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心を授けるということ

 8日に始まった月9ドラマ「君が心をくれたから」。脚本は「今夜、ロマンス劇場で」を手がけた宇山圭佑氏、プロデューサーの草ヶ谷大輔氏と演出の松山博昭氏は、「ミステリと言う勿れ」シリーズを手がけたコンビである。
 舞台は港町長崎。戦後公開となった映画「地獄の顔」などの名作を残した港町である。
 主人公の逢原雨(永野芽郁)は、自己肯定感が低い性格で、同級生からは珍しい名前から「ザー子」と揶揄われ人との距離を広げて生きてきた。その原因となったのが母の霞美(真飛聖)から受けた虐待。しかし、皮肉にもお菓子作りを褒めたことがパティシエになるという夢をもたらした。そんな雨が心を開いていたのが高校時代の先輩の朝野太陽(山田裕貴)。当初雨は明るい性格の太陽を疎ましく思っていたが、やがてそんな彼のことを意識していく。

 だが、2人は10年後に大晦日の花火大会で太陽の打ち上げた花火を見に行こうと約束してそれぞれの道を進んでいく。雨は高校卒業後に東京の店でパティシエ修業を積み、太陽は父・陽平(遠藤憲一)に弟子入りした。
 それから10年後、雨は長崎に帰省した。祖母・雪乃(余貴美子)に迎えられたものの、パワハラで東京の店を追い出されたことを話せずに部屋に籠ってしまう。一方の太陽は陽平から大晦日の花火大会を任せられないことを不満に思い、父に不満をぶち撒ける。やがて、その原因が色覚障害であることを知ると、花火師を辞めてしまう。
 それぞれの思いを抱える中、太陽が赤信号を認識できずに車に撥ねられ重傷を負う。それを知り、ショックを受ける雨。
 するとそこに、「天国からの案内人」だという日下(斎藤工)と千秋(松本若菜)が現れる。
「あなたが心を差し出すのであれば奇跡を起こしてあげましょう」
 日下の言葉で、雨は太陽に五感を差し出すことになる。雨に与えられた試練は如何なるものなのか? そして、五感を失った雨はどうなるのか? 奇跡と共に雨が辿る運命にも注目したい。

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