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【2023年振り返り】退職して専業ゲーム制作者になったよ

こんにちはtozicaです。

今回は、もうそろそろ2023年も終わろうとしているので、周りの皆さんに倣って私も今年の総括でもしてみようかな!…という記事です。

今年の個人的に一番大きな出来事といえばやはり会社を辞めて専業ゲーム制作者としてのキャリアを踏み出し始めたことなので、それを軸として思いつくままに書いていこうかなーという感じ。
もし現在会社勤めをしていて今後クリエイターとして独立していくことを検討している人がいたら、もしかしたら役に立つかも知れないし、あんまり役に立たないかも知れない。

一応自己紹介をしようね

主にエロゲーを作ってるゲーム制作者です。
学生時代からゲームを作り始めて、ゲーム制作者としての活動歴は15年くらいです。15年!?もうそんな経つんだ…。

代表作は「Recover the Restarts!!」とか「カクレンボ」とか「カナデロオグ」あたりですかね。
キャリアの大半はフリーゲーム界隈で活動してた気がします。ゲームでお金を稼ぐようになったのはここ5年くらい。

「Recover the Restarts!!」
イラストレーターのちんすらさんと組んで作っていました。
完成には至らなかったけど、個人的にはとても良い経験になっています。
「カクレンボ」
イラストレーターのイケンさんと組んで作ってた作品ですね。
上に同じく完成まで行かなかったんですけど、Youtuberの方とかが配信してくれたりしたので、わたしの作品でもしかしたら一番有名かも。
「カナデロオグ」
初めて一人だけで全部作って、初めて最後まで完成させた、思い出深い作品です。
「高低差のあるローグライク」という本作のゲームシステムは今でもお気に入り。

いつ辞めたの?

会社を辞めたのはだいたい今年の3〜4月頃でしたね。

一応去年の夏あたりから会社に「そろそろ辞めるよ!」とは伝えてたんですけど、"立つ鳥跡を濁さず"というか、とりあえずその時点で自分に与えられてた仕事くらいはちゃんと片付けてから辞めようと思ってたのもあって、年度末での退職になりました。
職場の人達とも別に仲悪い訳ではなかったので「こんな仕事辞めてやらぁ!(ガシャ-ン」みたいな感じではなく、割と円満な感じで辞められたと思う。

個人的には昨年末ぐらいに辞める予定だったので、そういう意味では退職時期がだいぶ後ろにズレた形ではあったかも。
ただ、もしゲーム制作者としての活動がうまくいかなかったときの安全策として、数年経って最終的に会社に出戻ったとしても気まずい感じにはならないようにしたかったので、そういう点では意義のある遅れだったと信じています。

なんで辞めたの?

一言で言うなら…「作りたいゲームが沢山あったから」に尽きますね。

なんていうか…「このまま会社員でいたら、今自分の脳内にある色んなゲームのアイデアを殆ど形にできないまま人生終わっちゃうよな…」って思ったら我慢できなかったんですよね。
「新しいゲームのアイデアを何か思いついたらメモに書く」っていうのを前からずっと習慣にしてるんですけど、そうやって書き溜めたアイデアのメモ書きの山が、形にならないまま"アイデア"で終わっちゃうのがどうにも耐えられなかった。
ちゃんと形にして、そのアイデアが本当に面白いゲームになるかを確かめたかったし、そうやって出来たゲームを皆に遊んでもらいたかった。

あとは、辞めても何とかやっていけるだろうという打算もありました。
FantiaCi-enなどの支援サイトから毎月そこそこの額の定期収入が入ってくる状態でしたし、前々年に「カナデロオグ」の有料版である「カナデロオグ+」をリリースして、それが有難いことに沢山の人に手にとってもらえたので、仮に無収入でも3年くらいは家族を養える程度の蓄えがありました。

特に支援サイトの存在がかなり大きくて、最終的に独立を決めた最大の決め手はここだったかなって思っています。
支援してくださる皆さまには感謝してもしきれませんね。これからもよろしくお願いします。

あとはまぁ、とりあえず3年くらいやってみてダメそうなら出戻ればいいか、みたいな考えもありましたね。
考えうる最悪のケースとして、作ったゲームが全然売れなくて、さらに明日いきなりCi-enとFantiaが消滅しても、とりあえず元いた会社に戻れば生きていける…!っていう。
この「出戻る」っていう選択肢を残しておけるだけでも、大学で頑張って博士号まで取っておいた意味があった気がする。
学生のみんな!勉強は大事だぞ!

実際どう?

実際に専業になってどうだったかといえば、とりあえず今の生活はめちゃめちゃ充実しています。
朝起きてから寝るまでずっとゲームを作っていられる生活、最高

独立に際して一番不安だったのは「ゲームを作らずに遊びまくっちゃう」ことと、逆に「生活がかかってるという重圧に耐えられなくなって精神が病む」ことの二つだったんですよね。
でも今のところはそのどちらに陥ることもなく毎日元気にゲーム作りに邁進できてるので、自分にはわりとフリーランス適性があったんだなーという感じ。

おかげさまで今年は、ゲームクリエイターとしては大躍進できた気がします。
ちょっと振り返ってみる。


Playdate向けゲームをリリースした

10月頃に、Playdate向けのパズルゲーム「シカクケス」をリリースできました。
昔からこういう小粒なパズルゲームを作って出すのが割と好きなんですけど、そんな自分にはこのPlaydateというハードはまさにうってつけでしたね。
自分で作ったゲームがPlaydate上で実際に動いてるのを見たときはめちゃくちゃテンション上がったなぁ。

ただまあ〜、ハード自体がどマイナーなので販売本数は大したことないし、食いぶちを稼ぐ手段としては正直ぜんぜん適さないですね。
たぶん時給換算で100円くらいなんじゃないかなぁこれ…。
そういう意味では、今後またPlaydate向けのゲームを作るときも、基本的には趣味だと割り切って作らないとダメそう。

それでもこのゲームを遊んでくれた数少ないPlaydateユーザーからは割と評判も悪くなさそうなので、作ってよかったなーって思います。

制作環境をGodotに移行した

今まで10年以上ずっと主にDXライブラリC++でゲームを作ってきたんですけど、最近ついにGodotに制作環境を移行しました。
もともと「そろそろ制作環境をUnityに移そうかな」と思っていたタイミングでかのRuntime Feeのゴタゴタが起こったので、急遽Godotに乗り換えたという流れですね。
移行に際してはUnreal Engineとかも触ってみたりしたんですけど、やっぱりGodotが群を抜いて手触りが良いなーって思います。
Godotはいいぞ。

この移行を決めたのがちょうどデジゲー博の準備をしてる最中だったので、当時はなかなか地獄を見ましたね。
とはいえ、Runtime Feeにまつわるゴタゴタが無かったら今でもGodotの存在を知らなかったと思うので、そういう意味ではUnityには感謝する気持ちも無くはないかも。

デジゲー博2023に出展した

11月12日に開催されたデジゲー博2023に参加してきました。
生まれて初めてのインディーゲームイベントへのサークル参加を果たしました。
楽しかった!!

当日は、上で書いた「シカクケス」と、デッキ構築アクション「かみさまのカクテル」の2作を展示しました。
1スペースで2作も展示したものだから常にスペース前がぎゅうぎゅうで、そのせいでチラシが全然減らなかったのは割と大きな反省点だったかも。

ぎゅうぎゅう詰め

いや〜〜でも、自分が作ったゲームを目の前で遊んでもらうっていうのが生まれて初めての体験で、非常に刺激的でしたね!
この15年ずっと、ほぼネット上でしか活動してこなかったので。
直接ゲームの感想をもらえたりとかして、嬉しかったです。

あとは、Playdate向けのゲームを展示したことで、数少ないPlaydateユーザーの人たちと交流できたりとか、Playdate知らない人にPlaydateを宣伝できたのも嬉しかったかも。
Playdateの中の人ともお話しできたりとか。

初めての参加ということで反省点も少なからずありましたが、それらを活かすためにも、来年もイベントには積極的に参加していきたいですね。
そうやって全年齢向けゲームのフィールドでもちょっとずつ知名度を高めていきたいところ。

性DECに登壇した

11月3日、くらびすたさんが主催する性DEC2023が開催されました。
私はそこで「ユーザーレビューから紐解くユーザーが本当に求めるもの」というテーマでお話しさせていただきました。

もともとは性DECに運営として参加してた湊あおいさんに誘われたのがきっかけではあったんですけど、自分自身も前から「エロゲー用のCEDECみたいなイベントあったらいいのになー」みたいなことは考えてたので、渡りに船でしたね。
デジゲー博もそうなんですけど、今年のイベント参加はだいたい湊あおいさんに発破をかけられたのがスタート地点になってるので、割と感謝しています。ありがとね!
個人的にも「専業になったからには色んなイベントに参加して人脈を広げていかなきゃな〜〜」という思いもあったので、とても良かったと思う。

実際に参加した感想としては、非常に楽しかったですね!
他の方のトークも非常に興味深いものが多かったですし、自分のトークについても「良かったよ!」みたいな声を色んな方に後からかけてもらえたので、なかなか成功だったんじゃないかなーと思います。
トークのための事前調査がまあまあ手間で、デジゲー博の準備とも重なって本当に大変だったんですけど、頑張った甲斐がありました。

来年もあるみたいなので、なんか良さげなトークテーマが思いついたらまた参加したい。

新作エロゲ―の発売予告をした

しばらく前からずっとイラストレーターのタコイカさんと二人で新作のエロゲ―「カナデエスケイプ」を作っていたんですけど、今月その発売予告(リンク先R18注意)をついに出すことができました。

さっき確認したら予告ランキング(30日間)の1位になってました。やったね!

本作は「漫画というフォーマットをローグライトと融合させたら最高にえっちなエロゲ―が作れるんじゃないか」という、個人的に数年温めてきたアイデアを基に作ってるゲームです。
このアイデアを発売予告まで隠しておきたかったので、それまではあまり表でゲームシステムの話をしてこなかったんですけど、ずっと喋りたくてうずうずしてて大変でしたね。
「タコイカさんとゲーム作ってるよー!」みたいなレベルの話も8月くらいまでは隠してましたし、なんか2023年の半分以上の期間でうずうずしてた気がする。
我ながら隠し事が苦手!!

本作については来年末発売予定なのでどちらかといえば来年が頑張りどころになるわけですけど、今年の話に限っていえば「着実に制作を進めて発売予告するところまでこぎ着けられた」というのが成果なのかなーと思います。
毎週タコイカさんとミーティングをして、その都度どういうイラストが必要かの発注をして…と、途中でどちらかが停滞することもなく、常にモチベーション高くなかなか良いペース感で進められましたね。
これまでのクリエイター人生で何度も複数人でのゲーム制作に挑戦しては頓挫してきたので、そのあたりの経験がやっと活きてきた気がする。

まぁでも何よりも、タコイカさんが絵が上手いってだけじゃなくめちゃめちゃ作業が早くてちゃんと報連相できる人だというのが非常に助かってますね。
そういう意味では、タコイカさんを相方に選んだことこそが、今作に関しては最大のファインプレーだったかもしれない。

来年には本作の情報も色々出していけると思うので、ぜひぜひお楽しみに!

総括

というわけで、2023年はなかなか充実した一年だったように思います。

反省としては、ゲーム制作に集中し過ぎて、他のことはあんまり出来なかったのが反省点ですかね。
絵の練習とか、作曲の練習とか、そういう「仕事辞めたらアレやろう」みたいなのは退職前に色々考えてたんですけど、いざ蓋を開けてみたら結局ゲーム制作に余暇時間を全ツッパしちゃってた。
来年はもうちょっとバランス良く出来たらいいなぁって思う。
ゲームは総合芸術ですからね。絵も音楽もちゃんと作れるようにならなければ。

とはいえ今年一年を振り返ってみると、色々新しいことにも挑戦できたし、ゲーム制作もいっぱいできたし、非常に充実した年だったと思います。
来年ももっともっと充実した一年になるよね、ハム太郎。

それでは、今年一年ありがとうございました!
来年も面白いゲームやえっちなゲームをいっぱい作っていきたいと思うので、応援よろしくおねがいします!!

おしまい。
皆さまよいお年を~~~~~


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