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投資と寄付は何が違う?に向き合うとお金のリテラシーが上がる!

先日、10〜20代の若者の支援をしている認定NPO法人D/Pの代表である今井さんとお話しをさせてもらう機会がありました。同法人は、寄付金を幅広く集め「孤立した若者」を支援しています。不登校・中退・経済的困難・いじめ・虐待・無業など、周囲に頼れず苦しい境遇にある若年層は多く、素晴らしい活動だと思います。私も若年期に全寮制の学校での生活や家庭環境で苦しい思いをしました。ただ、それが酷い状況なのか、当時は判断さえも尽きませんでした。D/Pで働かれている方、私は幾許かの支援しかできませんが、誠にありがとうございます。

※まとめた記事はこちら。https://wealthpark-lab.com/vision-dxp-v1/ そもそもの日本での寄付市場の全体像や、認定NPO法人についてなども教えてもらいました。

さて、社会的に見ると投資と寄付は非常に良く似ています。ただ、個人の財布的に見ると、投資と寄付は真逆のもの、に見えたりもします。そして、この解釈の変化への心の葛藤を観察すると、自分のお金に対する潜在的な意識や、人生観が浮かび上がってきます。結果、寄付を考えること、寄付をすることは、お金のリテラシーを大きく高める効果があると思っています。

投資と寄付。社会的に見れば、どちらも他人にお金を託す行為であり、お金を託した側は託した人に、そのお金で何らかの活動で社会を豊かにしてもらうこと、を期待しています。応援や推し活とも言えますかね。自分の時間は1日24時間しかなく、自分の仕事や家族など様々な責任があるのが常です。自分には専門性が乏しい別の活動を、時には地理的に離れた場所で行うのは簡単ではありません。投資も寄付も自分の専門外の活動を他人に委ねることができ、これは他人の強みを自分の人生に取り込む行為とも言えるでしょう。

反対に、投資と寄付は真逆、という考え方はどうでしょう。自分の財布から見れば、投資へはより多くのお金が帰ってくることを期待していますが、寄付で自分に帰ってくるお金はありません。投資においては、託したお金が増えることも減ることもありますが、寄付では確実に財布の中身は減ります。

また、確実に儲かるような投資などは世の中にありません。自分の財布の事に全ての意識が向かう守銭奴となれば、お金が増えるか減るか分からない投資は危ないから一切やらない、寄付などはお金が減るので一切やらない、という人生観に行き着きます。「投資は怪しい、寄付は偽善だ」のような考えがはびこり、他人にお金を託するという行為の全てが社会から消えていくでしょう。人と人の結びつきが弱くなり、他の人の専門性を自分に取り込む機会が激減します。

このように、社会軸と自分の”財布”軸では、寄付や投資の見え方がまったく異なるわけですね。

ここで大切なのは、多くの人は「自分の財布軸」という損得だけで世の中を捉えたり、何らかの判断をしていないということ。自分の軸には社会的な軸が多分に織り込まれているので、実際の世の中には投資や寄付が存在して、そのおかげで我々は豊かな生活を享受しているのです。投資や寄付が一切なかったら、恐ろしく貧しく不幸せな社会が訪れます😱

この「投資と寄付」における心の葛藤、みなさん自身でも考えてみてください。人生の軸やお金の価値観が浮かび上がってくると思います。

さて、さらに発展系を考えましょう。我々は、誰かにお金を託すというお金の出し手だけではなく、その逆の社会からお金を託されるという立場にもあります。

例えば、奨学金は、個人が社会からお金を受け取る機会ですね。寄付金からのものも沢山あります。難病に罹ってしまったり、何かの大きな災害に見舞われれば、寄付金や支援金を受け取ることになります。

住宅ローンを借りて家を買う場合も、同様に社会からお金を受け取ります。自営業を始める時は、政策金融公庫や親族から数百万円の融資を受けたりするでしょう。スタートアップ企業で世の中を変えるためエンジェル投資家やベンチャーキャピタルから資金調達をします。事業資金の融資を銀行から受けるのも同じです。サラリーマンなどの人は、社会からの応援資金を受け取っている実感が少ないかもしれませんが、お勤めの会社がこれらから社会からの応援に無縁であることは極めて珍しいと思います。そして、これらの寄付や投資は、受け取った人を豊かで幸せにしていきます。

ということで、今回は出す受けるという両方向の投資と寄付という、社会のお金の巡りを考えてみましたが、結論、

より多くの人が「投資と寄付」の「託す側と託される側」として活発に社会参加をしていることが大切、と思います。それが活力のある社会を作り
、より多くの方の豊かさと幸せを作るのでしょう。

私自身、今までもこれからも、投資も寄付も私から社会へ活発に行い、同時にそれを社会から受け取ることも活発に行いたい、と思います。

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