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TOYO Technical Magazine 35号

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―自動運転やADAS技術の開発を支えるさまざまな技術をご紹介します。
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「電動車両シミュレーション基盤」の開発に向けたJARIの取り組みとは

「電動車両シミュレーション基盤」の開発に向けたJARIの取り組みとは

2023年6月時点の内容です

政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げています。そしてこれを達成するために経済産業省は国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に総額2兆円の基金を造成し「グリーンイノベーション基金事業」を立ち上げました。この事業のプロジェクトの一つに「電動車等省エネ化のための車載コンピューティング・シミュレーション技術の開発」が

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自動運転の実現に欠かせない“V2X”通信技術の動向とこれからの展望とは

自動運転の実現に欠かせない“V2X”通信技術の動向とこれからの展望とは

2023年6月時点の内容です

自動車の安全性や利便性の向上、環境問題など社会課題の解決にも有効とされている次世代ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)。そしてその次世代ITSの実現に欠かせないのが車と車、車とインフラなど、車とさまざまなモノとを連携させる「V2X(Vehicle to everything)」通信技術です。

V2Xは、自動運転

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「より安全な車のために」 ―Euro NCAPの取り組みとバーチャル試験の動き

「より安全な車のために」 ―Euro NCAPの取り組みとバーチャル試験の動き

2023年6月時点の内容です

はじめに自動運転(AD)や先進運転支援システム(ADAS)に関する技術開発が進み、世界各地で自動車の安全性能に関する規制や法律が定められています。自動車メーカーにとっても消費者にとってもAD/ADAS機能は重要なものになりつつあります。欧州で実施されているEuro NCAPの試験も、車両の機能を評価する一つの重要な指標となっています。

そこで、Euro NCAPの

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モビリティニーズの変遷と自動車開発に求められる変革とは

モビリティニーズの変遷と自動車開発に求められる変革とは

2023年6月時点の内容です

人の移動の最適化を目指したMaaS(Mobility as a Service)や、CASE (Connected/コネクテッド、Autonomous/自動化、Shared/シェアリング、Electric/電動化)と呼ばれる技術革新が進む近年、自動車のニーズや利用形態は大きく変わり始めています。

これまでも自動車、モビリティはその時代の社会状況やニーズに合わせて大

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「DMTS」―シミュレーションと実車を融合した自動運転車両評価

「DMTS」―シミュレーションと実車を融合した自動運転車両評価

2023年6月時点の内容です

東陽テクニカ 技術研究所では、電動化や自動運転(AD)、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance Systems)など、近年大きな変化がある自動車分野に注目して研究開発を行っております。本稿では、技術研究所が構築した「DMTS」(Driving & Motion Test System)についてご紹介いたします。

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シミュレーション環境でV2Xの開発を加速 効率的に安全なテストを可能にする「V2Xエミュレータ」

シミュレーション環境でV2Xの開発を加速 効率的に安全なテストを可能にする「V2Xエミュレータ」

2023年6月時点の内容です

はじめに日本国内における車の通信は、VICS(道路交通情報通信システム)やETCといった情報提供と料金収受から、カメラやレーダーなどを用いた「自律型自動運転」と呼ばれる安全運転支援の用途へと発展しつつあります。

例えば衝突を事前に回避する運転支援は、車に搭載しているカメラ、レーダーなどの自律センサーを活用して、周囲の人や車を検知することで成り立つものです。その先の

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