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iPhone派が2年間Androidに移行してみた感想

どうも、雑味です。今回はスマホのテックなお話。

今までのスマホ

まず言うと、iPhoneが好きです。ただ2019年に、つまりPhone11が発売された年に限界を感じたのです。

あ、iPhoneこれ以上変化ないわ。Androidにしよう。

いままでiPhoneを使っている人でもこう思う人、多いんじゃないかと思います。だから人生で初めてAndroidスマホを買いました。機種はサムスンのGalaxy20。理由はハイエンドかつAndroid界きっての大手ゆえの安心感。幸せのAndroid生活が始まるはずでした。

しかし!正直言ってGalaxy20を毎日使った約一年半は自分の中で「失われた一年半」に感じています。結局今はそれまで使っていたiPhone8を使っています。

なぜ期待していたAndroidスマホを使わなくなったのか。そのことについて書きます。iPhoneからAndroidに変えようと思っている人に知っておいてほしいことです。

(これはすべて私の環境で感じたことと事実で、主観に基づいています。また専門家ではないので、多くの部分でおかしい表現などもあると思います。こういう意見もあるのだなと思って読んでいただけると幸いです。)


Androidの良かったところ

まずiPhone時代には感じられなかったAndroidの良いポイントです。基本的にiPhoneが持ってない機能です。

指紋認証と顔認証

いまのiPhoneは指紋認証か顔認証のどちらかです。しかしAndroidはその両方に対応していることが多く、Galaxy20もそのひとつでした。指紋と顔、どちらでもロック解除できる柔軟性はものすごく快適で基本的にストレスは感じませんでした。よく「画面内指紋認証は遅い」などが言われます。実際iPhoneのTouchIDよりは遅いと感じますが、そこまで違いは大きくなく、気にならなかったです。

カメラ(ズーム)

Android全体に言えることではないです。所有していたGalaxy20はレンズが3つ付いていて、そのうちひとつは6400万画素のものでした。iPhoneのProシリーズに付いているレンズがすべて1200万画素であることを考えると、非常に高画素であることがわかると思います。この6400万画素のカメラが非常に自分の使い方にフィットしました。
私はモノを撮ることが多く、標準レンズの画角よりも少し狭めに、つもり少しズームした状態で撮影したい人です。その場合、スマホではデジタルズームをしなければならず、画質が劣化することは避けられません。このとき、6400万画素あれば、少しくらいズームしても1200万画素以上の画質をキープすることができるのです。このことからほとんど6400万画素持ったレンズを使用し、非常に便利に感じていました。

One Hand Operation

これはGalaxyシリーズで使える機能です。画面端から横、斜め上、斜め下にスワイプという動作に対して、ホームに戻る、戻るなどのアクションを設定することができるのです。最近のスマホは画面が大型化し、片手ですべてのアクションを行うことは難しくなっています。しかしこの機能を使用すれば片手でOSが持っているアクションを使えます。直前までiPhone8という比較的小型のスマホを使っていた自分にとってはこれに助けられた場面が多く、これはないとAndroidは使えないなと感じるほどでした。

マルチタスク可能

Androidでは標準でマルチタスクが可能です。つまり上下で別々のアプリを使うことができるのです。画面上部でYoutubeを見ながら下側でTwitterを使ったり、使いようによっては便利です。
ただ、本当に使う場面は少なかったです。スマホだけでなく、タブレット、PC、テレビでYoutubeなどが見れるため、わざわざスマホの画面のサイズで2画面にする必要がないと感じたのです。それができない、つまり屋外では便利かもと考えたのですが、自分は外で動画は基本的に見ない人なので、結局マルチタスク機能の使いどころを見つけられませんでした。
さらに、当たり前ですがマルチタスクをするとアプリの使い勝手は落ちます。純粋に画面が小さいスマホで使用するようにアプリは振る舞うので、使いづらいと感じてしまいます。そのため極力使わないようにしていたのです。
ただ上の問題点を考慮しても使える場面は存在するので、あったほうが良い、みたいな機能だと思います。

Androidの良くなかったところ

たくさんでるでる。中には自分に合わなかったというものもあります。ご容赦ください。

UI思想が自分に合わなかった

2年近く毎日数時間Galaxy S20を使いました。それでもAndroid、かつそれをSamsungがカスタマイズしたOne UI 2.0と仲良くなれなかったのです。その原因は統一感がないことです。統一感のなさがわかりやすいのは戻るボタンです。

1.戻るボタン
よくAndroid派が言うのが「iPhoneは戻るボタンがないから使えない」ですね。ただ自分には、「どうしてAndroid派は戻るボタンを使いこなせるのだ、、」と感じました。理由は動作に統一感がないからです。
例えばツイッターアプリからの遷移を見てみましょう。

iPhoneの場合を考えてみましょう。アプリAからアプリBに遷移した場合、画面左上に「アプリAに戻る」が表示されます。これをOSの戻るボタンということとします。さらにOSの戻るボタンの下に左向きの矢印が表示されます。これをアプリの戻るボタンとします。


Twitterから通知をタップしてGmailを開いたときの画面上部

iPhoneの場合はこのようにOSの戻るボタンとアプリの戻るボタンは分離されています。この場合、メール一覧をみたいときはアプリの戻るボタン、ツイッターに戻りたいときは◀TwitterとなっているOSの戻るボタンをタップすれば良いのです。どちらにも対応している素晴らしいUIだと思います。
一方Android、Androidの戻るボタンは単一アプリ内のものではなく、OS全体で動くものです。

このツイートのように、アプリによって動作が異なるのです。OSの戻るボタンとアプリの戻るボタンを強引に一つのボタンに割り当てているため、動作に統一感が全くありません。これが本当に苦痛で、ときどき自分の思ったとおりに戻ってくれない。これは本当に慣れが必要で、完全に理解をしなければ使いこなすことは本当に難しいと思います。「このボタンを押せば戻れる!!」と思えるのは気分が楽ですが、実際の動きは不規則だということを知ってもらえれば嬉しいです。

2.画面遷移と戻るボタン
また戻るボタンに関する話です。画面遷移についてAndroidとiOSの思想の違いがあります。私はAndroidの画面遷移がおかしいと感じて受け入れることができませんでした。

まずは画面遷移思想の違いについて説明します。
詳しいことは専門家の方の記事などを読んでほしいのですが、このような違いがあります。

marinさんのこの記事冒頭で言及されているように、iOSは階層型で、階層を掘っていくようなイメージです。一方でAndroidは画面を上に重ねていきます。

iOSの思想が染み付いている私は、スマホの画面は左から右に進むものだと頭に入っていました。左側が前の画面、右側にはなにもない(未来の画面)という考えです。しかしAndroidは右と左ではありません。上と下です。

そこまではまだ理解し適応することができるのです。しかしAndroid10からiOSと同じように画面端からスワイプすることで前の画面に戻ることができるようになりました。つまりAndroidは右端でも左端でもスワイプすることで前の画面に戻ります。一方でiOSは前の画面は左側にあるので、左端からスワイプで前の画面に戻ります。今の画面を右端に送るイメージです。アニメーションもそのように感じます。

Androidの画面右端からでも戻ることができることはメリットだと思います。しかしiOSとは違って画面端スワイプというジェスチャーに戻るボタンを割り当てている、という感じです。長くiPhoneを使っていたせいか、画面右スワイプでも戻れる、というのは画面右にも前の画面が存在するというもやもや感が生まれて適応できませんでした。

もちろんAndroidの思想に適応できなかった、という自分の問題ですが、iOSの画面遷移を当然だと思いこんでAndroidを使うと違和感を覚える可能性があります。

アプリのバグ改善が多い&遅い

アプリにバグはつきものです。おそらくバグがまったくないアプリは存在しないと思います。そのためアプリにバグが発生しても「まあ数日とか今月中に直ればいいかな」と楽観的に考えるタイプなのですが、正直Androidアプリは特定のアプリで頻発かつバグ修正が遅いと感じます。特に印象的なのがSpotifyとYoutubeです。Spotifyは2020年、次の音楽に切り替わったときに、再生画面が特定の曲から切り替わらず、再生時間が永遠に増加し続けるというバグが発生していました。このバグはアップデートで直ったり直らなかったりで、完全に直るまでに数ヶ月はかかった記憶があります。Youtubeは動画再生を数十分続けると、画面スクロールがうまくできなくなるというバグがずっと発生していました。原因はわかりませんが、GoogleのOSならばGoogleのアプリくらいはしっかり動かし、かつバグ修正は行ってほしいと感じます。端末ごとの最適化がされていないのでしょうか。ただAndroidシェア上位のGalaxyのフラッグシップシリーズで最適化がされていないとなると、少し厳しいと感じます。

大企業にも関わらずAndroid軽視

Galaxy S20を買う前、「Androidは世界シェア高いし、アプリメーカーも手は抜いてないでしょ。」と思っていました。シェアの高いOSに対して低クオリティなアプリを提供するのはまずいですからね。

しかしその考えも購入当日で打ち砕かれました。さまざまな企業は圧倒的にAndroidを軽視し、機能を削っています。すべての企業ではありませんが。その一部を簡単にお伝えします。主にiOSアプリと比較してです。

・Twitter
スクロール関係のバグが多い
検索ボタン長押しで入力画面に遷移しない
スペース開始ボタンなどのせいでツイートするために2タップ必要(プラスボタン→ツイートボタン)
一つ以上画面が切り替わると下のタブが消えて操作できない

・Spotify
楽曲の左右スワイプが搭載されていない(キューに追加とお気に入り追加)
画面再生画面を下にスワイプできない(戻るボタンのみ)

・DAZN
ピクチャーインピクチャーが使えない
最大30fpsでしか再生できない(iOSなどは60fps)

以上です。特にSpotifyとDAZNに関しては怒りしかわかないです。この2つのアプリがきちんとしていればまだAndroidを使い続けることは検討できるのですが、これらが自分がAndroidを使った約2年で改善されなかったのでもうだめだと思います。

スマホで使うのはアプリケーションです。どれだけCPUだGPUだメモリだディスプレイだ自慢をしても、それを活かせるアプリがだめだと意味がないです。Androidはそこをどうにかしないと、どれだけiPhoneよりもスペックが優れていたとしても(比べられないほど差がついたとしても)、自分の中でAndroidはiPhoneに勝てないと考えます。結局はインターフェイスであり、結局はアプリケーションであり、結局はエクスペリエンス(体験)です。

通知が不安定

これは日常使いするデバイスとして本当にどうなのかと言いたいことです。簡単に言うと通知が遅れます。メッセージであろうがカレンダーであろうが問答無用で遅れます。生活に支障をきたす欠陥です。最初は「バッテリー関係の設定かな?」などと予想してさまざまな設定を見直しましたが一向に修正されることはありませんでした。

通知バッチの仕様

これは自分に合わなかった部分です。通知バッチとはアプリアイコンの右上に表示されるあの数字のまるです。
iOSの場合、表示されるかどうかはアプリに依存しています。つまり通知のバッチを消すためにはアプリから消す必要があります。そのため消去しないバッチはずっと表示されるということになり、例えばLINEは開いていないトークの通知はずっとバッチで表示されます。
Androidの場合、表示されるかどうかは通知センターに依存しています。つまり、画面上からスワイプして表示させる通知センターで通知をすべて消すと、通知バッチは消すことができます。

この仕様の差、どちらが使い勝手がよいかは人によると思います。自分はiOSのほうが合っていました。通知センターはできればきれいにしたい、かつ通知バッチは消さなくても良い、という自分には、通知センターを消すとバッチが消えるので見逃しが増えてしまうAndroidの仕様は合いませんでした。これは実際に使わなければわからない部分なので、購入前に気づくことができませんでした。

通知が来ても画面がつかない

iPhoneをお使いの方はわかると思いますが、スリープ状態で通知が来ると画面が点灯して、ロック画面に通知内容が表示されると思います。しかし少なくともGalaxy S20では通知が来ても音がなるだけで画面は点灯しませんでした。検索しても設定を見てもどうしても解決できませんでした。シンプルに通知が来たときに目線を移すだけで通知を確認できないのは不便だと感じました。

最後に

以上、Androidがどうしても自分に合わなかったまま過ごした2年間を振り返ってまとめてみました。

スマホはもはや体の一部のように振る舞っていると感じます。それほど手に持って使うし、それほど生活に、体に馴染んでいるコンピュータです。

そのため、最近いい意味でスマホは存在感がないほうが良いのではないか、と考えるようになりました。手を使ってものを掴むときになにも考えなくていいように、手そのものは体の一部であるためなにも考える必要はありません。当たり前ですね。ただここまでスマホが体に一部、脳や手を拡張したものと捉えられるほどになると、より自分にあう、負担にならないということを優先するのが良いのではないでしょうか。

そして自分にあうかどうかだけではなく、安定感も重要です。自分の手は不安定な動きをすること、自分の意に反して動くということは通常はありません。

iPhoneを4年使ったあと、Android(Galaxy S20)を約2年使った結果、ほとんどのポイントでiPhoneが自分にあっていると感じました。またAndroidを使っているとiPhoneの細かな部分へのクオリティの高さに気づくことがよくありました。

先進的な機能を意欲的に開発・搭載するAndroidスマホ。自らの思想を第一とし、既存機能を高いクオリティで搭載してきたiPhone。スマホに興味があるならば、自分の好みがあると思います。自分の好きなもの、自分の良いと思うものをこれからも使っていきたいと思います。

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