見出し画像

僕は女の子になりたい

僕は自分の性別が分からない。生物学上は男だが、生まれてくる性別は間違えたような気がしてならない。だけど、完全に女の子かと言われるとそれもまた違うような気がする。可愛いぬいぐるみが好きだけど、銃や剣もカッコよくてオモチャが有ったらすぐ買っている。女性に愛されたいと思うけど、同じくらい男の人を愛したい。カッコよくなりたいし、可愛いと言われたい。そういうぐちゃぐちゃの感情の中で、自分のなりたいものを探して回っている。

昔から、男の子と迎合するのは苦手だった。小さい頃を思い返すと、鬼ごっこや何かの遊びをした記憶が殆ど無い。幼稚園生の休み時間なんかは、女の子に交じって色水を作ったりしていた記憶の方が鮮明に残っている。こういうとかなり女の子っぽいけれど、実際はゲームがかなり好きだったし、ドラクエの剣を振るゲームをクリスマスプレゼントに頼んだりと、男子がカッコいいと思うようなことも一杯していた。別にピンクが好きとかでは無かったし、自分が女の子だとも思っていなかった気がする。
でも、人生を振り返ってみれば女子と仲良くなるまでの期間は男子よりも短いことが多い。何となく話が合うというか、精神タイプが近い人が多いような気がする。無論、僕の勝手な思い込みで実際には男として恋愛対象にならないから話しやすいだけかも知れないけど。

初めて自分の性別に自信が持てなくなったのは、高校生の時だった。当時、同級生の男子にときめきを感じたのだ。別に、告白とかはしなかった。ただ何となく、自分の感覚が違うことを感じた。自分の肌の色、喋り方、声。別に女子では無いけれど、男らしさも無かった。男性的な特徴にコンプレックスを抱くようになった気がする。まあ身体的な自信は元々無かったから、女装をするようなことも無かったけれど、それでもその時から自分の性別を考えるようになった気がする。

あくまで現時点の考え。僕は生まれ持った生物的特徴も含めて、男の子としての感覚が6割くらい、女の子が4割くらい。でも、いつでもそういう混ぜこぜというよりは、その比率で自分の性別が入れ替わる。恋愛対象はどっちも。性的対象もどちらも好きだけど、女の子の方が比率は高めで、男の子は好き嫌いが激しい。可愛い恰好がしたい。けど、自信はあんまりない。

男の娘とか、オネエの人とかの話を聞くたびに、羨望と尊敬の念が生まれる。僕にはそうやって振り切ることが出来ていないし、男を捨てる勇気も持てないから。でも、心と体が一致していないときの苦しさも本物で、だから僕は女の子に生まれていれば良かったなぁと思わずにもいられないのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?