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「貴方を産んでごめんなさい」紙切れ一枚に書かれた母の遺言状

母の葬儀を終えて
遺品整理をしていたら 
妹から「お母さんから 姉さんに遺言状がある」と
1枚の紙を渡された
B5版ぐらいの小さな紙に
一言「貴方を 産んでごめんなさい」と言う文字が
書かれていた。

私を産んだ事を詫びた言葉に
鼻で笑いたくなるような
複雑な感情が湧き起こる
 
東京行きの夜行バスの中
「産んで ごめんなさい」その言葉が 頭と心
私の思考回路に反復して 私の心を叩く 何度も叩く

愛情表現が屈折してる人だとは
わかっていても 涙が次から次へと溢れ落ちて
体を震わせて 咽び泣いた。

私が
一番欲しかった言葉は
「生まれてきてくれてありがとう」
「お前を産んで良かった」その言葉だった。

「産んで ごめんなさい」その言葉の意味は
「産まない方がよかった」と言う事?
散々 虐待してきた事を 自分の感情の
鬱憤バラシを私にしてきた事を 詫びているのか?

『何なんだよ
産んでごめんなさいって』
何度も私の思考回路を その言葉が巡り巡って
ただ 体が震え涙が溢れおちた。

母が死んで 7年過ぎたけど
この痛みも 忘れてはならないのです。
しっかり噛み締めて 
同じ 苦しみ悲しみの中にいる人に
寄り添えるから 忘れてはならないのです。
闇は光になるから


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