五時を告げるけたたましい音楽が町に流れた。カズの目線が泳いだのに気づき笑った。「帰りたいなら帰れば」「そんなこと一言も言ってないだろ」そうだな、思っただけだ。俺が気づいてしまっただけ。「行くよ」頭の中じゃ警報が鳴り響いているだろうに。「だから……大丈夫だよ」そう言いたいがために。

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