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☆ついに、新刊『完訳 東医宝鑑 内景篇・外形篇』販売開始!!☆

こちらの記事は、2021年10月21日発行の新刊
『完訳 東医宝鑑 内景篇・外形篇』の書籍の詳細な解説です。
すぐにでもご注文なさりたい方は、Amazonの以下のページでご注文いただけます。定価は税込みで4400円です。

さらに詳細をお知りになりたい方は以下をどうぞ。
概説に続いて、書籍の画像入りで詳細に解説いたします。


「治療にどうしても困った時には、東医宝鑑を紐解け」
かく、日本の漢方の分野でまことしやかに語り継がれてきた、伝説的な医学書、東医宝鑑です。ただ、実情としてその名前のみが先行し、実際にこの書を詳細に読んだ方は、思いのほか少ないのではないでしょうか。

ここに、原本の刊行から400余年、また私の解説メルマガの創刊から10数年の時を経て、日本語として読みやすく、かつ内容も省略無しで十全に備えた東医宝鑑を刊行いたします。

全五篇のうち、本巻には初めの二篇、内景篇と外形篇とを収録しています。

原本は二十五分冊の大部なもので、本文は一巻につき一冊で二十三冊ありますが、本書にはこのうち八巻、八冊分もの内容を収録していることになります。

東医宝鑑は先行の中国の医書を引用、集大成する形で、許浚 主撰により1613年に朝鮮の地で生まれ、内容は基礎理論から解剖・生理、病理、診断や各科の治療、また今日で言う気功の分野、加えて天の運行と病の相関や、老人の養生、病になる前に治するという未病の発想、また積極的に健康を培っていく養生法、さらに健康や病気という相対を超えた境地を目指す修養法など、今日的なテーマや、今日の視点で言えば医学の範疇に収まらない、東洋医学独特のテーマなどまでを含む、当時最新・最高の包括的な医学書です。

また内容は日本で言う漢方と鍼灸の分野を共に記載しており、現在の日本のように漢方は漢方、鍼灸は鍼灸と治療が乖離する前の、病の状況によって双方から任意に治療を選択し得る形での医療を垣間見、また学ぶことができます。

この東医宝鑑の日本での受容は非常に早くまた熱心で、原本の輸入のみならず、日本でも1724年には『訂正 東醫寶鑑(東医宝鑑)』の名称で原本に校正を加えた形で刊行するほどの力の入れようでした。

ただこの『訂正 東醫寶鑑』の体裁は、原文の一部に用いられたハングルの文字(おそらく当時日本でその書を手にした医師達の誰もが読めなかったであろう)を記載するほど原本を忠実に再現したものではありましたが、本文の体裁は原本と同じ語順の中国文のままで、その傍らに訓点が施されたのみという、現在の日本人にとって容易に読みこなすことできる体裁ではありませんでした。

また、現代語訳としては、昭和40年から50年代にかけて東医宝鑑の名の下に訳本が発行されているのですが、内容に省略と誤訳が非常に多く、とうていその本来の姿を伝え得るものではありませんでした。

そして上記のように本書は原本の刊行以来、日本では初めての、日本語として読みやすく、かつ内容も十全に備えた日本語訳書となります。


以下は本書の実際の画像を含めた、具体的な体裁と内容についてです。

刊行の方針として、本書は内容と体裁においてできる限り原本を忠実に再現することを試み、内容では一切の省略をせず、段落や文章のみならず、個々の用語も可能な限り忠実に逐語訳することを心掛けました。


体裁はB5サイズのペーパーバックです。表紙のデザインも、原本を模して、原本へのオマージュを込めたものとなっています。目次30ページ、本文350ページを含めて、全体で390ページほどの書籍です。大判で文字が小さいですので、情報量としては多大で、前述のように原本では8冊分、プラス目録の内容をこの一冊に収録しています。(画像は書籍の完成形の確認のために作成したサンプル版です。出版の際の最終形とはデザインに少しの違いがあります)

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原本はいわゆる朝鮮本と呼ばれる非常な大判で、かの地の書籍は黄柏という植物の染料で紙を染めた黄色の表紙を主体とし、綴じの数は、本家中国や日本では四つが主流でしたが、朝鮮では判型の大きさや、また思想的な意味もあったのでしょう、五つが主流でした。

本書はその黄柏染め、五つ綴じの書籍をデザインに取り入れています。
表題の文字も原本を模しています。

内容は、巻頭にまず全体の目次を配しています。

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原本は全二十五冊もの大部な構成で、一巻に一冊が割り当てられていますが、本文の開始は三冊目からで、初めの二冊を詳細な目録に充てています。

本書はこの目録の体裁を模しつつ、本書独自のページ数に準拠した目次を作成しています。目次だけで30ページもあり、目次を眺めているだけで本篇の全体像がわかります。

またこれを常に眺めて全体の構成を覚えてしまうなどにも利用できるでしょう。

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次に、訳者による緒言があり、本書を作成するにあたってのコンセプトなどが記されています。ここを押さえずとも本文を読むことは可能ですが、押さえていただくと、原本との比較でより本文を深く読んでいただけるであろうポイントを記しています。

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初めから全部お読みいただかなくとも良いですが、本文を読みながらでも、少しずつ読んでその要点を把握していただけたら、より本文理解も進むのではと思います。


次に本文が始まります。ここからは原本の通りに内容が展開します。

原本では本文の前に位置する、序、集例、総目、歴代医方も、忠実に収録しています。

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本文は大判八冊にもわたる内容をこの一冊に収める都合で、原本とレイアウトも変えていますが、原本の基本的な構成がわかるように配置した所存です。

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この原本と本書のレイアウトの違いについても、先の巻頭の私の緒言に詳細に記してあり、そちらをお読みいただければ、頭の中で優れた原本の構成を再現しながらお読みいただけるものと思います。

前述のように、昭和期に発行された翻訳本は非常に省略が多かったのですが、本書は一切の省略をしないことを旨としています。

原本の章や項目はもちろんのこと(先行訳では項目そのものの省略も多かったのです)、項目の段落から、個々の文章、さらに各用語においても、なるべく省略せず、忠実に逐語訳することを心掛けました。

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原本に掲載の図版も、縮小してはありますが、忠実に再現しています。

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上部には、原本にはない、いわゆる柱を付けています。

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ここをご覧いただくと、開いているページの巻数や、章の名前がわかります。つまり、開いているページが何篇の何巻の、どの章に位置するのかがすぐにわかるようになっているわけです。画像ですと、「外形篇」の四巻で、「前陰」と「後陰」の章の分かれ目ということになります。ページ数は当然ながら巻頭の目次と対応しており、目次から本編へ、本編から目次へと、縦横に閲覧ができるようになっています。

体裁については、通常東洋医学の原典の翻訳書は、堅牢なハードカバーに仕立て上げ、また立派な函に収納できる体裁のものが多いですが、本書は函にしまって飾っておく書物ではなく、常に手元に置いて函から出し入れする間も惜しんで読みまた使う、週刊誌のように手軽に読み、辞書のように頻繁に引き、またかつての電話帳のように日常的に使いと、気軽に読み倒し、引き倒し、使い倒していただく体裁を意識しました。

またこの体裁にはコストを下げ、ご入手いただきやすくする意図もあります。東洋医学分野の原典の翻訳書は高価なものが多く、前述の省略の多い東医宝鑑の訳本でも、昭和53年発行の5篇の合冊本は40数年も以前の当時で定価が3万円もしました。また現在は絶版で非常に相場が高く、定価の数倍、また時に数十万円の価格で売られる本であることは周知のことと思います。

本書は全巻揃えても省略の多いこの本の定価の半額以下になる予定です。この点で、本書によってようやく適正価格、かつ定価にて入手可能な東医宝鑑が誕生するとも言えます。

東医宝鑑を読むということは、東洋医学の基礎から治療までを学ぶことであり、また先に触れたように主に先行の医書の引用で成り立っていますので、黄帝内経以来の各種古医書を読むということでもあり、この書は東洋医学を学ぶ方、ご興味がおありの方には必読必携の書籍と思い、日々の臨床や実践、また学習にぜひとも座右に備えて読み込んでいただけたらと願っています。

前述のように訳者は既に10数年にわたり、全訳を目指しつつ東医宝鑑を原文から解読・解説するメールマガジンを発行しており、メルマガは、全体の翻訳完成には時間がかかるので、必要な方に少しでも内容をお届けしたく開始したものでしたが、この書籍も同じ思いで、完成した分を早く形にしてお届けし、お手元でご活用いただきたいという願いで、まず内景篇・外形篇の二篇を書籍化したものです。

残りの雑病篇・湯液篇・鍼灸篇は、雑病篇で一冊、湯液篇・鍼灸篇で一冊との、さらに二冊になる予定です。

今後もメルマガをお届けしつつ、続篇を書籍化すべく引き続き鋭意執筆作業をしていく所存です。この一冊を徹底的に読み込んでいただきつつ、先の巻の刊行を楽しみにお待ちくださればと思います。

なお、メルマガは以下のページで、無料にてご登録いただけます。

メルマガでは配信されたマガジンを介して、例えば本書のこの部分を原文で読みたい、また本書に収録されていないこの箇所を解説してほしい、などのリクエストを送ることも可能で、本書と併せてさらに原文から読み深める発展性を持ちます。

メルマガではこれから書籍化される内容をリアルタイムでお届けするしているというわけで、まさに本になる原稿を先にお読みいただいているというわけですね。

続篇に関しても同様で、これから本になる文をお読みいただくという証人になっていただき、また積極的にご意見を賜ることで、これから生まれる翻訳に関わっていただくことも可能で、そんな情報がリアルタイムで生成されているという点もお楽しみくださればと思います。

全巻の翻訳完成まで、今後とも書籍とメルマガとをどうぞよろしくお願い致します。


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