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富山県は、私の「好き」を満たしてくれる街

―富山へ移住しようと思ったきっかけは。


「立山連峰の美しい景色」と「美味しいお寿司」です。もともとモノづくりが好きで、初めての富山を訪れたのも県内で開催されるモノづくりイベントに参加するためでした。その日は丁度、立山連峰がとてもきれいに見えた日で、その美しさにとても感動し、さらに夜に食べた「富山湾鮨」がとても美味しくて、一気に富山が好きになりました。それからは数えきれない程、
富山県に遊びに来たり、移住につながる情報を集めたりしていました。そんな中、高岡市の地域おこし協力隊募集に出会い「これはやらなきゃ!」と思い応募しました。

お会いした日も素晴らしい天気に恵まれました

―モノづくり・景色・食以外で、佐藤さんを惹きつける富山県の魅力は。


 学生の頃、奈良時代の歴史を専攻していたのですが、奈良時代の文化風習が見える万葉集の面影や歌人達が見たであろう情景が今も残る富山県はとても私を惹きつけました。
また、富山の交通(のりもの)も魅力的です。特にライトレールや富山地方鉄道が好きで、東京・大阪で活躍していた懐かしい車両や有名鉄道デザイナーがデザインした車両が走っているのです。立山黒部アルペンルートのトロリーバスも好きですし、2024年から運用開始の黒部宇奈月キャニオンルートは今から楽しみです。
そのほかにも富山の美味しいお米、水、魚、野菜、工芸品、特に仏具なども私にとっては魅力的です。

「この『たらこ色』の列車を見られるのもあと少しです」と乗客に手を振る佐藤さん

これが「たらこ色」の列車

-万葉集の歌にちなんだエピソードを教えてください(富山に移住してから)


大伴家持が詠んだ「立山に ふり置ける雪を 常夏に 見れども飽かず 神からならし」という歌があります。「夏であっても雪が残る立山の姿は見ていて飽きることはなく、それは立山が神の山だからに違いない」という意味です。現代でも6月、7月まで立山は雪を被った姿を見せてくれます。富山に移住して以来、その美しい姿は私も飽きることはありませんし、都度、感動します。そして1300年前と変わらず富山の人は立山を神の山と崇めています。1300年前の人も同じ情景を見て、同じことを感じて歌に詠んだのかな・・・と浪漫を感じながら立山連峰を眺めています。

昔の人も同じ景色を見ていたんだなぁ・・・と

―地域おこし協力隊としての主な活動を教えてください


 
「道の駅雨晴」周辺や太田雨晴地区を徒歩で探索するための観光地図を作っています。雨晴にやってくる観光客のほとんどが道の駅、義経岩だけで通り過ぎてしまいます。そこで、道の駅周辺のおすすめスポットやビュースポット等を地元目線で紹介し、道の駅周辺に足を延ばす観光客を増やす工夫をしたいと考えました。具体的にはデジタルマップ、お散歩マップや自転車マップなどを整備していこうと考えています。
そのほか、定期的に高岡北部や雨晴、勝興寺、万葉歴史館の観光ガイドの活動、イベントでの万葉衣装の着付け教室なども行っています。あくまで太田雨晴地区の活性化が主活動ですから、ガイドの活動が過多にならないよう調整しています。

佐藤先生も生徒たちも楽しそう

―地域の人とお付き合いをするうえで、心がけていることはありますか。


 挨拶、お礼など、とにかく自分から話しかけることと、わからないことは素直に聞くことです。あとは、都会のルールを地域に持ち込まないこと。少々違うなと感じてもとりあえずは地域のルールを受け入れています。今後、問題提起をするとしたら地域の人とコミュニケーションが完全に築けてからになると思っています。また都会と富山県を比べた話は自分からはしないようにしています。地域の人から「都会ではどうなの?」と聞かれた時だけ「都会では・・・」という話をしています。

―移住後に新たに始められた趣味や楽しみはありますか。


 元々インドア派でしたが、散歩を始めました。これからは自転車と魚釣りをやってみたいです。

インドア派だったとは思えません

―富山での暮らしの中で苦労したことはありましたか。


やはり雪です。愛知と富山では積雪量も違いますが、雪が積もった時に側溝や歩道と車道の境がわからなくなることが怖かったです。また、雪かきをすべきタイミングなのか否かの判断や雪捨て場の正しい場所(他人の敷地に捨てないように)の判断に迷いました。最初は苦労しましたが地域の人に教えてもらいながら色々わかってきました。それと、この冬、車の雪道運転デビューなのです。離合や圧雪の克服など、今はとにかく緊張しています。

―これからの目標(希望や夢)を教えてください。


 元来モノづくりが好きでしたし、興味がありましたので、高岡の伝統工芸、漆器や鋳物産業などを習得し、自分のアイデアと技術をいかしたモノづくりをやっていきたいです。将来的に自分が作った工芸品が雨晴のお土産品として使われたらいいなと考えています(例えば手軽なガチャの玩具でも構わないので)。
 そして、この先もずっと高岡市太田雨晴地区に住み続けるのが、私の大きな夢であり目標です。

笑顔が雨晴での充実ぶりを表しています

―佐藤さんにとって富山暮らしとは・・・。


「自然とともに生きていると実感できる場所」
太陽の昇り方一つもそうです。季節の草花や生き物、食、気候の変化などが明確にわかり、それらが私の生活リズムに大きく関与していて、それらを通じて「生きている」という実感が湧いてきます。都会では感じ得なかった自然と共存した毎日があるのが富山暮らしです。

―これから富山へ移住・定住希望される方にメッセージがあればお願いします。


冬の富山はどれぐらい寒いのだろう。地域に馴染めるかしら。ほかにも雪かき、ゴミ出し、自治会活動……移住前の不安は尽きないと思います。
でも、安心してください。富山には移住の先輩が案外います!
移住前に富山の知り合いを作ってしまえば百人力!
積極的に移住イベントに参加して頼れる仲間を増やしてください!

佐藤さんも頼もしい「移住の先輩」のおひとりです

佐藤さんのNote URL:https://note.com/pluvo_klara

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