見出し画像

7月18日 土曜日 晴れ

土用には早いが、鰻を食べた。
国産の炭火焼き、一匹3,000円。(もちろん、一匹を家族三人でわけた)
父の驕りだ。

一昨年前くらいから、私の住んでいる町の食堂で焼いている鰻が気に入って、毎年奢ってくれる。

父なりの心遣いだと思う。

鰻は、私の好物だ。大が3つつくくらい好きだ。
死ぬ前に、好きなものを食べさせてあげるって言われたら、鰻と素麺と炒めたキヌサヤをあげると思う。
国産にはこだわらない。とにかく、鰻が好きだ。

でも、鰻がうちに入るのは年に1、2回。もちろん一人で一匹なんて食べたことはない。いつも家族で少しずつをわけて、丼にする。それだけ、鰻は贅沢な食べ物だ。

一匹を程よい大きさに切って、トースターであぶる。
丼にご飯を少し入れ、その上に鰻をひと切れ乗せてタレかけ、その上からまたご飯の入れて、数切れ鰻を乗せてタレをかけ、山椒をふる。
ご飯の中にもう一匹が隠れているとわかっているのに、その鰻を口にするときの幸せ。ご飯の間に挟まって、ほくほくと温まった鰻がまた美味しい。

ところが、夫は今日まで鰻が私の好物だと知らなかったらしい。

「鰻、めっちゃ好きやねんなー」と言うと、目を真ん丸にして、「え、そうなん?」と驚かれた。

そういえば、好物だと言ったことがなかったなと思う。

家計をやりくりする身としては、そうそう鰻を買い物かごに入れる勇気はないし、手に入ったとしてもなるべく大黒柱の丼に多く入れるようにしていたから、知らなくても仕方がない。

値の張るものを好物なんて、言えなかった。

20年たってやっと言えた。

夫よ、覚えておいてほしい。
貴方の妻の好物は、鰻と素麺と炒めたキヌサヤ、そしてセブンイレブンのワッフルコーンミルクバニラです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?