この怒りを、このやるせなさを、私はきっと忘れない。

Twitterのタイムラインに、悲しい見出しが流れてきた。

『妊娠の相談急増 10代・小学生も』

妊娠の仕組みは、女性の子宮で作られる卵子に、男性の卵巣で作られる精子が入り込むことで新たな生命が作られる。
それをしっかり習うのは、早くても小学校高学年だろう。私は4年生の時に、男女別の教室でそんな話を聞いた。

女性は、生理と呼ばれる月1回の出血が子宮で発生する。これは、子宮の中で赤ちゃんのクッションになる胎盤が剥がれ落ちるに伴って起きる現象だ。
この生理が始まると、女性の体は妊娠できるようになった、という証でもある。
そして生理が始まるのは、早くて小学校高学年、遅くても中学、高校生の間になる。

妊娠すると女性の体にどんな変化が起こるか。

自分が生まれた時の体重を思い出して欲しい。大体3000g(3kg)前後、重くて4000g(4kg)、軽くて2000g(2kg)。もちろんそれより軽い人、重い人もいる。

その重さの内蔵が、下腹部にあるのだ。
もちろんお腹の皮膚はつっぱり、胃や腸は圧迫され続ける。

妊娠から出産まで10月10日と言うのだが、その期間普通のサイズじゃない、普通の重さじゃない子宮という内蔵が、お腹の中に存在し続けるのだ。

20代30代になった女性の身体と、まだ10代の身体は違う。10代は発育途中。骨や筋肉が形成されていく時期だ。そんな時期に、3000g(3kg)の塊が腹部に出来上がったら。
身体のあらゆる部位に対する負担が計り知れないほど大きいことは、簡単に想像できるだろう。

発育が終わり、完成した大人のからだですら大きな負担なのだ。まだ基礎が固まっていないコンクリートに、家を作る大黒柱を立てたって安定するはずがない。

妊娠は、少なくない確率で母体の死を招く。

不安を煽るようなことばかり書いてしまったのだが、それだけ10代、ましてや小学生で妊娠するのは、怖いことなのだ。

そして妊娠は、性行為が無いと有り得ない。
この見出しには、それだけの数の男性の関与がある。

避妊には様々な手段がある。コンドームが1番避妊できる確率が高く、簡単に出来る方法。

女性の避妊と聞いて思いつくピルという薬は、実は避妊の成功率は高くない。ホルモンバランスを少し調節するだけの効果しかない。生理の出血が多かったり、生理痛が酷い人がその治療・緩和に使うものだ。

流産させるピルは、緊急避妊薬と呼ばれる別物。

そしてこの知識、学校ではあまり習わない。

どうして知識も未熟な子供が妊娠しなければならないのか。
その妊娠に関わった男性は、何を思って性行為をしたのか。

一つ一つの事案を知らないから、中には互いの同意があった行為もあるのかもしれない。だが、それだって許されるべきことじゃない。

望まぬ妊娠なら尚更許されない。許してはならない。冗談にもならない。

私は、この自論を曲げることは無いだろう。
どうか適齢期では無い、望まない妊娠がこの世から根絶されるように。

忌避されがちな生理の話、妊娠の仕組みについて、機会があれば口を閉ざすことなく周りに広めていこうと思う。

ここまで読んでくださってありがとうございます。毒親育ちの自分に嘆くばかりだった人生から、少しずつ前を向けるようになりました。このnoteは、誰かが前を向くきっかけになればいいな、と思っています。もしよければ、また覗きに来てください!