T-POPS的80年代アイドルソングベスト100女性編(10・終)
というわけで、80年代の女性アイドルソングベスト100(シングルA面限定)ということでカウントダウンするという企画を振り返ってまいりましたが、本日でいよいよ最終回、第10位〜第1位です。何度も申し上げます通り、順位というものはその当時の気分、ということで参考程度に考えていただければと思います。こういったものは環境に左右されるもの、それこそ季節であったり、時間であったり、シチュエーションであったり、場面場面で聴き手が置かれた状況によってガラリと印象が変わってくるのがアイドルソングのみならず音楽そのものの興味深いところではないでしょうか。
そのようなわけで3年前の私のランキングはこのような気分であった、という記録が今回のシリーズということです。では、ベスト10カウントダウンをお楽しみください。
10位:「きゃきゃきゃのきゃ」 西村知美 (1988)
作詞:秋元康 作曲:都志見隆 編曲:中村哲
天然系アイドルの88年のシングル。しかし変な曲書きます都志見隆。まずイントロから唸るギターが前衛的。ドラムは左右でドカドカ鳴るし、Bメロへの入りもリズムが取りづらい。中村哲も面白い編曲家でした。
9位:「少女・熱風・天然色」 石田ひかり (1988)
作詞:売野雅勇 作曲:芹澤廣明 編曲:鷺巣詩郎
後に女優としてブレイクする石田姉妹の妹5枚目のシングル。鷺巣詩郎が取り憑かれたようにシンセを弾きまくる実に熱い名曲にして迷曲。イントロから雪崩のような手数の多さに圧倒されます。物凄いやり過ぎ感w
8位:「少年は天使を殺す」 ラ・ムー (1988)
作詞:売野雅勇 作曲:和泉常寛 編曲:新川博
1stからこなれてきた世紀のギャップバンド2ndシングル。テンションも高くパワフルな演奏陣&コーラス。対して完全無欠のバリアーで自己の世界観を崩さない菊池桃子。サビの♪彼のために〜のリズム感も秀逸。
7位:「悲しげだね」 あすか組 (1988)
作詞:許瑛子 作曲・編曲:後藤次利
大映ドラマ主役の3人、小高恵美・小沢なつき・石田ひかりの企画シングル。後藤次利作編曲でサビとABメロの印象がガラリと変わるもぶっといリズム隊はもちろんゴツグ印。ブリッジでフラメンコ入れるのも唐突で面白い。
6位:「Do・Di・Do・Di・Do」 PINK TANK (1984)
作詞:越美晴 作曲:岩里未央 編曲:越美晴
アイドル界に迷い込んだトリオの2枚目。バックの男2人が元MENU→後年De-LAXなのでモロニューウェーブ。しかも編曲越美晴でまんまパラレリズムの音。サビ前のSEに痺れます。
5位:「私星伝説」 真璃子 (1986)
作詞:麻生圭子 作曲:鈴木キサブロー 編曲:山川恵津子
86年正月に突然現れた歌上手い系アイドルのデビュー曲。スタートからドラムの音にヤラレます。やや歌謡メロで地味な楽曲と揶揄されることもあるが、それを補って余りある山川恵津子の超絶アレンジと森達彦の音作りに敬服。
4位:「夏への手紙」 矢野有美 (1985)
作詞:高橋修 作曲:松浦雅也 編曲:岡田徹
シャワー解散後ソロデビューしてからの3枚目。前2作とは作風をガラリと変えて爽やかアンニュイサマーソングに。デビュー直後の松浦雅也作曲、岡田徹編曲。フェアライトの無機質なリズム&オケヒットが逆に哀愁を誘う。
3位:「怒濤の恋愛」 高見知佳 (1985)
作詞:戸川純 作曲:矢野顕子 編曲:戸田誠司
高見知佳ラストシングル。EPO清水信之で潤った後はまさかの奇跡のコラボ。しかも3人とも一歩も引かずエログロな戸川純の歌詞、個性が隠しきれない矢野顕子メロ、連打多用の戸田誠司アレンジ。贅沢で濃過ぎる音空間。
2位:「デリンジャー」 刀根麻理子 (1984)
作詞:三浦徳子 作曲:佐藤健 編曲:新川博
アイドルの範疇に入れるのも躊躇いはデリンジャー。この楽曲のスゴさを再確認させるためにもここに入れないといけない。とにかく全体を包む極限の熱さとラストの狂ったように連打するエレドラの嵐で爆発してほしい。
1位:「いつも心に花束を」 島崎路子 (1988)
作詞:戸沢暢美 作曲:井上ヨシマサ 編曲:武部聡志
キュートな歌声のアイドル3枚目にしてラストシングル。攻めに転じた楽曲ですが、攻めの方向が爆音ドラム!バラードでも成立する感動的なメロを江口信夫がぶち壊す!しかし奇跡的に絶妙なバランスに収まった名曲。
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