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【エッセイ】娘の遠視と、成長の経過について

2歳8ヶ月を迎えた長女は、1歳半検診で目の焦点が合わないと指摘された。
検査の結果、特に右目が重度の遠視で、その頃から眼鏡での治療を開始した。

眼鏡をかけはじめてから、約1年が過ぎた。
子どもの治療用眼鏡には年に一度補助金が出る。
そのため、今日の検診の結果次第では眼鏡を新しくするかもしれないというタイミングだった。

大阪に引っ越してきてから、4度目の受診。
2歳を越えた頃からはじめた視力検査は、最初は見えたイラストの絵を口で言うものだったが、いまはもう大人と同じ「C」を使うものになった。
まだ左右上下を口で言い切れないので、パパが段ボールを切り抜いて作ったお手製のCのハンドルを、眼科で表示されるCと同じ方向に向けて見えていることを伝える娘。

膝に乗った娘が、どんどんと小さくなっていくCと同じ方向にハンドルを向けるたび、良かった、少しは視力が上がってきてるのかなとほっとする。

それと同時に、つい数ヶ月前までは視力検査の椅子の前に来るだけで恐怖で泣いていた娘が、ちゃんと落ち着いて、何なら少し楽しそうに視力検査をできていることに、成長を感じる。

「子どもはびっくりするくらい育ちますからね。視力も、気持ちも。」

我ながらいい主治医を選んだなと思わせてくれる、優しい男性のお医者さんが問診の際にそう伝えてくれた。

弱視の治療は、一般的に7歳から8歳くらいまでに行われる。
人間の視力はそのあたりで成長のピークを迎えるので、9歳以降は視力が落ちることはあっても良くなることは基本的にはないらしい。

娘の場合、特に右目の遠視はかなりきついのでどこまで治るか、将来的に眼鏡無しで過ごせるようになるかはまだまだ分からない。
もしかすると、ずっと眼鏡をかける人生になるかもしれない。

それでも、目だけでなく、成長していく彼女の心も、視力検査をする後ろ姿で感じ続けていければいいと思う。

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