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【手品・マジック解説】ビレット・リーディングの手順構成案

松田道弘氏のあそびの冒険シリーズの『超能力マジックの世界』を久しぶりに読んでいたら、バート・リース氏のビレット・テストが紹介されていました。昔はわかりやすいテクニカルなマジックに憧れていた為、ワンアヘッドといった仕組み物にはあまり興味がなかったのですが、改めて読んでみるとそれはそれは狡猾で計算された手順にびっくりしました。ぜひとも自分でもやってみたい、と思ったのですが、演技の最中にさりげなくリーディングを行う、という勇気ある行為を実行する事がどうしてもできず、もう少し簡易的に出来ないものかとアレコレ考えていました。

まずはワンアヘッドを単純に使用した透視現象を行おう、と思ったのですが、これはこれでいざ演じようと思うと多くのハードルがありました。どの時点で一段ずらすか、そしてずらしたはずのものをどのように整合性を保つか。大仰な道具を使用するものはいくつか知っていたのですが、出来ればメンタルマジックらしく、シンプルな道具立てでクロースアップからサロン程度までで演じられる作品が出来ないものか、と思って構築したのが今回の手順です。

トリックはワンアヘッドシステムを使用したリーディング現象です。トリックとして新しい部分はありません。既にマジックをやられていて、新しいタネを知りたい、という方におすすめしません。

実際に演じるとした場合の演じやすを意識して組んだ手順です。手順構成の一案としてお楽しみください。

【現象】

マジシャンは3人の観客に名刺サイズの白紙を配ります。これから一人ずつ簡単な質問をするので答えをその紙に書いてほしい、と説明します。マジシャンは動物のフィギュアを5体出してきます。それぞれ、猫、うさぎ、おおかみ、象、ライオンです。一人目の観客にこの中から好きな動物を一匹決めてもらい、それを紙に書いてもらいます。観客が紙に書いたら、紙を小さく折ってもらいます。

二人目の観客にはトランプを一枚選んでもらいます。選んだトランプを一人目と同じように紙に書いてもらい、同様に小さく折ってもらいます。

三人目の観客には三桁の数字を一つ心に決めてもらいます。それを紙に書き、小さく折ってもらいます。

これで三つの小さな折りたたまれた紙が出来ました。マジシャンは3つの紙を集め、手で軽く混ぜます。

一つの紙を取り上げ、精神を集中させます。そして、紙に書かれている内容を紙を広げずに言い当ててしまいます。さらに続けて、二つ目、三つ目の紙に書かれている内容も読み取ってしまいます。

※今回は演技動画はありません。
※解説は有料となります。

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