豊田ホタルの里ミュージアム・下関市立自然史博物館

下関市立の自然史を扱う博物館です。ホタルだけではなく、下関市の動物、植物、化石、岩石に…

豊田ホタルの里ミュージアム・下関市立自然史博物館

下関市立の自然史を扱う博物館です。ホタルだけではなく、下関市の動物、植物、化石、岩石に関する展示や教育、調査・研究を行っています。

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妄想アマガエル日記(63)-6月30日(日)曇り時々雨

「あっ、日出夫ごめんよ。こんなに長い間 頭の上に乗っていて。。」 与助はそう言って、日出夫の背中からスルスルと地面に降りた。 すると、そこには初めて見るアカハライモリがこちらを見ていた。 「はじめまして。俺は与助っていうんだ。あなたは、、確か、、あっ、真矢さんだったね。」 「そうそう!日出夫からさっき聞いたんだった。」 与助がニコニコしながら気軽に声をかけた。 真矢はその爽やかなしゃべり方や日出夫の背中をスルスルと降りてくる様を見て、さらに見惚れてしまっていた。 「ん

    • 妄想アマガエル日記(62)-6月23日(日)雨

      「あっ、、、俺は死んだのか。」 与助は周囲を見渡して、ポツリと独り言を言った。 「いたたぁ・・・」 頭を掻きながら日出夫が上体を起こすと、間違えて与助も一緒に掻いてしまった。 「いてて、、」 日出夫の大きな大きな手に体を押しつぶされながら、与助が声を出した。 「あらっ。。。ごめんね♡」 「与助ちゃんまだ乗っていたのね♡ すっかり忘れていたわよ~♡」 日出夫が与助に謝りながら言った。 「いてて、、痛いよ~。。なんて力なんだよ~。」 「でも、痛いってことは、俺は死んだわけ

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        当館には学芸員は私一人しかいない。 だから、いろいろな問い合わせに関しては私が対応することになる。 一人ではあるけど、これまでいろいろな分野を調べて企画展やテキストを作って来たからか、いろいろな問い合わせや来客がある。 ただ、面白いことに、化石に関心がある人に対応する時は私は化石に関することしか答えないわけだから、その人から見たら私は化石の専門家と思われているようだし、岩石薄片の作り方を習いたい人などが来ても私が教えるわけだから、その人から見たら私は岩石の専門家と思うよう

        • 妄想アマガエル日記(61)-6月13日(木)晴れ

          穴から出ると、そこには大きな湖が広がっていた。 とても綺麗な水で底まで透けて見えている。あまりに綺麗な水で湖全体はコバルトブルーに光り輝いていた。 「なんて!!!!!綺麗なんだ。。。!!」 銀次郎が口をあんぐりと開けて、感動していた。 そんな湖には中央に大きな岩がニョキリと突き出ていて、その上に何かが横たわっているように見えた。そして、その岩の根元付近の水の底には何やらカエルのようなカエルじゃないようなのが、遊んでいるようであった。 「おいおい!!ここはどこなんだ???

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          妄想アマガエル日記(60)-6月11日(火)晴れ

          ユサッ、、ユサッ、、 ほどよいゆれと柔らかい皮膚とコブの感触、そして大きな体からわずかに伝わる温かさ。越冬からあけてすぐに変な踊りを踊り続けて疲れていたため、揺り籠のようにとても気持ちよく、深く眠りについていた。 スピ~ スピ~、、、 ドスン!! 気持ちよく、深く眠りについていた与助はその音と振動で目を覚ました。 「ハッ!!!」 「なんだ?? あっ、、、寝ていたのか。。。」 あまりに深く寝ていたので、寝ていたことさえ気づいていなかった。 「いや~~、、日出夫ぉ~ご

          妄想アマガエル日記(60)-6月11日(火)晴れ

          妄想アマガエル日記(59)-6月6日(木)晴れ

          「まぁまぁ、、、二人とも、、落ち着いて・・」 与助が花子と日出夫の間に割り込んで仲裁をした。 すると、花子が 「えっ!!私は落ち着いているわよ!」 少し怒った感じで与助に言った。 そして、日出夫も 「そうよ♡、私もとっても落ち着いているわよ♡」 少し怒った感じで与助に言った。 「そうなのね。。」 与助が少し困ったようにオロオロしてしまった。 その様子を日出夫の頭の上から小太郎が見下ろして見ていた。 「まったく、花子も日出夫もどうしたんだい??」 「花子はさ~、、日出夫

          妄想アマガエル日記(59)-6月6日(木)晴れ

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          今日はホタル祭りがあった。 とても多くの人が来て、当館にも多くの来館者があった。 だから、ちょこちょこトイレ掃除をしたり、トイレットペーパーの補充をしたり、水槽を拭いたり、色々と巻き起こることを対処したりと、いった1日であった。 今日は涼しい日だったからよかったけど、それでも天気がよかったから外で作業して部屋に戻ると少し暑かった。 でも、私はエアコンが好きではない。 だから、部屋のエアコンを夏でも冬でもつけたことがほとんどない。 かといって、扇風機の風というのもあ

          妄想アマガエル日記(58)-5月29日(水)晴れ

          「じゃぁ、またな~」 八助と六助と七助が大きく手を振って見送ってくれた。 「また会おうな~」 与助が振り向いて、3人に声をかけて手を振った。 他の皆もそれに合わせて、手を振った。 そのまま、暗い穴の奥に進んでいった。穴は下り坂になっていたので、穴に入って少し進むと穴の外の八助たちの姿は見えなくなってしまった。 「いや~~、別れは寂しいものだな~⤵」 小太郎がしみじみ言った。 「確かにな、、、特に小太郎はあの3人には特別な想いがあるようだしな。。。」 与助が振り返りなが

          妄想アマガエル日記(58)-5月29日(水)晴れ

          夏季企画展『ヤゴからトンボへ』に関するツィート

          夏季企画展『ヤゴからトンボへ』に関するツィート

          妄想アマガエル日記(57)-5月20日(月)晴れ

          「いや~~~楽しかったな~~!!!」 与助はまだ余韻に浸っていた。 「たしかにな~~、、冬を越してすぐにあんな変な踊りをあんなに踊るなんて思ってもいなかったけど、楽しかったな~!!」 小太郎も与助に相槌を打った。 最初、銀次郎と与助と小太郎が踊っている様を日出夫や花子など皆で腹を抱えて笑っていた。すると、次第にその笑い声に引き寄せられて、水路にいたカエルたちが集まって来て、最終的には盆踊りのように、大きな石の上で銀次郎が踊り、その石を取り巻くようにさまざまなカエルたちも石

          妄想アマガエル日記(57)-5月20日(月)晴れ

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          小説「妄想アマガエル日記」というのは、どういう理由で書くことにしたのかといえば、詳しくはこちら↓ そもそもこの小説はどんなものかというと、こちら↓ この小説はとりあえず空いた時間になんとなく書いているものなので、大層なものでもないけど、ゼロからイチを生み出すことを模索するツールになっている。 小説自体の文章や冊子にする時のレイアウト、デザインなどはもちろん。挿絵なども話しの内容に合わせて私が描くようにしている。 例えば、こちら↓ また、このイラストを元にアニメーション

          つぶやき

          私は、ホタルを飼育するのが下手過ぎる。 たまに、当館ではホタルを大量に飼育して放流しているのではないかと思われることがあるが、開館して今年で20年、一度も放流などしたことがない。敷地内にある人工水路でさえ放流したことがないけど、自然の河川の水を引き込んでいるからか、この地域がホタルが多いからか、勝手に入ってきて、勝手に増えている。 これもそれもすべて、私がホタルの飼育が下手すぎるからと言っても過言ではない。 ただ、今になって思えば、ホタルの飼育や放流などして来なくて、本

          妄想アマガエル日記(56)-5月2日(木)晴れ

          そして、皆が口を揃えて驚いた。 「えっ!!!!!」 「えっ!!!!!」 「えっ!!!!!」 「えっ!!!!!」 「えっ!!!!!」「えっ!!!!!」 「これは、いったいどうなっているんだ??」 先頭にいた与助が穴の外の光景を見て、ポツリとつぶやいた。 そこには、見える範囲すべてを赤色や白色の大きなツツジの花が咲き乱れ、この世のものとは思えないとても美しい光景が広がっていた。 真っ暗な穴の中から出て来たカエルたちにとって、その赤色と白色の美しく派手な色の大きな花は、とても

          妄想アマガエル日記(56)-5月2日(木)晴れ

          妄想アマガエル日記(55)-4月25日(木)晴れ~アマガエル銀次郎編~

          遡ること数週間前 @穴の中から穴の外へ-------------------------- すぴ~⤴  すぴ~⤴  すぴ~⤴ んがっ!! ドッゴン!!! すぴ~⤴  すぴ~⤴  すぴ~⤴ ゴロゴローーーードン! すぴ~⤴  すぴ~⤴  すぴ~⤴ ゴロゴローーーードン! すぴ~⤴  すぴ~⤴  すぴ~⤴ ゴロゴローーーードン! すぴ~⤴  すぴ~⤴  すぴ~⤴ んがっ!! ビチャ、ビチャ! ゴロゴロ、、、 ビチャ、ビッチャ!! ゴロゴローーーーゴロゴロ

          妄想アマガエル日記(55)-4月25日(木)晴れ~アマガエル銀次郎編~

          妄想アマガエル日記(54)-4月20日(土)雨~ツチガエル花子編~

          遡ること、数日前 @水路近くの花壇ーーーーー 「いやーーーー、今年も寒かったぁ~~」 「でも、まぁ、他のカエルほどは寝ずに、水の中で過ごしたり、落ち葉の下で過ごしたりと、今年も寒い冬をそれなりにエンジョイできたわ⤴⤴今年で冬は2回目だけど、去年はまだオタマジャクシだったからね!!」 いつもの水路近くの花壇から外を見ながら独り言を言った。 花壇の上から水路の方を見下ろしながら。 ようやく暖かくなってきてから、アマガエルやヌマガエルなんかが出て来たわね~。 あっ、あそこにいる

          妄想アマガエル日記(54)-4月20日(土)雨~ツチガエル花子編~

          春季テーマ展『身近なマメ科植物と根粒』

          春季テーマ展『身近なマメ科植物と根粒』