外山恒一&藤村修の時事放談2016.12.03「“総しばき隊化”するリベラル派」(その1)

外山恒一&藤村修の時事放談2016.12.03「“総しばき隊化”するリベラル派」(その1)

外山恒一

 【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】

 〈全体の構成は「もくじ」参照〉

 大手出版社が粗製濫造している軟弱ヘナチョコ文化人どもの順列組み合わせ的な対談本などすべてかすんでしまう「外山恒一×藤村修」の時事放談シリーズの第3回である。
 例によって古いもので、2016年12月3日におこなわれた対談のテープ起こし(紙版『人民の敵』第27号に掲載)だが、古くなっても面白いのがあらゆる外山コンテンツの強みである。
 これまた例によって「しばき隊」とか「野間易通」とかに話題が偏りがちだが、いつものことなので覚悟して読みなさい。もちろんフツーに時事的な話も結構している。

 第1部は原稿用紙換算17枚分、うち冒頭5枚分は無料でも読めます。ただし料金設定(原稿用紙1枚分10円)はその5枚分も含みます。

     ※     ※     ※

 日本にポピュリズム政治家が本格登場しない理由

藤村 今日は何を話せばいいんでしょう?

外山 “藤村君との半年おきの時事放談”シリーズのつもりです(後註.2015年11月の第1回2016年6月の第2回はすでに公開済みで、この2016年12月の対談が第3回となる。紙版『人民の敵』第33号掲載の2017年6月の第4回、第42号に掲載の2018年4月の第5回も今後順次公開予定。またこれらとは別に、現時点では最新の2019年6月の対談も公開済み)。……ぼくは実は最近ちゃんと新聞を読んでるんだ。しかも毎日コンビニで買ってる。福岡にいない日も多いから、普通に購読するとすぐ玄関先に溜まっちゃうじゃん。だから福岡にいる時も旅先でも、いちいちコンビニで買ってるの。たまに買い忘れる日もあるけど。

藤村 トランプが勝って、情勢が気になり始めたの?

外山 いやいや、9月に「どくんご」東京公演で2週間ぐらい東京に滞在してた頃からだから、もう3ヶ月ぐらいになるよ。“ウェブ版『人民の敵』”(後註.現在では実質放棄して、このnoteでの有料コンテンツ発信に移行)ってのをちょうどその頃に始めて、やっぱり新聞とか読んで時勢についていかなきゃ、書くネタに困るなあと思って。

藤村 ちょうど世の中が面白くなってきてるし、いいタイミングなんじゃない?

外山 うん、なんか面白くなってきた。相変わらずテレビは見てないんで“動くトランプ”にはまだほとんど接してないんだが、日々のニュースをチェックするなんて獄中以来で、10数年ぶりのことだよ(笑)。

藤村 “ポピュリスト”がグローバル・スタンダードになってきてる感じもあるよね。トランプにドゥテルテに……そもそもプーチンだってそうだもん。安倍ちゃんはちょっと弱いかな。安倍ちゃんにもポピュリスト的な側面がないでもないけど、やっぱり基本的には既得権益層を代表してる人だし。

外山 桜井誠もまだ諸外国のポピュリストたちほどの旋風は巻き起こしてないもんなあ。まだ橋下徹のほうが、ポピュリストのグローバル・スタンダードに近いんじゃない?

藤村 いや、日本には本格的なポピュリストが登場しにくいんだと思う。

外山 まあね。橋下もそうだし、日本のポピュリストって単に“タレント議員”の延長でしかないもんね。

藤村 そうそう。ポピュリストっぽい側面のある人でも、日本の政治の世界でそれなりの存在になるには、既得権益層との妥協が必要になるでしょ。もちろんトランプだって妥協はしてて、ロムニーなんかと仲良く食事とかしてるけど、しかし少なくとも当選するまでは非妥協的なポーズを維持してたじゃん。ところが日本では、橋下もまず石原と会談し、安倍ちゃんと会談し……今はもう「日本維新の会」なんか野党でも何でもない。年金問題にしてもTPPにしても、まあ維新は前からそういう立場だったから別に“ブレた”わけではないけど、自民党の方針に賛成してるよね。

外山 自民党と維新の会は、どこが違うの?(笑)

藤村 やっぱり日本では、ポピュリストが成功する時にも“オトナ”にならなきゃいけないんだよ。トランプが選挙期間中、テレビで自分の過去について語ってるのを見たけど、「オレは子供の頃はダダっ子で、どうしようもない奴だった」とか云ってたら、司会者に「でも今もそうですよね?」ってツッコまれて、「うん、そのとおりだ」って返してた(笑)。日本ではダダっ子がダダっ子のまま、少なくとも広くそう思われたまま政権を握るのは無理だと思う。

外山 要は“運動”が起きない社会なんだよ。ほんとのポピュリストは、在野の運動を背景に台頭してくるものなんだが……。


 「オトナになる」=「利権共同体の一員になる」

藤村 とにかく日本では“オトナ”にならなきゃいけないんです。「TPP反対!」とか云ってたけど、いざ政権に就いてみると、自由貿易の不可避性と重要性がよく理解できました、とか云わなきゃいけない。「戦争反対」とか「9条を守れ」とか云ってたけど、いざ政権に就いたら、やっぱり安全保障は重要だ、平和はタダではないということがよく分かった、とかさ。そういう妙な転向をして“オトナ”になれる人でなきゃ政権を握れない。労働組合から何から全部そうで、原発問題が典型的でしょ。「脱原発」とか云ってたけど、いざ政権を獲ろうという段になったら、電力需要がどうこう云って転向する。“オトナになった”というポーズを示し、ポーズだけでなく実際にも既得権益層と妥協しなきゃ政権に就けない。

外山 どうしてなんだろう?

この続きをみるには

この続き: 5,472文字

外山恒一&藤村修の時事放談2016.12.03「“総しばき隊化”するリベラル派」(その1)

外山恒一

170円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
外山恒一
革命家。マルクス主義、アナキズムを経て03年よりファシスト。福岡市在住。九州ファシスト党〈我々団〉総統。サイト「外山恒一と我々団」(link: http://bit.ly/1wp0Ggi)