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僕が中小製造業で学んだこと

僕は今30歳、大手情報サービス業→中小製造業という一風変わったキャリアを歩んでいます。

今日は、転職した経緯と、そこで学んだことについて書こうと思います。

中小製造業に入社した経緯

大学卒業後、新卒で大手情報サービス業に入社し5年ほど働きました。

どうしても海外と英語を使って仕事をしたくなり、海外事業職の募集をしている中小製造業の求人に応募し、転職を決意しました。

大企業から中小企業へ転職することについては、そこまで悩みませんでした。確かに、給与や福利厚生のことを考えると「もったいない」感じはありました。しかし、転職活動によって成し遂げたい変化の条件をすべて満たしていましたし、情報サービス業→製造業というキャリアはあまり聞いたことがないので、面白い経験にできるのではないかという確信がありました。

入社してから気づいたこと

そうして、業種・職種・会社規模すべてが変わった転職を経験した僕ですが、その分気づけたことも多くあります。

ビジネスの本質はどこでも変わらない
どんなビジネスであっても「事業の目的は利益を増やすこと」「材料を加工し付加価値を加えている」ことは共通なんだと気づくことができました。

中小製造業でビジネス全体を俯瞰する経験できたのがよかったです。材料調達から納品まで、受注から請求まで、プロセスの上流から下流までを現場で肌で理解する経験は大企業では難しいです。製造業というビジネスプロセスが洗練されている業界であったことも幸いしました。

製品や加工手段が明確な製造業は特にわかりやすいですが、無形商材を取り扱う情報サービス業でも本質は同じです。データを加工する場合、データ収集→集計→提供という流れがあります。すべての事業にインプット、アウトプット、プロセスが存在し、カネを得るための仕組みがあるのです。

それを踏まえると、職種、業種、さらには会社規模が変わっているにもかかわらず、前職で学んだことが使えるという場面が多くありました。特に、業務プロセスの理解・整理はどんなビジネスでも使える普遍の能力であると理解し、自信につながりました。

主体的であること重要性
「自分がやらねば誰がやる?」これを何回自問自答したことか。

大企業と比較して分業がしっかりと整備されていなかったこともありますが、それ以上に少人数で事業を回していたことも大きく影響したでしょう。

海外事業部のメンバーは5人。うち1人が管理職なので、実務は4人で捌かなければなりません。日々のオペレーションはもちろんのこと、効率化や新規取り組みまで、自分以外の誰かがやっておいてくれるなんてことはほとんどありません。

それにより得られたのは「主体的であることで周囲は変えられる」ということ。自分がいなくても事業は回りますが、自分がいることによって確実に世界を良くすることができるのです。

「主体的であること」はかの有名な『7つの習慣』でも第一の習慣に取り上げられるほど重要なことです。それを実務で身につけるための素晴らしい機会でした。

リソースが無いことを言い訳しない
中小企業はとにかくリソースがありません。大企業時代には当たり前のように手に入ったインフラやライセンスを手に入れられず、度々苦労することもありました。

たとえば、リモートワークをしようにもノートPCがない。デスクトップ型のほうが安いからといってノートPCは事務職には支給していない。ということがありました。Let's noteとiphoneが1台ずつ貸与されていた大企業時代からは想像できないギャップでした。

「なぜノートPCが必要なのか」「それによってどのようなことが実現できるのか」を説明し、上司に動いてもらうのもサラリーマンの実務の一部なのです。幸いにもノートPCは購入することができました。仮に上手くいかなかったとしても愚痴ばかり言って何も行動しないより遙かにマシです。

ほかにも、システム部署が多忙で開発できないという理由から外部サービスの利用を推進したり、BIツールのライセンス費用が高すぎて払えないというのでダッシュボードを自作したり、社内に知識のある人がいないので社外から講師を招いて勉強会をしたりなど色々やりました。

人間は怠惰なので時に「できない理由」を見つけたくなります。その方が楽で苦しくないからです。それでも、挑戦することは確実に自分の財産になります。また、挑戦する方法を知っていることは大きな武器になると感じています。

まとめ 今いる環境をポジティブに捉える努力をすること

色々書いたのですが、運がよかった故にこうした気づきがあったのかなとも思います。

上流-下流の広範囲にまたがるプロセス改善を任せてもらえたこと、主体的に動いたときに話を聞いてくれる上司がいたこと、チームメンバーに恵まれたことなどなどです。

それに加えて、僕自身が「少しでもこの転職を良かったと思えるようにしよう」とポジティブな考え方をしていたからこその気づきだと考えています。

転職前と比較して悪くなったことに注目して文句を言うのは安易なんですが、それ以上に良かったことに注目するということを意識しています。

ネットサーフィンしていて「大企業最高」「中小企業は...」みたいな記事をたくさん見つけたので、「中小企業で得られるものもあるぞ」という思いを込めて書いてみた次第でした。

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