見出し画像

忘れ物を取り戻す

 3月12日に「ブラッシュアップライフ」(日本テレビ系)が終了した。主人公の近藤麻美(安藤サクラ)が赤ちゃんからやり直す地元系タイムリープコメディーで、はじめはなんとなくという感じだったが、徐々に面白さに気づき、最終回まで見続けた。
 麻美は市役所に勤める独身女性で、地味な人生を送ってきた。親友の門倉夏希(夏帆)や米川美穂(木南晴夏)と共にいつかは老人ホームで暮らしたいと考えていた。
 そんな麻美が交通事故で命を落としてしまう。案内人(バカリズム)に対して近藤麻美としてやり直すということを話し、2周目の人生を送ることに。これまでできなかったことをやり遂げながらも薬剤師として祖父の命を救った。1周目で事故死する日を過ぎたものの、ドラマ撮影をする前野朋哉を見て車にはねられた麻美は再び死後の世界へ。
その後は日本テレビのプロデューサーやエリートとさまざまな人生を送ったが、人生の徳を積み始めた矢先に命を落とす。
 そんな中、謎の女の正体が麻美の同級生・宇野真里(水川あさみ)だったことがわかる。そこで、真里がパイロットだったことを知った麻美は5周目の人生は真里と同じパイロットになることを決意する。
 最終回は真里と共に運命の台北行きの飛行機を操縦。その便には夏希と美穂が搭乗しており、その運命がどうなるかが物語の焦点になった。
 何とか飛行機は予定通りに目的地に到着。4人はそのまま旅行に行き着くことができたのだ。
 その後、麻美と真里はパイロットを辞めた。そして、市役所で働き始めた麻美は夏希、美穂、真里と共に友情を深め、50年以上後に老人ホームで暮らした。やがて、人生を全うした。
 気がつけば麻美の人生のやり直しは忘れ物を取り戻すことだったのかもしれない。それを感じてくれたバカリズムの脚本は見事だった。またいつかこういうドラマに出会いたい。

この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

22,312件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?