わたしたちからお伝えする、靴選びのポイント。
それでは、履く場所、甲革や底材の素材、お手入れの方法、などお話してきましたが、今回は視点を変えて、靴選びの1つのポイントとなる「デザイン」のお話をしましょう。
靴のデザインを大別すると2種類。
靴のデザインも多種多様、どれを選べばいいのかと、悩まれる方が多いのではないでしょうか。
まず、簡単にいいますと、記事の2回目にもありましたように紐付きか、紐なしかで大きく分かれます。
紐付き靴のデザイン。
紐付き、かっこよく言いますとレースアップシューズでしたね。それは、また、デザイン的に外羽根式と内羽根式とに大きく分かれます。
内羽根式は、バルモラルともいわれ、英国のビクトリア女王の夫君がデザインしたとされ、スコットランドのお城の名前が由来のもので、紐を通す穴の部分が甲革と一体となって、足をしっかりホールドしてくれるデザインです。
もう1つ、外羽根式は、ブラッチャーと呼ばれ、革に羽根の様に外側に紐を通すパーツが縫い付けられているデザインです。羽根が大きく開くので脱ぎ履きが楽で、きっちり紐を結ぶかどうかで、履き心地も自分の足に馴染んできます。軍隊用の靴がルーツです。これも考案した将軍の名前が由来のようです。
また、つま先に一文字で切り替えのあるストレートチップ、革の良しあしが目立つ一枚革のプレーン、よりカジュアル感の出るUの縫い合わせのあるUチップなどの、タイプがあります。
新社会人、卒業式・入学式など、まず初めの1足というときは、紐付きの内羽根のストレートチップタイプをお勧めします。きっちりとした好印象を与える1足となるでしょう。
紐なし靴のデザイン
また、紐なしといわれるスリッポンにも、貴族が室内で履いていたスリッパのように楽なので、怠け者といういわれのあるローファー、修道士が履いてた靴がルーツのモンクストラップなどの種類もあります。タッセル付きや、コインローファーといったのもあります。甲がみえるので靴下とのコーディネートも気になるところですけどもね(笑)。
履いているときだけではなく、脱いだ後も。
住宅の様式から脱ぎ履きを考えないといけない日本、ビジネスか、カジュアルか、ご自身のファッションスタイルもあります。
最近のビジネスシーンも、リモートなどを経験し、カジュアルな装いに変化しています。
紐付きとかにこだわらず、様々なお靴を試してほしいです。ただ、革靴屋さんとしては、その自分に合った靴選び、そして履いているときはもちろん、脱いだ後も足元をみられるということも頭に入れて、快適な靴生活を送っていただきたいと考えています。
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