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「近頃の若者は…」と嘆くあなたも「Z世代化」している!? 衝撃の若者論『Z世代化する社会』

今回は、『Z世代化する社会』をピックアップします。

新入社員が入社して1ヶ月と少し経ったところかと思いますが、彼ら「Z世代」の若手社員とのコミュニケーションに迷ったり困ったりすることはありませんか?
「若者は職場の飲み会に行きたくない」「若者は怒られることへの免疫がない」…そんな話題を目にして、若者の扱いは難しいと思われているかもしれません。
本書を読めば、「若者がなぜその行動を取るのか」だけでなく、若者に影響を与えた社会の構造まで理解することができます。読み終えた後は、若者の行動は理解できない、扱いが難しいとは思えないはずです。

自分は、ヨソで通用しないのではないか

最近、若者の転職が多いという話をよく聞きます。それは、若者が「自分は、他社や他部署で通用しないのではないか」という不安を抱えているからです。
離職が起きないと考えがちな「ユルい」職場でも、若者は「こんな職場では自分は成長できない」と思い、不安を抱え、転職を考えています。しかも、マジメな人ほど迷うのです。
以下に紹介するのは、ある学生の言葉です。

「自分は不安が増す方かなと…受験勉強がわかりやすいですね。自分は受験勉強してるときも、なんかすればするほど自分ってできてないな、と思って不安になっていました。」

まったく勉強してない人の方がテスト前に自信満々だったりしますよね。だんだん知っていくと自信がつくと同時に、ああ自分はあまりできてないな、とかもっとできる人がいるんだなと感じてしまう。そうして、マジメな人ほど不安を感じ、転職を考えるのです。

そして更に、その不安を利用するビジネスが増えています。転職エージェントは、「もっと成長できる企業をウチなら紹介できる」と若者に言うのです。

「自分はヨソで通用しないのでは」その不安を感じているのはZ世代だけではない

若者が転職する背景について見てみましたが、「自分は、ヨソで通用しないのではないか」という不安は、Z世代の若者だけのものではないかもしれません。
本書を読んだ「オジサン」からの感想をお見せしましょう。

Z世代を構成する要因って何なんだろう?と単純に思った。すごく局所化してるのに量だけはあふれてる情報にドップリ浸かって、かつ、SNSみたいに簡単に他者にアクセスできるようになったらオジサンも同じようにならんのかな?(中略)
つまり、Z世代の特徴って、実はそんなに特別なことでも、オジサンから理解しがたいことでもないんじゃないかなー、と。」

若者は経験が浅く、だからこそ外からの影響を受けやすいです。
新たなものが生まれた時、例えば、不安を利用したビジネスが生まれた時、社会の私たちは多かれ少なかれその影響を受けます。中でも若者が感度が高く適応が早いので、いち早く行動に移すだけなのです。
30〜40代も、ふとユルい職場に気がついて、手応えのなさに不安を持って離職を考え出すかもしれません。本書で紹介するようなZ世代の不安は、我々にも同様に襲いかかるのです。

若者は社会を写し取った写像である!

このように、若者が抱えている悩みや不安は、私たちと無関係ではありません。外からの影響を受けやすい若者を見れば、社会の構造や、これから私たちが直面する悩みや不安について知ることができます。そして、若者の考え方を知れば、若者とのコミュニケーションがもっと円滑になるでしょう。

本書は、東大の教員という立場で普段から若者と接している著者が、経営学という分野における組織やビジネスといった角度から若者をコミカルに語っています。皆さんも本書を読んで、若者について、更には社会について、もっと深く見てみませんか?


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