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超短編小説『ナンセンス劇場』005

【教えておばあさん】

「おばあさんのお耳はどうしてそんなに大きいの?」

「親からの遺伝だよ」

「おばあさんのお目々はどうしてそんなに大きいの?」

「だから親からの遺伝なんだっつーの」

「おばあさんのお口はどうしてそんなに大きいの?」

「うっせーな! 遺伝だって言ってんだろーが!
 私だっておっきくしようと思っておっきくしてるわけじゃないんだよ!」

「おばあさんのお顔はどうしてそんなにしわくちゃなの?
 おばあさんのお腹はどうしてそんなに3段に割れているの?」

「てめーこの頭巾やろー、ちょっとそこ動くなよ!」


【奥さん】

「奥さ~ん、べつに減るもんでもなし、ちょっとくらい見せてくれたっていいじゃないですか、ねぇ奥さん」

「仕方ないのぉ」

 そう言って奥秀雄は押入れの奥から大きな壷を引きずり出してきた。
 するとその壷の中から奥の奥さんが姿を現した。

「ちょっとだけですよ」

 そう言って奥の奥さんは顔を赤らめた。


【がりべん】

「あいつ、いっつも勉強ばっかしてるな」

「ガリ勉だな」

「あいつの弁当のおかず、いっつもガリだけだよな」

「ガリ弁だな」

「今からカラオケ行かないがり?
 ちょっと余裕あるからおごってやるがりよ」

「お前、がり弁だな」

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