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さくらチル。の第十九首

私が暮らす地方でも桜が散りはじめました。
この週末がピークだったようです。

桜の花は、咲き始めから散り終わった後に至るまで、美しさや華やかさだけではない感情を抱かせます。

あっと言う間に咲いては散ってゆく儚さ、天地一面を桜色に染めておきながら無情に季節を橋渡ししてゆく姿に、哀切を押しつけられた気がしてしまいます。
自分の思い出や体験と相まって、癒やしと共に痛みを連れてきます。


夕日に染まる花が雪のように舞っていました。
時間を道連れに春の終わりを告げています。


第十九首
朱色にその身を散らして夕桜
月より先に痛みを灯して
─── 音無桜花

2023.04.03.
月明かりの少し前、散る桜を見て

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