豊田ホタルの里ミュージアム・下関市立自然史博物館

下関市立の自然史を扱う博物館です。ホタルだけではなく、下関市の動物、植物、化石、岩… もっとみる

豊田ホタルの里ミュージアム・下関市立自然史博物館

下関市立の自然史を扱う博物館です。ホタルだけではなく、下関市の動物、植物、化石、岩石に関する展示や教育、調査・研究を行っています。

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妄想アマガエル日記(26)-9月26日(火)曇り時々雨

冒険家の俺は危険なところに色々行った。 時には、大きな石が落ちて来そうな崖を登ったこともあったし、ある時は真っ暗な洞窟の中を奥まで進んだこともあった。どんな危険なところでも後ろを振り返ることなんてありえない。冒険家の俺が通った後に道というのはできるのである。後ろを振り返っている暇なんてないのだ。どんどん進むんだ。時には大きな海原を泳いで進むことだってあった。 そして、今も、大きな大きな大海を泳いでいる。見渡す限り水平線だ。陸地は既に見えない。 「よし、もっともっと遠くまで

    • 次の企画展は「身近なヤマタニシの体」 https://hotaru-museum.jp/6337.html 9/26から開始予定だけど、展示物は今のところ3Dプリンターで出した写真の殻の模型だけ。。 パネルも何もできていない。。。 さて、間に合うのか?

      • 妄想アマガエル日記(25)-9月17日(日)曇り時々雨

        「よし、小太郎も目を覚ましたし、どっか行こうか!」 銀次郎が二人に声をかけた。 「大丈夫かい?歩いたりできるかい?」 与助が小太郎を心配して聞いた。 「あぁ、全然問題ないさ。寝続けていたみたいだから少し外の空気を吸いたいしな。。。。」 小太郎が隙間の外をちらりと見ながら言った。 「じゃ、この前、雨の日に行ったこの雑木林の奥に行ってみない?」 銀次郎が提案した。 「あ~、、大きなヒキガエルが脱皮していたところだろ?」 「そうそう、、あの時は怖かったけど、3人で行けば怖

        • 秋季企画展『身近なヤマタニシの体』に関するツィート

          https://twitter.com/toyotahotarum/status/1699983330819911704

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          いろいろな内容の観察会を毎月しているので、その過程ではその対象(主役)を何も知らない人に教えないといけない。 例えば、コムカデの観察会の時には、コムカデなんて見たこともない人にコムカデを実際に野外で見つけて、観察してもらわないといけないから、コムカデはこんな姿をしているんですよと講義室で説明してから、野外に出て探す。 そして、それを見つけたら、「ほら、これです。これがコムカデですよ。」と指差して見て貰えばいい。 また、ザトウムシの観察会の時には、ニホンアカザトウムシは触る

          妄想アマガエル日記(24)-9月9日(土)晴れ

          オタマジャクシの頃は水の中を泳いでいた。その頃は、水を吸いこんで呼吸していたし、水を吸いこんで餌を食べていた。それがある程度成長すると次第に頭の皮膚は硬くなり、ヒレはどんどん短くなって使えなくなっていった。ある夜、田んぼから陸に上がろうとした。その時、変なアマガエルに頭を踏み台に使われて、少し溺れそうになったが、どうにか陸に上がった。そして、俺は冒険家になった。色々なところを冒険した。まさに、怖いものなんて、何もなかった。でも、いつのまにか、手足がなくなって、背中から1対の大

          妄想アマガエル日記(24)-9月9日(土)晴れ

          妄想アマガエル日記(23)-9月1日(金)雨

          「どうやって降りようか、、?一応、吸盤の使い方はお互い思いだしたしさ、、」 「じゃあさ、こうやって、こうやって小太郎を支えて降りてみようか。。」 銀次郎が片足を上げて身振り手振りで与助に提案していた。 すると突然、突風が吹いて銀次郎が吹き飛ばされてしまった。 「あれ~~~~~~~~~~~~~~~」 ・ ・ ・ 「ピタっ」 銀次郎は壁の下に落ちたが、何事もなかったように地面に着地した。 「お~~~い、大丈夫か~?」 小太郎が壁の上から身を乗り出して銀次郎に声をかけた。

          妄想アマガエル日記(23)-9月1日(金)雨

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          そろそろ次の企画展を作らないといけない。 当館では1年に約10個の企画展を作るのだけど、その内8個くらいはこれまでやったことがない分野の内容をゼロから作り上げていく。しかも、自分が知らない分野を2週間で作ると決めているから、企画展を作るまでほとんどその分野のことを知らない状態で飛び込んでいく。 いろいろな文献を読んで、野外に採りに行って、それを解剖して調べるという作業を繰り返す。 これまで、190個くらい企画展を作ってきたから、毎回そんな感じでやってきた。 ただ、この作

          妄想アマガエル日記(22)-8月29日(火)晴れ

          「どうやって降りようか、、、?」 銀次郎が腕を組んで与助に話しかけた。 「そうだな~、、、自分たちだけなら、簡単なんだけどね。。」 「小太郎を安全に降ろさないといけないし、ここはそんなに高くないからどうやっても降ろせるけど、最終的な目標はあの大きな建物の上だからな~」 与助が黒い大きな建物を指差しながら言った。 「なんか悪いな~。。。」 小太郎が申し訳なさそうに言った。 「ところで、君たちは一人の時はどうやって、こんな壁を降りるんだい?」 「どうやって?と言われても、

          妄想アマガエル日記(22)-8月29日(火)晴れ

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          当館がある山口県下関市豊田町というところには、中生代ジュラ紀前期(約1.8億年前)の化石が多産する豊浦(とよら)層群西中山層という地層がある。 ここからは、大量のアンモナイトが出るので、多くの研究者がやって来ては調査をしたり、化石愛好者が化石を採りに来たりする。 私は仕事柄、ここの化石を採集することが多く、それを人にも教えることも多いので、結構な数の石を割って化石を見ている。私には化石の師匠がいるのだけど、たぶんその人にはまだ敵わないとは思うけど、ここの化石を見たり採集し

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          この季節になると昼はセミが鳴き、夜はスズムシやマツムシが鳴いている。 そして、ジョロウグモが成長をはじめて次第に大きくなって、大きな巣を作るようになる。 そして、いつも思うことがある。 それは、いわゆる『本能』と呼ばれるものについてである。 というのは、セミにしてもスズムシにしても成虫になる頃には親はいないし、だれか教えてくれるわけでもないのに、種類によって同じメロディーで鳴く。また、クモは多くの種類が親が卵の保護・保育をするが、ジョロウグモは卵で越冬して春に孵化した時に

          妄想アマガエル日記(21)-8月27日(日)晴れ

          「あっ、おはよう!」 「昨日はちゃんと寝れたかい?」 銀次郎が小太郎に声をかけた。 「あ~、とってもよく寝れたよ。」 「なかなか居心地のいい隙間だな。ここは。」 小太郎がぎこちなく答えた。 「そうだろう~。ここはとても居心地がいいんだよ。涼しいし、静かだしね。」 銀次郎が自慢げに言い添えた。 「ところで、君は体痛くないのかい?」 小太郎が恐る恐る聞いてみた。 「ん?体?全然なんともないよ!」 手足を屈伸しながら、ニコニコしながら答えた。 「ふ~ん。君は本当に頑丈な体

          妄想アマガエル日記(21)-8月27日(日)晴れ

          妄想アマガエル日記(20)-8月26日(土)晴れ

          「ドガッ、 ドン!! ドゴン、、」 おいおい、何の音なんだ? 小太郎は与助の隙間で、寝そうになっていたが、大きな音で起こされた。 「すぴ~~~、、、ドゴン、ドゲン、ドッカン、、、」 いったい、あの音はなんなのだ~? 「おい、与助。。起きているかい?」 小太郎が小さな声で与助に呼びかけた。 すると、与助が眠そうな声で 「ん~、、なんだい?もう寝そうになっていたのに・・」 「いや、、あの大きな変な音は何の音なんだい?気になって寝れないんだよ。。。」 小太郎が困り果てて、絞

          妄想アマガエル日記(20)-8月26日(土)晴れ

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          当館の水路には困るくらいクレソンが繁茂する。 そして、このクレソンにモンシロチョウがいっぱい産卵にやってくる。 そして、このチョウを見る度に不思議に思うことがある。 「どうして、このチョウはこんなにいっぱいいるのだろう?」ということである。 チョウの仲間は周りの風景に溶け込むような色や模様をした種類が多く、特にガの類では見事なまでに周りに溶け込む模様をしている。でも、モンシロチョウをご覧ください。 周りの風景に隠れる気配さえない。特にクレソンのような緑色の葉のところにい

          妄想アマガエル日記(19)-8月24日(木)くもり

          与助と二人で朽ち木に戻ってきた。 すると、朽ち木の前に1匹のヌマガエルがこちらを見ていた。 「あっ、あのヌマガエルはこの前 石の下にいたやつだ!」 銀次郎が思い出して、そう与助に小声で言った。 「ん?知り合いなのかい?」 「いや~知り合いってわけじゃなくて、この前朽ち木の隙間から外を見ているときに、そこの大きな石の下にいて目が合っただけなんだ。」 「ふ~ん、じゃ、知り合いってわけじゃないんだ。」 そのまま、そのヌマガエルの前を通り過ぎて、お互い隙間に戻ろうとしたところ

          妄想アマガエル日記(19)-8月24日(木)くもり

          妄想アマガエル日記(18)-8月22日(火)晴れ

          「まったく、変なもん見てしまったな~」 雨がやみ、雲も晴れ、月明かりの中、トボトボと隙間に戻ろうと歩いていた。 「カエルは第2形態までということなのだろうな~。。。」 「しっかし、あのヒキガエル、遠目から見ても皮を脱いだらツルツルの皮膚になっていたな~。あれを美肌って言うんだろうな~」 「どうやって自分で皮を剥ぐんだろうな~」 そんなことを考えながら、来た道を戻っていると、後ろから与助が声をかけてきた。 「おっ、銀次郎じゃないか、どこ行っていたんだい?」 いつも通り、明る

          妄想アマガエル日記(18)-8月22日(火)晴れ