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レジャー・旅行需要も回復、見ておきたい旅行関連の投資信託一覧

ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは、2023年3月期の最終利益が前年度比10倍の807億円になったと発表しました。ホテル部門の業績改善や入園者数増加によるもので、コロナ禍以前の水準に迫る勢いです。さて、コロナ禍で落ち込んだレジャー・旅行需要ですが、2023年度は回復に向かっており、関連企業の業績回復も期待されます。そんな旅行関連業界に分散投資できる投資信託を見ていきましょう。

旅行需要はコロナ禍以前の水準へ

一時は猛威を振るった新型コロナの感染拡大も、2023年4月現在では収束したように見えます。1日の新規感染者数は依然1万人を超えていますが、重症者数は50人前後であり、何より経済活動という点ではコロナによる影響がほぼ無くなったと言ってよいでしょう。コロナを理由に外出・旅行を控える動きはあまり見られなくなりました。

2023年(1~12月)について、株式会社JTBは国内旅行者数が2億6,600万人になると予想しており、コロナ以前の2019年実績(2億9,170万人)に戻りつつあります。ちなみに2020年は1億5,040万人、2021年は1億3,300万人まで激減していました。国内旅行は2022年度には回復基調に入っていましたが、2023年度からは訪日外国人観光客(インバウンド)の制限解除もあり、旅行関連業界がますます忙しくなることでしょう。特にホテル・航空業界はコロナ禍で解雇や雇い止めを行ったため人材不足が問題となっており、自動精算機の導入や外国人材の採用を進めています。出張の多い筆者も地方都市のホテルで外国人スタッフをよく見かけるようになりました。

そんな旅行関連業界に投資できる商品をいくつか見ていきましょう。投資信託やETFを使うことで、複数の個別株に手を出すよりも安く分散投資することが可能になります。

インバウンド関連銘柄で構成される「インバウンド関連日本株ファンド」

上記のとおり2023年からはインバウンドの制限が解除され、都内でも外国人観光客を見かけるようになりました。そんなインバウンドに期待できる投資信託が「インバウンド関連日本株ファンド」です。この商品は三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用するもので、マザーファンドを通じて国内を対象にインバウンド関連の航空・小売銘柄で運用されています。2022年11月時点における構成銘柄上位2社はソニーグループ(3.26%)、三井不動産(3.14%)と一見インバウンドには関係なさそうですが、2~3%の比率でPPIH(ドン・キホーテの運営企業)、三越伊勢丹HD、日本航空なども組み入れられています。外国人観光客に人気の北海道チーズケーキ「ルタオ」を提供する寿スピリッツも2.85%含まれています。なお、インバウンド関連日本株ファンドは三井住友信託銀行、大和証券、楽天証券などで購入できるようです。

ディズニー、化粧品で構成される「ゆたか観光立国日本株式ファンド」

「ゆたか観光立国日本株式ファンド」も同様に、インバウンド受けがよさそうな銘柄で運用されています。この投資信託は安藤証券子会社のカレラアセットマネジメント運用する商品で、構成銘柄の上位3社はJR東日本(4.03%)、三越伊勢丹HD(3.96%)、オリエンタルランド(3.73%)となっています。京成、近鉄などの鉄道株も含まれているほか、およそ3.0%の比率で資生堂、コーセーなどの化粧品銘柄も含まれています。コロナ禍以前では特に中国人観光客の間で日本の化粧品が人気となり、各地で爆買いも見られました。また、構成銘柄はインバウンドだけでなく日本人にもなじみのある銘柄が多く、国内旅行の回復にも恩恵をうけそうです。商品としては面白いのですが、豊証券専用のファンドとなっているのがやや残念なところです。

世界の旅行関連企業に分散投資できる「世界ツーリズム株式ファンド」

国内の旅行業界に限った場合、関連の投資信託は少なく、個別株やホテル関連のリートも考えなければならないのが現状です。一方で世界の旅行関連企業で構成される投資信託もあります。「世界ツーリズム株式ファンド」はキャピタル アセットマネジメントが運用する商品で、日本を除く各国の旅行関連銘柄で構成されています。2022年12月時点で国別では米国(16.3%)、スイス(11.2%)、スペイン(6.8%)、フランス(4.5%)となっており、そのほかにタイや中国などが含まれます。銘柄別の上位3社はブッキング・ホールディングス(オンライン旅行予約、7.3%)、メリア・ホテル・インターナショナル(リゾート業、6.8%)、デュフリー(免税店、6.8%)です。そのほかクルーズ船業者やスイスの航空会社、タイ空港公社などの銘柄で構成されています。まさに、世界の旅行業界に特化した投資信託といえるでしょう。

まとめ

以上、旅行関連の投資信託の中で筆者が気になるものを紹介しました。日本国内では少ない印象ですが、例えば「AdvisorShares Hotel ETF」など米国市場では旅行関連のETFが多数提供されています。米国株を運用している人は米国市場でこうした商品を見てみるのも良いでしょう。ちなみに旅行など特定の分野に特化した投資信託はテーマ型投資信託と呼ばれます。テーマ型投資信託は値動きが大きいため長期保有には向いていないかもしれませんが、数か月や1年単位など中期の運用で参考にしてみたいものです。


※免責事項
本記事は特定の金融商品の売買を勧めるものではなく、また、控えるよう促すものでもありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断のもと実施してください。

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