マルケタの2021年度第2四半期決算(IPO後初)で予想を下回った原因に注目。

話題沸騰中のバイナウペイレイターですが、アファーム(ティッカーシンボル:AFRM)とアマゾンの業務提携のニュースが記憶に新しいと思います。その裏側でクレジットカードのイシューをしたり、裏方で糸を引いている企業がマルケタ(ティッカーシンボル:MQ)です。

今年の6月にIPOされ、8月11日にIPO後初の決算発表を迎えています。

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2021年度Q2:EPS×、売上高、ガイダンス〇

*ガイダンスのコンセンサス予想はフォローできてません。

EPSが予想より大幅にショートしました。しかし、これには特殊要因が含まれています。

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見ても分かるように「報酬と福利厚生」が大幅に増加しています。これはストックプションにかかる費用が大きく関係しており、アナリストがストックプション費用をきちんと把握できなかったので、予想と大きく乖離する結果となりました。

しかし、ストックオプション費用は予想できる人は誰もいません。株価がどこで開くか分からないなど色々な理由があり、会社側とアナリストらに落ち度はありません。

その為、今回EPSがショートしたのは単純比較できないのです。

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営業利益率、営業CFマージン、純損失、修正EBITDAマージンはストックオプションにかかる営業費用がマージン全体を悪化させました。利益率という面では悪い決算でした。

しかし、営業費用が計算に含まれないグロスマージンが悪化しているのも気になります。これには売上高原価を見てみましょう。

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ネットワークフィーが今期は増えています。これは決済ネットワークに支払う料金で、マルケタを利用するビジネスが増える程、支払う金額は増えていきます。支払いのタイミングは一定期間に固まっており、今期はそれが集中したということなんです。

なので、販売原価が今期は増えた分グロスマージン(粗利益率)は38%と前年同期より悪化した原因はネットワークフィーの増加です。

これは一過性の問題で、会社側は来期のグロスマージンは40~45%になるとガイダンスしており、再び40%台に向けて反発することを示唆しています。

今回のストックオプション費用、ネットワークフィーの増加は「一過性の問題」であるため、極度の心配は不要だと思います。

では会社自体のビジネスのモメンタムはどうでしょうか。

(前年同期比:+〇%)

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バイナウペイレイターはマルケタ自体はやっていませんが、アファームやクラーナ、アフターペイなど着々と力を付けているバイナウペイレイター企業の裏方としてカードをイシューしてあげているのがマルケタなんです。なので、業界全体が活発化すればするほど儲かる仕組みです。

そのバイナウペイレイター自体の成長率は前年同期比+350%と驚異的な数字を決算カンファレンスコールで発表しました。これにJPモルガンのアナリストは言葉を失っており、マルケタによって他のクレジットカードビジネスをしている企業は淘汰される可能性が高いことを示唆してるからだと思います。

バイナウペイレイターは割賦払いで金利0なんです。リボ払いで高い金利をつけられるよりこっちで払った方がいいですよね。本来なら「どの年齢、職種の人にでデフォルトする可能性が高いんだ?」というデータを十分にとってから貸倒リスクを防ぐのですが、まだ普及し始めたばかりのビジネスなので十分な消費者スコアが集まってません。なので誰降りかまわず割賦払いを許すことになっています。
クレジットカードを作れない人でも通ってしまうので、いずれある時点でデフォルトする人が続出するかもしれません。

アファームではペロトンのランニングバイクでの割賦販売を主にしていましたが、最初は買ったばかりで喜んで支払いに応じると思いますが、人間は飽き性なもので「なんでこれ買ったんだろう?」と腹筋ワンダーコアを買った後と同じような感覚になると思います。支払いが滞るのはこの辺りだと思います。

なので、その期間まではバイナウペイレイターに関係する企業はうなぎのぼりの業績になっていくと思います。

なので次の決算は11月10日に2021年度第3四半期決算を発表する予定です。

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