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きちんと大切にして生きなくちゃ。

「初心忘るべからず」って言う。

実際に口に出して言われたわけじゃないけれど、今日友人にそんなようなことを言われてひどく落ち込んだ。僕は全然忘れていないと思ってたけれど、気づけば何を大切にしていたのか分からなくなっていた。そんな自分に落ち込んだのだ。何かを作って誰かに見せる、そんなことが第一の趣味になってからだいぶ時間が経った。この辺りで一度灯台の根本を見回してみよう。
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僕にとっての初心ってなんだろう?

気づいたのは、2年前に作ったイベントでの体験は既に初心の域だということだ。直近の一生懸命の矛先だと思ってたけれど、随分と根幹の部分まで来ている。

それが大学祭のスタンプラリーだ。それまでにも沢山のものを作ったけれど、仲間内にしか見せていなかった。誰かお客さんがいることを意識して作ったのは初めての経験だった。僕はリアル脱出ゲームが作りたくって、物語と謎をふんだんに含んだスタンプラリーを作った。とにかく自分が面白いものを作りたくて、それを誰かに楽しんで欲しくて、よく分からないほど熱を注いだ。1年かけて2日のために、お金を貰えるわけでもないのに、雨で中止になるかもしれないのに、僕はその時の全部を注ぎ込んでた。

僕の作ったゲームの中に「メロディーのチェックポイント」と呼んでいたものがある。ここで参加者はカーテンの裏からカッコいいポーズで登場しないといけない。それまでの脱出ゲームの参加経験から、そういうはっちゃけたアクションは絶対に楽しいと思っていた。でも、そんな恥ずかしいことを本当にやってくれるのか?ここはこのゲームの中で一番のハードルだった。ここが受け入れられれば、きっとお客さんは楽しんで帰ってもらえる、そんな勝負のポイントだった。

大学祭当日、初めてメロディーのポイントに来たお客さんを見た時のことは忘れられない。その小さな男の子は、シャッキーンと効果音がなるくらい全力でカッコいいポーズを決めていた。思わず、その子のお父さんとスタッフから笑みが溢れる。僕の作った遊びをしながらみんながニコニコ笑ってた。
 それを遠巻きで見ながら、僕は一人泣きそうになっていた。自分一人が面白そうだと思っていたこと、自分が思い描いていたことが目の前に現れていた。僕の頭の中にしかなかったはずなのに、それが現実世界にあって、そのおかげで誰かが目の前で笑っている。そのことが信じられなかった。僕にも誰かの楽しいの笑顔が作れるんだ!作ってよかったな、時間をかけてよかったなと心から思えた瞬間だった。全てが報われたような気持ちってこういうことを言うんだって思った。

思い返せば、あの時の泣きたいくらい嬉しい気持ちが忘れられなくて、気がつくとついイベントを作ってしまうようになったのだ。昔から当たり前のように好きだったんじゃなくて、あれがまた味わいたくて必死に作ってる。あの感情が大切なんだ。

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そんなことを思い返しながら、久々に2年前の動画を見ている。今でも、その動画を見ると尊い気持ちが高まってフワァってなる。これからはお守りとしてずっと持ってるだけじゃなくてたまに見返そうと思う。あれこそが僕の初心、アナザースカイ。なんちゃって。

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