなかったなあ。いや、ほんとCYBERファンの方、すみませんw ブログでは7点つけてますんでw

@junnovi:
そしてセンセが指摘してるようにブリッジに近いレベルのBメロが惜しみなく差し出しているあたりも素晴らしく、間奏でのサンバダンスのようなコーラスも、この平和な音世界に快いアクセントとなっている。技巧的な開陳を主としないところもよろし。

@tpopsreryo:
ビブラトーンズの盟友、窪田晴男による涼しげなギターワーク、PINKではありえないGregg Leeの柔らかいベースフレーズ、BANANAの空間的なシンセワークなど、清潔感があります。もうPINKとか忘れちゃってますw

@junnovi:
そうやね。どこかPINKってゴリゴリでオラオラで、ラバラバラ〜やもんねw全く異質の地平の音楽やね。でもね、「CYBER」みたいに努力する必要なく、これを自然に受け入れて聴いてる自分がいるんよね。

@tpopsreryo:
それこそが彼らがいろんなものから解放されたからこその「ベルリンの宇宙」が生み出されたその空気を、聴き手も感じ取ることができたから、ナチュラルに受け入れられているんじゃないですかね。ではでは次いきましょうか。

@junnovi:
ハイ、ヨロシクです。ホント、このアルバム、制作過程ばかりがクローズアップされて、話題がそっちばかりに集中して、気の毒やね。でもアレだけ商業的成功を収めた後だし流れから言ってそうなるよねぇ~やっぱ。


7.「ROLLING STONE」

 作詞:吉田美奈子 作曲・編曲:福岡ユタカ

@tpopsreryo:
7曲目「ROLLING STONE」。福岡曲第4弾ですね。この曲はいいですよ。絶妙にリズミカルで跳ねまくってるし、不穏なBメロからサビへの持っていき方が強引でありつつも上手くまとめているし。この曲と次の曲はワタシとしてはハイライトです。

@junnovi:
これも本当に良い意味で肩の力が抜けて、音楽をすることの面白さを伝えてくれる好例。ギタープレイが良いよね。あとベースも見逃せない。「♪夢などとっくにない」っていうあたりの持って行き方ってどうやったら出てくるんだろう。

@tpopsreryo:
そう!この曲はギターの音色がいいんですよ。ぴょんぴょん跳ねるカッティングとか、福岡曲では窪田晴男が大活躍なんですね。ワタシ的には「Steppin' Stone♪」の言葉のリズム!ここだけでも物凄いリズム感だなあと。もう憑き物がとれたかのようなスキップ感覚w

@junnovi:
うわ。センセそれ的確すぎ。「憑き物がとれた」。ホンマにそれがこの2日間の中で最も正鵠を得たコメントちゃうかしら。邪気や邪念がなくなって何とも軽妙なステップで歌ってますね~。作ってますね~。このアルバム名作ちゃうん? 名義とかいう問題ちゃうでマヂでw

@tpopsreryo:
お!そこまで言い切っちゃいます?いやあ、ワタシもPINKとしての作品であればちょっと違うなあと思いつつも、純粋に作品としての評価であれば、8点、あわよくば9点上げてもいいくらいの名作だと思っていますよ。他のメンバーには悪いけど全部福岡曲だったら10点クラスかもw
実は今日はそれを主張したかったんですよ。「RED & BLUE」は名盤だということを。では、次いきますよ!

@junnovi:
いや~今日は楽しいね、センセ。次ヨロシクお願いします。
あと、間奏も「お、そろそろ岡野が出てくるよね? ギラギラでゴリゴリでこれ見よがしの・・・出た~~~!!」という予感を感じさせるけど、そういう展開はなくて、今までないセッションバランスで曲の後半になだれ込んでいて、特異だし面白い。

@tpopsreryo:
「夢などとっくにない♪」の部分、確かにあの部分のフィルインのまとめ方が好きなんですよ。サビを始めるまでに辻褄を合わせてくるというか、この絶妙なリズム感がこの曲にはある。こういう曲を聴いてしまうとやっぱり福岡のその後の活動に当時は期待してしまうわけなんですね。

@junnovi:
いや~。窪田晴男ってホントにいいギタリストやねぇ~(この企画2度目w)。変幻自在やん。あとこの曲もサビのリフレインが多いと思うけど、それを凌駕する飽きさせない工夫があるよね。素晴らしいです。


8.「EARTH FALL」

 作詞・作曲・編曲:福岡ユタカ

@tpopsreryo:
8曲目「EARTH FALL」。福岡曲第5弾。思えば半数以上が福岡曲でしたねw ダメだ、聴き入ってしまう〜。スゴいなあこのうねるシンセベース!ギターのリズム感は言わずもがな、暴れまくるシンセブラス。やっぱりスゴいわBANANA。

@junnovi:
これはね、オシッコ漏らしそうになるねw このここまでブーンブーンいうシンセベース、嘗てのPINKじゃ禁じ手やったんちゃうの?w でもそこを突き抜けてここはシンセベースで大正解でしょう。特に曲終盤の常軌を逸した暴走したベース!恐ろしい子!恐ろしい子!

@tpopsreryo:
うん、このにじむようなシンセベース。ちょっとこれは素晴らしいなあ。岡野のベースもかっこいいけど、個人的にはそれ以上かも。それ自体PINKそのものの否定になってしまうかもだけど、衝撃的で。後半の怒濤のフレーズに圧倒されまくりですよ!

@junnovi:
うおっ。センセと同じことを殆ど同時に書いていましたね~w 失礼しました。本当にネ、シンセベースの可能性を最大限活かした作品となりました。こんな曲があったなんて! 本当にごめんよぅ福岡ユタカ。

@tpopsreryo:
スゴいでしょ?w これを聴いちゃうと今まで岡野とかホッピーにこだわっていたのが何だったのか、って思っちゃうんですよ。結局シンセでもかっこいいサウンドできちゃってるじゃないの?って。窪田にしろBANANAにしろ、他人のバンド名義の作品でよくもまあこんなにw

@junnovi:
本当にこのセッションのポップさといったら!ブラスセクションの無茶ぶりが思い切り良くて、音があちこちに無窮動に飛び跳ねてるのに、けっしてお互いの個性を殺ぐことがない。実に楽しめる素晴らしい曲。

@tpopsreryo:
特に今回のリマスターでそれぞれのパートの輪郭がはっきりして、さらにあの滲むようなシンセベースの音が際立っているので、改めて聴いてまた評価が上がりましたよ。うわ、このアルバム名盤だわ。今からブログの点数書き換えようかなw(注:レビュー後に9点に上がりましたw)

@junnovi:
本当に久しぶりに体中の毛穴がチクチクするほど興奮しました。またこの窪田晴男のペケペケなギタープレイも大好きやし、これ、ホンマ、どうなってるの?! そこにわざと乱暴なシンセベースの乱入があって、いきなり曲の休止もあって、余裕の余裕やん?! 感涙。

@tpopsreryo:
後半のBメロへ入る寸前のシンセブラスのフレーズ、めちゃくちゃかっこいいw もうかっこよさを指摘したらキリがないよ。PINKの中でも1、2を争う曲だなあ。PINKじゃないんだけどw まあ、いろいろ終わらなくなってしまうので、最後の曲いきますか。

@junnovi:
いや~ホントに楽しい。次に行きたくないけど、行かないとね。よろしくお願いします。


9.「ICON」

 作詞・作曲・編曲:ホッピー神山

@tpopsreryo:
それでは最後の曲。9曲目「ICON」。ホッピーソロです。すべての祭を終えた後の壮大というかシンプルなバラードソング。彼のソロは意外と自身のヴォーカルをアピールしたがっていますよねw 前曲までがスゴかったのでアレですけど、悪くはないと思います。ただ少しあっさりかな?

@junnovi:
シェイラと聞くと、アラビアンナイト・シンドバッドの冒険にでてくる黒い九官鳥の名前が「シェイラ」なんですねw 「飛び立つ」とかあるから、もしかしてそこから着想を得たのかな? んも~このボーカルが肌に合わないんだよね。ずぶ濡れた木片みたいな感じw

@tpopsreryo:
ずぶ濡れた木片w まあこればっかりは好き嫌いだからしようがないね。ワタシはルックスとその声のギャップに非常に興味があったわけなんですがw シェイラの着想、まさにそれピンポンじゃないですか?こういうのはワタシでは辿り着けない部分。さすが!

@junnovi:
シンセを操る人らしく、壮大な音世界を構築していて、雲間から光がこぼれ落ちて来る景色を思わせるね。

@tpopsreryo:
そう、こうして荘厳にそのバンドの生命を終わらせていく。良い鎮魂歌になったんではないですかね。それでは、まとめといきましょう。

@junnovi:
と酷評っぽく書いてるけど、センセと同じでそんなにキライじゃないです。好きじゃないけどねw 皆の総意かどうか知らないけど、福岡もこのような過程で作られた曲を最後に持ってくるのを許したのはやっぱり一皮剥けたんだなって実感するね。次の音楽的ステージ掴んだやん。

@tpopsreryo:
やっぱり本当の終焉。既に終わってるといっても本当に幕を下ろすのはこういう曲じゃなければダメかもしれないね。GRASS VALLEY(しつこいw)の「EACH OF LIFE」然り。まあ「EARTH FALL」で終われないことは確かだしw

@junnovi:
わはは!そうだね本当の終わり。でもこんな風に時を経て本当に清々しく楽しかったなぁと一括りに振り返れるようなバンドがあるってことを知って、良かったなって思う。いろんな意味であれこれ考えたのであろうホッピーが美しくポップにまとめてくれました。テキュ!


〜エンディング〜

@tpopsreryo:
5thラストアルバム「RED & BLUE」。PINKであってPINKとは認められない不遇のアルバムでしたが、意外と開放感にあふれた楽しく、しかもクオリティが高い名盤なんですよ。これはどうしても今回の企画で主張したかったところなんです。先入観抜きで聴いてみることをお薦めします。

@junnovi:
昨日の4th「CYBER」は高校生時分にイヤというほど聞き込んだだけに、色んなことが走馬灯のように頭の中を駆け巡った。振り回されてるようで疲れてしまった。そして雑誌などから聞こえてくるバンドの不穏な空気。そしてこの5th。まだ振り回すのかと拒否をしたのでした。
けれどもこの「RED&BLUE」はもっとヘブンリーだったし、こだわりもわだかまりも通り抜けた達観があった。しかもちゃんと音楽を楽しむという遊び心も忘れてなかった。それを知るのに20年以上の時が必要だった訳だけど、結果として良かったと思う。

@tpopsreryo:
そのとおり、遊び心が感じられるんですよ。YMOのラストアルバム「サーヴィス」ていうコント入りのアルバムがあるんだけど、あれもソロの寄せ集めみたいな感じだけど、ワタシは一番好きなんです。ある種の達観がそこに感じられて聴いてる方も幸福なんですよ。

@junnovi:
今回の話を持ちかけたのは実は私の方で、センセは快く引き受けてくれた。今回のようなかなり無茶なお願いの実現がなかったらCYBERからRED&BLUEへは本当に避けて通りたかった私なので、音楽を聴いて全身の毛穴がチクチクするような興奮を覚えることはなかったと思う。

@tpopsreryo:
いや、こうした媒体を使って何かやってみることは楽しいし、1人でやっててもまあ独り相撲なので、こうした掛け合い形式に可能性があるんじゃないかなと思ったんですよ。まあ気心も知れてるし、こちらとしては願ったりかなったりでした。言っとくけどまだ最終回じゃないからねw

@junnovi:
センセ、ホントにありがとね。お互い仕事を持つ身なのに省みずw、連日遅くまで呟きまくって。感謝しています。もちろんPINKというバンドにも。そして今回のPINK BOXという企画にも。

@tpopsreryo:
そう、まずはPINKという不世出のバンドに感謝、そしてこの音楽衰退と言われるご時勢にPINK BOXというリマスター企画を提供していただいた関係者の皆様に感謝申し上げます。ところで、まだ「FINAL MIX」と「TRAVELLER」が残ってるよw

@junnovi:
もうね今日のやり取りで心底満足しちゃってwww 未発表音源?ふーんって感じです。私はやはりどういう経緯があるにしてもアルバムとして、作品として世にちゃんと出たものをその範疇でちゃんと聴きたい。ってフライングしてしまった!w 大丈夫。あと2枚あるね!w

@tpopsreryo:
7枚目には初期音源の「Daydream Tracks」が入ってるからw まあそういう単発作品を聴いていくのも1つの修行ってことで。また2枚頑張りましょう。それでは本日はお疲れさまでした!

@junnovi:
そやね。あのEPICの奴やんね。あれは結局聴きそびれたわ。って不届き者やねw FINAL MIXはまた違う気持ちでコメントしたいなぁ。ということでお疲れ様でした。

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