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革と持続可能性:革の環境負荷とアップサイクル。

株式会社トーヨーシューズです。
今年も、引き続きnote投稿していきます。遅ればせながら今年もよろしくお願いいたします。

今回は少し視点を変えまして、靴のみならず全体を大きく俯瞰できるような話題で、2回にわたって、考えていきたいと思っています。


はじめに

持続可能な開発目標とは?

まず、皆さんは、「SGDs」という言葉、すでに聞きなじみおありかと思います。”サステナブル デベロップメント ゴールズ”の略ですが、17の持続可能な開発目標が示されています。
この中に、二酸化炭素の排出を減らす、環境破壊をおこすような活動や行動をやめよう、あるいは海や陸の動物の生態系を守る行動をしよう、などすそ野を広げた活動が叫ばれています。

革の環境負荷に対する誤解

革の環境負荷に対する懐疑的な考え方

そのような中、エコロジーの観点からも、毛皮や革の使用に対して懐疑的な考え方も声高に言われるケースが多くなり、一時にはハイブランドの作品には毛皮はもちろん牛革を使われないこともありました。現在は、そういったブランドも、毛皮は使用せずとも、やはり、ほかの革製品には使用しています。

この流れを皆様はどのように考えますか。
牛革って牛を殺して使うんでしょう、
かわいそうとか、革製品を使うということは、廃棄するときや、焼却するのに、二酸化炭素の排出が多くて、環境に悪いんじゃないの、とか

しかし、私たち自身が菜食主義者(ベジタリアン)とか、究極的に動物性食品を口にしないビーガンという立場なら理解もできますが、牛肉や豚肉など食します。食用に育てられたお肉はその際に捨てられた副産物として皮が、大量に発生します。その数、日本だけでも100万頭分といわれています。
もし、革製品に使用しないということになると、かえってそれら全部を焼却したり、埋め立てるには、大変な量の二酸化炭素を排出することとなるのです。
牛を育てるのは、食肉のためであって、革を取るためではないのです。

環境負荷の誤解

環境を考えるということは、いろんな切り口で見方は変わります。
例えば割りばしも木を使っているので、森林破壊につながり環境に悪いといわれ、「マイハシ」などが推奨された時期もありました。
ただ、日本は森林面積が国土の70%となり、木材の利用が、その住宅が古来より、そうであるように、木を適度に伐採し、よい材木を育てるためにも、森林を守るためにも、その間伐材を適切に利用することで、循環型社会が守られてきました。
しかし安い中国製などのわりばしが、様々な飲食店で利用されるようになり、比較的高価な国産の割りばしが追いやられてしまったのです。
それによって間伐材が利用されなくなってきたのですから、単に「割りばし」というだけでひとくくりにせずに、私たち自身の消費行動も考えないといけないのです。

また、最近思いますが、
プラスティックを減するのに、レジ袋を廃止し、マイ買い物袋を利用することが推奨されています。
しかし、最近のスーパーのお惣菜売り場ではコロナ禍になって致し方ないことはわかりますが、すべてプラスティックのパックに1個用、2個用、3個用と分けてならべられています。これを家で洗って、プラスティックで分別する、とてもかさばり、量も多くなってしまいます。
これって、どうなっているのでしょうか。

話を戻しますと、物事を一面的にみるのではなく、私たち一人ひとりの考え方や行動が試されていると私は思います。
ですので
牛を殺してはかわいそうと、本当に思うなら、食べないでくださいといいたいですよね。

革の副産物としての性質と、アップサイクルの歴史

アップサイクルの原型としての革

革を使用するのは、旧石器時代およそ200万年前から、食べるために狩りをし、暖をとるために、毛皮を使用しています。日本でも1000年も前には大陸から渡ってきており長い歴史あります。
人間が肉を食し、その副産物としての皮は、塩であったり、タンニンや、クロムなど鞣し技術の進歩に伴って、柔軟性や耐久性なども向上し、寝具、武具、鞍などから、暖をとるために衣服としてまとったり、サンダルや靴などに利用したりしています。
人間とのお付き合いが長すぎて、忘れてしまっているのかもしれませんが、これこそ、今でいう「アップサイクル」(副産物や廃棄物等をより良い品質と環境価値の高いものに再生させて役立てるシステムやプロセス)のはしり、トップランナーといえるのではないでしょうか?

ぜひとも、革を使用することを疑問視せずに、長い歴史を持つ人間と革との関わりを感じて、どんどん使ってみてください。そして大切に使ってください。

弊社の取り組みもアップサイクルの一助

弊社が創業以来、革にこだわって、コストパフォーマンスのいい紳士靴を作り、消費者の皆様に提供しています。
ぜひ手に取って、試してください。その手触りを感じて、アップサイクルの一助となっていることに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。ちょっとたいそうでしょうか。

革に関する誤解を解きながら、次回は革と環境負荷の解説を。

次回は、まだまだ、革について、そのライフサイクルとしては環境負荷が大きいと誤解を招く理由がありますので、弊社のような革靴を、ぜひ、手に取っていただきたい、選んで履いていただきたいので、その理由を解きほぐしていきたいと思います。

Youtubeで動画配信始めました。

また、追伸ですが、弊社「YouTube」にて、正しい靴の履き方をアップしています。ぜひ御覧ください。



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