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【印刷研究所コラム】 vol.09 紙のサイズと寸法

A4・B5などの用紙サイズは、日常でもコピー用紙やノートの大きさを表す表記として馴染みがあると思いますが、印刷業界では 菊全判・四六半裁など、日常では聞き慣れない用紙のサイズ表記があります。

今回は日頃様々な場面で使用される紙の仕上がりサイズと、印刷業界で使われる原紙の寸法についてご紹介します。



A列(A判)と B列(B判)

A4・B5などの各種コピー用紙、A6の文庫本、B6の単行本、見開きA3の商品カタログ。この A○・B○ という表記は日本で日常的に使われている用紙サイズを表していて、アルファベット部分は、国際標準化機構(ISO)で定められているA列(A判)と、日本工業規格(JIS)で定められている日本独自のB列(B判)を指しています。

紙のサイズ・寸法

上図のように縦と横の寸法はそれぞれ 1:√2(白銀比)の関係になっていて、A・Bに続く数字が1つ大きくなると、サイズは半分になります。A列とB列の規格寸法は、後述する原紙の【A列本判】【B列本判】から効率よく紙を取れるようなサイズ展開になっています。


●主な紙加工仕上げ寸法 (JIS P 0138)

主な紙加工仕上げ寸法

※ JISP0138:Writing paper and certain classes of printed matter −Trimmed sizes− A and B series ※ JIS AシリーズはISO 216 Aシリーズと同じ寸法ですが、JIS BシリーズはISO 216 Bシリーズと寸法が異なります
・JIS(Japanese Industrial Standards|日本工業規格)
・ISO(International Organization for Standardization|国際標準化機構)

A1判のことをA全判、B1判のことをB全判ともいいます。


日本の原紙寸法

原紙(全紙)とは、製紙メーカーから流通される、各規格サイズに断裁される前の紙のことです。日本における原紙は 日本工業規格(JIS)によって【A列本判】【B列本判】【四六判】【菊判】【ハトロン判】の5種が定められており、それぞれに原紙寸法が規定されています。

原紙寸法=全判の寸法で、全判を1/2にした半裁、1/4にした4切…と半分のサイズに展開されていきます。(【AB判】【K判】【L判】【GE判】【半紙判】【美濃判】【木炭紙判】【中判】など、JIS規定外でも様々な原紙寸法があります)


●主な洋紙の原紙(全紙)規格寸法 (JIS P 0202)

主な洋紙の原紙(全紙)規格寸法

※ JISP0202:Sizes of paper

印刷で使用する際、印刷品質を保つために化粧断ちを行うため、実際に使用するサイズは表より1〜2mm程度寸法が小さくなります。


A列本判・B列本判

【A列本判】【B列本判】は、A列(判)・B列(判)で展開される仕上がりサイズを無駄なく効率よく取れる寸法の原紙です。(紙面積を無駄なく使えることを “ 取り都合が良い ” といいます。)


菊判・四六判

【菊判】【四六判】は、印刷・製本の際に必要な余白を取れるような寸法の原紙です。
例えば冊子を作るときには、仕上がりサイズの外側に製本加工用の余白が必要ですが、A列サイズで菊判・B列サイズで四六判を使用すると、余白を取りつつ、紙を効率よく使うことができます。※ページ数や加工によってこの限りではありません


ハトロン判

【ハトロン判】は、“薬莢を包む紙”という意味のオランダ語“patroon”が語源で、その言葉通り元々は薬莢の包装紙でした。現在も包装紙や地図などに使用されることが多い原紙です。


輪転印刷機の用紙サイズ

輪転印刷機ではロール状に巻かれた用紙を使用するため、ここまでに記載した規格とは寸法が異なります。※袋断裁の際に仕上がりサイズに数ミリの誤差が生じる場合があります

輪転印刷機の用紙サイズ

輪転印刷で標準的な袋断裁を実施する場合は、絵柄に対して四方に余白が必要になります。進行する際は事前に余白寸法などの注意事項を印刷会社へ確認してください。


最後に。

今回は様々な紙のサイズについてお話ししました。進行する案件に適している用紙サイズは弊社担当営業がご提案いたします。ご不明な点はご相談ください。


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