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毒親の心は今ここにあらず

母は結婚に失敗したといつも不機嫌を撒き散らし、私にありとあらゆる悪口と身内贔屓の話を虚実まじりに語り尽くさないと気が済まない人でした。

自己愛タイプの厄介な毒親です。

私が子供の頃のエピソードで、思い出すたびに不思議に思っていたことがあります。が、最近になってようやくカラクリが理解できました。

忘れもしない、私が小学校入学式の日のことです。

新入生たちは小学校の体育館に集められました。長い入学式の最中、周りの子供達がキョロキョロと後ろを振り返ったり、隣の子にちょっかいを出す中、私は、じーっと前を向いていました。

後ろを振り返りたかったけれど、後ろの父兄席に座っている母に見つかったら後できっと怒られると思っていたので、じっと前を向いて我慢していました。しかし、最後の方で、一回だけ、後ろをみてしまいました。

私は、「後ろを振り返っちゃったけど、1回だけだから怒られないだろう。他の子はキョロキョロと振り返っていたから」と思っていました。

式が終わって母と合流すると、「キョロキョロと何度も何度も後ろを振り返って!落ち着きがない!」と怒られました。

えーーーー!!私、1回しか振り返っていないけどーー???と思った私は、ずっとこのことが忘れられませんでした。

いやむしろ、私は1回しか振り返らなかったと思っているけれど、本当は、私は無意識に何度も振り返ってしまっていたのかな!?!?と、自分自身を疑ったりしました。

でもね。

最近わかったのは、毒親ってのは、現実(の子供)を見ていると思って違うものをみているのでしょうね。

毒に侵されている人の心は、今ここにあらず、過去や未来に飛びまくっていますから。

私の母の場合は、違う子供を自分の子供だと思いこみ、キョロキョロ振り返るのをイライラしながら見ていたのでしょうね。

その日、母は気合を入れて和装をしていました。そんなに気合を入れて、公立小学校の入学式に行っても、子供を見間違え、挙げ句の果てに説教を垂れるとは。母の心はあちこちに飛びまくっていたことでしょう。それか、自分が和装することばかりに気が行ってたかも。

毒親に育てられた私の心も今ここにいるのが難しく、過去や未来に飛びまくりがち。深呼吸や瞑想などのようなことをすることによって今ここに戻る練習をしています。

それに対しては、母は。自分は頑張って子育てした!それなのに長女は冷たい!と思い込んでいることでしょう。

分かり合える日は来ない、ということで。

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