長谷川豊祐
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「本と大学と図書館と」-51- やりがいの「搾取」と社会の「軋み」 (Fmics Big Egg 2023年9月号掲載)
家庭・教育・仕事には循環関係があります。教育への入口としての家庭,教育の出口としての仕事です。学校を卒業して,安定した職に就き,順調に収入も増え,家族をもって,子どもを育てます。高度経済成長期から1990年代初頭まで,3つの領域は上向きに循環していました。しかし,90年代半ば以降,好循環に亀裂が入りはじめています。貧困と過重労働という過酷さや,精神的な絶望感や空虚さなどです。社会の「軋み」と表現されています。本田由紀『軋む社会:教育・仕事・若者の現在』(双風社 2008)(