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【Iターン取材】富山はガラス作家にとって最高のまち!

みなさん、こんにちは!“富山オタク”のことちゃんです。
富山で働く面白い人たちをご紹介していきます!


今回は、富山市内に工房を構えてガラス作家としてご活躍中の小島有香子さんにお話を伺いました。

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■小島 有香子(こじま ゆかこ)氏
ガラス造形作家
千葉県柏市出身。幼い頃からものをつくることが好き。
高校の選択授業の工芸クラスでものづくりに興味を持ち、多摩美術大学のガラスコースへ進学。
富山ガラス造形研究所への入学を機に富山へ移住。
ガラス作家としてデビュー後、数々の賞を受賞。
現在は富山市内に自身の工房を構えて作品を生み出している。


▶ 母と共に体感した、ものづくりの楽しさ。

ーーー2007年には日本伝統工芸展で高松宮記念賞を受賞し、2018年には国際公募展「富山ガラス大賞展」で銀賞を受賞と、数々の賞を受賞されている小島さん。ガラス作品をつくりはじめたきっかけを教えてください。

小島:実は、最初はガラスが好きでものづくりを始めたわけではありませんでした。
多摩美術大学の入学時に、専攻するコースを金属かガラスの二択から選ばなくてはいけなくて。ガラスのほうがなんとなくおもしろいんじゃないかなという直感で、ガラスのコースを選びました。

ーーー最初は二択のうちの直感だったのですね。もともと、ものをつくることは好きだったのですか?

小島:母が趣味で木彫りの作品づくりなどをしている姿を、幼い頃から見ていました。母は鏡の額縁など、家の中で楽しむためのインテリア用品を作っていました。それを見ているうちにおもしろそうだなと思って、私も母を真似てつくってみたりしていました。
私の通っていた高校には、選択授業のなかに珍しく工芸のクラスがありました。私はとにかくものづくりがしたくて迷わず選択しました。ろくろでお茶碗をつくったり、金属を叩いてスプーンをつくったり、ものづくりの楽しさを学ぶことができました。本格的に学びたくて、大学は芸術を学べる大学を選びました。


▶ ガラスが大好きすぎてたどり着いた、富山。

ーーー大学卒業後、富山に移住を決めたのはなぜですか?

小島:最初はなんとなく選んだガラスコースでしたが、大学で学び、課題をこなしていくうちに、徐々にガラスの魅力に気付き始めました。
やっと自分の思うように作品づくりができるようになってきたタイミングで大学卒業を迎えました。
もっとガラスの勉強を続けたいなと思っていたところ、知人に『富山ガラス造形研究所』を紹介してもらいました。

富山ガラス造形研究所:ガラス造形作家を養成する全国初の公立のグラスアート専門教育機関。


ーーーガラス作品づくりに魅せられて富山へいらっしゃったのですね!富山が『ガラスの街』だということはご存知でしたか?

小島:富山がガラスの街だということは、富山に来てから知りました。
富山ガラス造形研究所には全国からガラス作家の卵が集まるし、国内外の有名なプロのガラス造形作家の方に教えてもらえるし、本格的で充実した学びを得ることが出来ました。
ガラス作家にとって、こんなに恵まれた環境はない!と驚きました。

ーーーまさにガラスの街 富山ですね!富山に移住してからの生活はどうでしたか?

小島:学校内の設備はとても充実していて居心地も良くて、在学中の4年間は専らガラス漬けで、ずっと創作活動をしていました。ほとんど住居と学校の往復でした。
卒業後も、お隣の富山ガラス工房のレンタル施設を使用して作品制作をする毎日。
10年程経って落ち着いた頃に、やっと富山の生活を満喫し始めるようになりましたね。

ーーー環境が良すぎて、創作活動に没頭していたのですね。小島さんは富山のどんなところを特に満喫していますか?

小島:富山の自然が好きですね!特に山が好きです。富山に来てから登山デビューをして、山登りが趣味になりました。
大自然を見に行こうと思ったら、車で1時間くらいですぐに行けちゃうところも魅力的です。

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📷:雪が覆う、立山のみくりが池。


▶ 富山だからこそ生まれた作品

ーーー小島さんの作品には、富山での体験が反映されているのですか?

小島:そうですね!今の作風は富山にいるからこそ生まれたものですね。当たり前のようにいつも空が綺麗だったり、山登りだったりと富山の大自然とのふれあいからインスピレーションを受けたからこその色使いです

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📷:グリーン系を使うことが多いという。

ーーー小島さんのガラス作品の特徴を教えてください。

小島:一般的にみなさんがガラスの技法でイメージしやすいのは、息を吹き込んで形をつくる“吹きガラス”だと思いますが、私は“積層(せきそう)ガラス”という技法で作品づくりをしています。
積層ガラスは、建築資材の板ガラスを貼り合わせ、定規を当てながら少しずつ削っていく技法です。素手で触れながら形を整えることができて、作品を少しずつ育てていける感触が好きです

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📷:貼り合わせた板ガラスを削っていく。

ーーー小島さんの作品は、光の反射も美しいですよね。

小島:光も作品の一部だと思ってデザインをしています。見る角度によって見え方が変わりますよ。展示会のときに、私の作品のまわりをぐるぐると不思議そうに眺めている人たちをよく見かけるのも面白いですね!新しい発見を感じていただけているようで、嬉しいです

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📷:光の角度によって表情が変わる作品。

ーーー私も富山市ガラス美術館で小島さんの作品を見たときは、まわりをぐるぐるしながら眺めちゃいました!小島さんはオブジェだけでなく、アクセサリーも手掛けられていますよね?

小島:はい。私は装飾品やファッションが好きなので、作った作品を自分でも身につけたいなと思い、アクセサリーも作っています。ピアスやネックレスなど、ガラス作品を気軽に楽しんでいただけますよ
かっこよくてシャープなデザインを意識しています。女性だけでなく男性にも購入していただいています。

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📷:光の反射が美しいネックレス。

ーーー私も小島さんの作品のネックレスを愛用させていただいて、ガラスの街富山をアピールしています!小島さんが手掛ける特徴的なデザインは、ガラスだけでなくファブリックにもなっていると伺いました!

小島:はい!富山で出会った友人とコラボレーションをして、作品の写真をプリントした柄のスカーフやポケットチーフも売り出しています。日常のシーンにぜひご愛用いただけると嬉しいです。

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📷:ポケットにさりげないおしゃれを演出!


▶ 気づいたら虜になっていた、富山。

ーーー今後、富山に移住を検討されている方に富山のことを教えてください!

小島:富山にはもともと2年だけガラスを学びに来るだけのつもりでしたが、気づいたらもう20年くらい住んでいます。自然が豊かで、新鮮なお魚やお米やお酒も美味しくて最高です!
たまに千葉へ帰省したり、東京にも足を運んだりしますが、刺激はあるけど富山のゆったりとした時間の流れがすぐに恋しくなっちゃいますね。富山に住んでから、歩くスピードもゆっくりになりました。富山は暮らしやすいですね。

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📷:新湊内川で着物散歩を楽しむ小島さん。

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いきいきとした笑顔で富山について話す小島さんは、富山での毎日の暮らしを心から楽しんでいる様子でした!

最後までお読みいただき、ありがとうございます!



【ライタープロフィール】

德田さん

▷ 德田 琴絵(富山オタクことちゃん)
1992年生まれ。富山県南砺市出身、砺波市在住。
生粋の富山っ子。自称『富山オタク』!
趣味で、富山でアクションを起こす人に注目したメディア『#トヤマビト』をつくる。
富山市内のインキュベーション施設HATCHのスタッフとしてイベント企画や広報、コミュニケーションサポートを担当。
2021年5月10日(ことの日)にフリーランスデビュー。
ライターとして、富山の魅力発信の活動の幅を広げるべく奮闘中!

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