2022年2月22日の日記

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不思議な気持ちだな、今まで体験したことのない感情。浮遊感に近いもの。悪い類いの、勉強が手につかなくなるようなふわふわ感ではないはず。アルバムの4曲目のイントロが頭の中をぐるぐるとまわっている。情緒的なメロディのはずなのに、繰り返しすぎて無機質になってきた。明後日東京に行くから、明日の午前中までに持っていくものをまとめなきゃならない。持っていく教材はやっぱり多くなりそう。やりたい勉強は、全然できてない。周りの友達も、あんまり勉強が手につかないみたい。講師はいないし、予備校は新しい浪人生の獲得を考えているようで、悲しい。別に予備校なんて、と思い続けてきたはずだけど、なんだか見放されたみたいにすら思える。共通テストが終わってから、毎日やらなきゃならないリスニングは、二日間ぐらいさぼった。もし落ちたとしたら、この日記を読んで、自分を殴りたくなるだろうか。明日は好きな人に会う。好きなわけじゃないけど、どこか拭えない思いだとか、畏怖を抱えている相手は、ときどき夢にでてくる。そうして、ぼくは過去の自分を消し去りたくなる気持ちをぐっとこらえて、認めてあげようとする。最後の半年は、そんな営みの連続だった。受かりたい。受からないと、志望校への憧れを抱き続けて生きてしまう気がする。ただもし受からなくても、幸せでいられる自信はある。自分を抱擁することを思い出せば、日記を書く余裕さえあれば、幸せでいられるはずだ。早く友達と、喋りたい。去年受かった友達と。一緒にうたをうたいたい。数学で合格を確信できればいいのに、と淡い期待を抱いてしまう。前を見るをじゃなくて、足下を見るべきなのは、わかっている。アルバムの四曲目から、スティービーワンダーの間奏に変わった。ここにきて、固まるなんて嫌だ。まだ、とろけていたい。受験会場でも、最初の教科が始まっても、最後の教科が終わっても、とろけていたい。とろけてさえいれば、大丈夫な気がするのだ。とろけていれば。夜更かしして、もっとこの気持ちを残したいけれど、リスニングをやって寝なきゃならない。受験勉強を頑張ったのだから、体調を管理して、合格するのだ。

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